iPhoneのアクションモードとは、走りながらでも手ぶれを強力に抑え、まるでジンバルを使ったかのように滑らかな映像が撮れるビデオ撮影機能です。
この機能はiPhone 14以降のモデルに搭載されており、カメラアプリのアイコンをタップするだけで簡単に起動できます。
この記事では、基本的な使い方やシネマティックモードとの違い、画角が狭くなるデメリットや暗い場所での注意点まで詳しく解説します。
アクションモードを使いこなし、ブレのない動画撮影を楽しみましょう。
iPhoneのアクションモードとはどんな撮影機能なのか
- アクションモードの基本的な使い方と起動方法
- アクションモードが使える対応機種一覧
- ジンバルはもう不要?手ぶれ補正効果を比較
- シネマティックモードとの違いを分かりやすく解説
- 通常モードで撮影した動画との揺れ比較
- アクションモードで撮影した動画の画質はどうなる?
- 撮影できる動画の解像度とフレームレート
- iPhone 15シリーズでの性能向上ポイント
アクションモードの基本的な使い方と起動方法
iPhoneのアクションモードは、カメラアプリのビデオ撮影画面から、アイコンを一度タップするだけで誰でも簡単に起動できます。
走りながら子供やペットを追いかける時など、動きの激しいシーンでも驚くほど滑らかな動画が撮れますよ。
基本的な使い方は、以下の3ステップだけです。
- iPhoneのホーム画面から「カメラ」アプリを開きます。
- 撮影モードの選択肢の中から、左右にスワイプして「ビデオ」を選んでください。
- ビデオ撮影画面の左上(横向きの場合は右上)に、走っている人の形をしたアイコンが表示されます。これをタップしてください。
アイコンが黄色く点灯し、「アクションモード」という表示が出れば準備完了です。
あとは、いつも通りに赤い録画ボタンを押すだけで、強力な手ぶれ補正が効いた動画の撮影が始まります。
もう一度、走っている人のアイコンをタップすると機能はオフになり、通常のビデオモードに戻ります。
スポーツ観戦やアウトドアアクティビティ、テーマパークで遊んでいる様子など、これまでブレてしまって見るのが辛かったような映像も、アクションモードならまるでプロが撮影したかのようなスムーズな映像で残せます。
特別な設定は不要で、撮りたいその瞬間にすぐ使えるのが最大の魅力ですね。
アクションモードが使える対応機種一覧
アクションモードは、iPhone 14シリーズ以降のすべてのモデルで利用できる機能です。
残念ながら、iPhone 13以前のモデルではソフトウェアのアップデートを行っても使用することはできません。
お使いのiPhoneが対応しているかどうか、以下の表で確認してみてください。
シリーズ | 対応モデル |
iPhone 14シリーズ | ・iPhone 14<br>・iPhone 14 Plus<br>・iPhone 14 Pro<br>・iPhone 14 Pro Max |
iPhone 15シリーズ | ・iPhone 15<br>・iPhone 15 Plus<br>・iPhone 15 Pro<br>・iPhone 15 Pro Max |
それ以前のモデル | iPhone 13シリーズ以前の全モデルは非対応 |
この機能が比較的新しいモデルに限定されているのには、理由があります。
アクションモードは、センサーそのものを動かしてブレを打ち消す「第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正」と、パワフルなプロセッサによる高度な画像処理を組み合わせて実現されています。
つまり、ハードウェアの性能が不可欠なため、古い機種では対応できないのです。
今後発売される新しいiPhoneでは、標準機能として引き続き搭載されていくと考えて良いでしょう。
もし、動きの激しい動画を撮る機会が多いのであれば、アクションモードが使える機種への買い替えを検討する価値は十分にありますよ。
ジンバルはもう不要?手ぶれ補正効果を比較
iPhoneのアクションモードは、手軽さの面で考えれば、日常的な撮影においてジンバル(手持ちの撮影安定機材)が不要になるほどの強力な手ぶれ補正効果を持っています。
しかし、画質や表現の自由度まで考慮すると、プロレベルの滑らかな映像を求めるなら、まだジンバルに軍配が上がると言えるでしょう。
アクションモードとジンバルのメリット・デメリットを比較してみました。
項目 | アクションモード | ジンバル |
手軽さ | iPhoneだけで完結し、非常に手軽 | 荷物が増え、撮影前の設定が必要 |
補正効果 | 強力な電子補正で揺れを抑える | 物理的に揺れを吸収し、非常に滑らか |
画角 | 映像を切り取るため、通常より狭くなる | 変化しない |
暗所性能 | 光量が少ないと画質が低下しやすい | 影響を受けない |
コスト | 無料(iPhoneの標準機能) | 有料(数千円~数万円) |
例えば、旅行先で子供を追いかけながら撮るようなスナップ動画なら、アクションモードの手軽さは何にも代えがたい魅力です。
一方で、本格的なVlogやショートフィルムなど、映像作品としてクオリティを追求するなら、画角が狭くならず、どんな明るさでも安定した映像が撮れるジンバルの方が適しています。
結論として、「手軽にブレのない動画を撮りたい」ならアクションモード、「作品としてのクオリティを追求したい」ならジンバル、というように目的によって使い分けるのが賢い選択肢です。
シネマティックモードとの違いを分かりやすく解説
アクションモードとシネマティックモードは、どちらもiPhoneのビデオ撮影をより魅力的にする機能ですが、その目的と効果は全く異なります。
簡単に言うと、アクションモードは「動き(ブレ)」を、シネマティックモードは「雰囲気(ボケ)」をコントロールするための機能です。
この二つの機能の違いを、目的別に見ていきましょう。
- アクションモードの目的と効果
- 目的: 動きの激しい被写体や、撮影者自身が動きながら撮る時の「手ぶれ」をなくすこと。
- 効果: ジンバルを使ったかのような、非常に滑らかな映像になります。
- 得意なシーン: スポーツ、子供やペットの撮影、歩きながらのVlogなど。
- シネマティックモードの目的と効果
- 目的: 被写体にピントを合わせ、背景を美しくぼかすことで、映画のような雰囲気を作り出すこと。
- 効果: 一眼レフカメラで撮ったような、被写体が際立つ印象的な映像になります。撮影後にピント位置を変更することも可能です。
- 得意なシーン: 人物や特定のモノを主役にした撮影、物語性のある映像など。
この二つの機能は、同時に使うことはできません。
ビデオ撮影画面で、アクションモードのアイコン(走る人)か、シネマティックモードの選択肢のどちらか一方を選ぶ形になります。
激しい動きを滑らかに撮りたい時はアクションモード、被写体を際立たせた印象的な映像を撮りたい時はシネマティックモード、というように使い分けてくださいね。
通常モードで撮影した動画との揺れ比較
アクションモードで撮影した動画と、通常のビデオモードで撮影した動画とでは、手ぶれの補正効果に劇的な差が現れます。
特に、走りながら撮影したり、階段を駆け上がったりするようなシーンでは、その違いは一目瞭然です。
通常モードの動画では、歩くだけでも画面が上下に揺れ、走ると視界がガクガクと激しく揺れて、後から見返すのが辛い映像になりがちです。
一方で、アクションモードを使うと、まるで地面を滑るようにスムーズで安定した映像を撮ることができます。
この驚くほど強力な手ぶれ補正は、iPhoneの「超広角カメラ」を巧みに利用する仕組みによって実現されています。
- まず、実際に見える範囲よりも広い範囲を、超広角カメラで撮影します。
- iPhoneが内蔵センサーで検知した揺れや傾きと逆方向に、撮影した広い映像の中から切り出す部分をリアルタイムで動かします。
- この「切り出して見せる部分」を常に安定させることで、結果的に揺れが吸収された滑らかな映像が生み出されるのです。
この処理は、映像の揺れを吸収するための「余白(のりしろ)」を確保するようなイメージですね。
そのため、アクションモードを使うと画角が少し狭くなるという特徴もありますが、それを補って余りあるほどの安定した映像が手軽に手に入ります。
アクションモードで撮影した動画の画質はどうなる?
アクションモードは強力な手ぶれ補正を提供する一方で、画質にはいくつかの影響が出ます。
結論として、アクションモードは「ブレのない滑らかさ」を最優先する機能であり、そのために画質が少し犠牲になる側面がある、と理解しておくと良いでしょう。
画質に影響する主なポイントは、以下の2つです。
画角が狭くなる(クロップされる)
アクションモードは、超広角カメラで撮影した広い映像の中から、揺れを補正しながら中央部分を切り出す(クロップする)仕組みです。
そのため、通常のビデオモードで撮影した時よりも、映る範囲が狭くなります。
これは仕様上の特性であり、避けることはできません。
暗い場所では画質が低下しやすい
強力な電子手ぶれ補正を行うためには、たくさんの光量が必要です。
そのため、屋内や夜間などの光が少ない場所でアクションモードを使うと、iPhoneが自動的に感度を上げて光を補おうとし、結果としてノイズが多くざらついた映像になりがちです。
「十分な光が必要です」という警告が表示されることもあります。
つまり、アクションモードが最も得意とするのは、「屋外などの明るい場所で、激しい動きを撮影する」シーンです。
もし画質を最優先したい場合や、暗い場所での撮影では、アクションモードをオフにして、できるだけiPhoneを固定して撮影する方が綺麗な映像になりますよ。
撮影できる動画の解像度とフレームレート
アクションモードで撮影できる動画の解像度は最大で2.8K、フレームレートは1秒間に60フレーム(60fps)まで対応しています。
通常のビデオモードで可能な4K撮影には対応していませんが、これは強力な手ぶれ補正処理のために必要な仕様です。
アクションモードで設定できる解像度とフレームレートの組み合わせは、以下の通りです。
- 1080p HD / 30 fps
- 1080p HD / 60 fps
- 2.8K / 24 fps
- 2.8K / 30 fps
- 2.8K / 60 fps
これらの設定は、カメラアプリのビデオ撮影画面の右上(横向きの場合は左上)に表示される「HD」や「60」といった数字をタップすることで、簡単に切り替えることができます。
「2.8K」という解像度は、フルHD(1080p)よりも高精細で、4Kには及ばないものの、スマートフォンの画面などで見る分には十分すぎるほどの綺麗さです。
「fps(フレームレート)」の数値が高いほど、より滑らかなスローモーション映像などを作るのに適しています。
アクションモードで4K撮影ができないのは、先述の通り、手ぶれ補正のために映像を切り出す「余白」が必要だからです。
4K解像度でセンサーの全域を使ってしまうと、この補正処理が行えなくなるため、解像度に制限が設けられています。
動きの滑らかさを取るか、最高の解像度を取るか、撮りたいシーンに合わせてモードを使い分けるのが良いでしょう。
iPhone 15シリーズでの性能向上ポイント
iPhone 15シリーズのアクションモードは、基本的な機能や仕様においては、iPhone 14シリーズから大きな変更はありません。
しかし、iPhone 15 ProおよびPro Maxに搭載された「A17 Proチップ」のような、より高性能なプロセッサの恩恵により、処理の安定性などが向上していると考えられます。
公式に「アクションモードの性能が向上した」という大々的な発表はありませんでしたが、内部的な進化によるメリットは存在します。
- より高度なリアルタイム処理:
新しいチップは、画像処理能力が向上しています。これにより、手ぶれ補正の演算や、特に光量が少ない場面でのノイズリダクション(ノイズを減らす処理)が、より効率的かつ高精度に行われる可能性があります。 - 安定性の向上:
長時間のアクションモード撮影など、プロセッサに高い負荷がかかる場面でも、より安定して動作することが期待できます。発熱が抑えられたり、処理落ちが起きにくくなったりといった形ですね。
とはいえ、実際に撮影される動画の滑らかさや解像度といったスペック面で、iPhone 14シリーズと比べて誰もが明らかに体感できるほどの劇的な差があるわけではありません。
結論として、アクションモードの性能だけを理由にiPhone 14から15へ買い替える必要性は低いと言えます。
しかし、これから新しく対応機種を購入する方にとっては、より新しいモデルの方が、将来的なOSアップデートへの対応なども含めて安心して長く使えるでしょう。
iPhoneのアクションモードとは別に知っておくべき注意点
- 知っておくべきデメリットと注意点
- 暗い場所での撮影は苦手?その理由と対策
- アクションモードで撮影できない時の原因
- アクションモードをオフ(無効)にする方法
- 覚えておきたい便利な設定項目
- 超広角カメラでの撮影に切り替えるやり方
- 撮影後にアクションモードを適用するのは可能?
知っておくべきデメリットと注意点
非常に便利なiPhoneのアクションモードですが、利用する上で知っておくべきデメリットや注意点もいくつか存在します。
これを理解しておくことで、撮影で失敗するのを防ぎ、機能をより上手に活用できますよ。
主なデメリットと注意点は、以下の3つです。
- 画角が狭くなる(クロップされる)
アクションモードの最も大きな特徴であり、デメリットとも言えるのがこの点です。
手ぶれを補正するための「余白」として、超広角カメラで撮った広い映像の中央部分を切り出して使うため、通常撮影時より映る範囲が狭くなります。 - 暗い場所での撮影には向かない
強力な手ぶれ補正には多くの光を必要とします。
そのため、十分な光がない屋内や夜間では、画質がザラザラと荒れやすくなります。 - 4K解像度での撮影はできない
アクションモードで撮影できるのは、最大で2.8K解像度までです。
最高の画質を求める4K撮影をしたい場合は、アクションモードをオフにする必要があります。
これらのデメリットは、強力な手ぶれ補正を実現するためのトレードオフ(代償)と考えることができます。
手ぶれ補正の滑らかさを最優先する機能だと割り切って、撮りたいシーンに合わせて使い分けるのが賢い使い方ですね。
暗い場所での撮影は苦手?その理由と対策
アクションモードは、光が少ない暗い場所での撮影を苦手としています。
その理由は、アクションモードが電子式手ぶれ補正を行う際に、たくさんの光量を必要とするからです。
暗い場所で無理に撮影しようとすると、iPhoneは明るさを確保しようとしてカメラの感度(ISO感度)を自動で引き上げます。
その結果、映像にノイズが多く発生し、ザラつきのある画質が荒れた動画になってしまうのです。
実際に、光量が足りないとiPhoneの画面に「十分な光が必要です」という警告メッセージが表示されます。
しかし、この弱点には公式な対策が用意されています。
- iPhoneの「設定」アプリを開きます。
- メニューの中から「カメラ」を選択してください。
- 「ビデオ撮影」の項目に進みます。
- 「アクションモード(低照度)」というスイッチがあるので、これをオン(緑色)にします。
この設定を有効にすると、通常なら警告が出てしまうような少し暗い場所でも、アクションモードが使えるようになります。
ただし、その代わりに手ぶれ補正の効果が少し弱まるというデメリットもあるので、状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
アクションモードで撮影できない時の原因
いざアクションモードを使おうとしても、アイコンが表示されない、またはタップしても有効にならない場合があります。
その場合、原因のほとんどはiPhoneのカメラ設定に関連しています。
アクションモードが使えない時にチェックすべき主な原因は、以下の通りです。
- 対応していない機種を使っている
アクションモードは、iPhone 14シリーズ以降のモデル専用の機能です。
iPhone 13以前の機種では利用できません。 - ビデオモード以外が選択されている
カメラアプリが「写真」や「シネマティック」モードになっていないか確認してください。
必ず「ビデオ」モードに合わせる必要があります。 - 対応していない解像度・フレームレートが設定されている
アクションモードは4K解像度での撮影には対応していません。
もし、カメラの設定でビデオ撮影が常に4Kになるように固定している場合、アクションモードが有効にならないことがあります。
ビデオ撮影画面の右上で、解像度を「HD(1080p)」や「2.8K」に変更してみてください。
これらの点を確認すれば、ほとんどの場合は解決するはずです。
特に、解像度の設定は見落としがちなポイントなので、アクションモードのアイコンがグレーアウトして押せない時などは、まずここを疑ってみましょう。
アクションモードをオフ(無効)にする方法
アクションモードをオフにして、通常のビデオ撮影に戻す方法は非常に簡単です。
機能をオンにした時と同じアイコンを、もう一度タップするだけで切り替わります。
詳しい手順は、以下の通りです。
- まず、カメラアプリのビデオ撮影画面を開きます。
- アクションモードがオンになっていると、画面の左上(横向きの場合は右上)にある走る人のアイコンが黄色く点灯しています。
- この黄色いアイコンを、指でポンと一度タップしてください。
たったこれだけで、アイコンの色が白(または灰色)に戻り、アクションモードがオフになります。
オンとオフの切り替えは瞬時に行えるため、一つの動画撮影の途中でも、シーンに応じてモードを切り替えることが可能です。
例えば、「最初は歩きながら撮るのでアクションモードをオン」→「途中で立ち止まって固定で撮るシーンになったのでオフにする」といった柔軟な使い方ができます。
アクションモードが不要になったら、この方法でこまめにオフにする癖をつけておくと、意図せず画角が狭いまま撮影してしまう、といった失敗を防げますよ。
覚えておきたい便利な設定項目
アクションモードをより快適に使いこなすために、iPhoneの「設定」アプリの中に一つだけ覚えておきたい便利な項目があります。
それは、「アクションモード(低照度)」という設定です。
この設定をオンにしておくことで、アクションモードが苦手とする、少し暗い場所での撮影に対応できるようになります。
設定方法は、以下の手順です。
- iPhoneのホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- 下にスクロールして、「カメラ」の項目を探してタップしてください。
- 次に、「ビデオ撮影」のメニューに進みます。
- その中に「アクションモード(低照度)」というスイッチがありますので、これをオン(緑色)にします。
デフォルトの状態(オフ)では、iPhoneは手ぶれ補正の効果を最大化することを優先します。
そのため、少しでも光が足りないと判断すると、アクションモード自体が使えなくなるか、警告が表示されます。
この「低照度」設定をオンにすると、手ぶれ補正の効果を少しだけ犠牲にする代わりに、より幅広い明るさの環境でアクションモードを使えるようにiPhoneが調整してくれます。
常にオンにしておいても特に問題はないので、いざという時に使えない事態を避けるためにも、あらかじめ有効にしておくのがおすすめです。
超広角カメラでの撮影に切り替えるやり方
アクションモードは、その仕組み上、常に超広角カメラの情報を利用して手ぶれ補正を行っています。
その上で、ビデオ撮影画面のズームボタン「.5」をタップすることで、さらに広い画角で撮影することが可能です。
標準の広角(1x)で撮影するよりも、よりダイナミックで臨場感あふれる映像を撮りたい時に便利なテクニックですよ。
操作方法はとても簡単です。
- カメラアプリを起動し、「ビデオ」モードでアクションモードをオンにします。
- 撮影画面に表示されているズーム倍率の表示(通常は「1x」となっています)の隣にある、「.5」をタップしてください。
これで、超広角カメラでのアクションモード撮影に切り替わります。
アクションモード中は、どのカメラを使っても映像がクロップされる(狭くなる)ことに変わりはありません。
しかし、元となるカメラが超広角になることで、クロップ後の最終的な映像も、標準カメラを使った時よりずっとワイドになります。
例えば、雄大な自然の風景の中を歩きながら撮影する場合や、狭い室内で複数人を追いかけながら撮る場合などに、この超広角でのアクションモードが非常に役立ちます。
撮影したい範囲に応じて、「1x」と「.5」を上手に切り替えてみてください。
撮影後にアクションモードを適用するのは可能?
結論から言うと、通常モードで撮影してしまった動画に対して、後から編集でアクションモードの効果を適用することはできません。
アクションモードは、撮影中にリアルタイムで手ぶれ補正処理を行う機能であり、編集で追加できるエフェクトではないからです。
この機能は、超広角カメラで実際に映っている範囲よりも広い領域を撮影し、その「余白」を使って揺れを吸収するという仕組みで成り立っています。
通常モードで撮影された動画には、この補正に必要な「余白」の情報が含まれていません。
そのため、後からアクションモードのような滑らかな補正をかけることは原理的に不可能なのです。
ただし、似たような効果を得るための代替案は存在します。
- 動画編集アプリのスタビライザー機能を使う
Appleの純正アプリ「iMovie」や、他の高性能な動画編集アプリには、「スタビライザー(手ぶれ補正)」機能が搭載されていることがあります。
これを使えば、撮影後の動画の揺れをある程度軽減させることは可能です。
しかし、これらの編集機能による補正は、映像をさらにクロップして無理やり揺れを抑えるため、画質の低下がより大きくなる傾向があります。
やはり、最初からブレを抑えたいと分かっているシーンでは、忘れずに撮影前にアクションモードをオンにすることが最も重要です。
iPhoneのアクションモードとはまとめ
- iPhoneのアクションモードとは、走りながらでも滑らかな動画が撮れる、ジンバルのような強力な手ぶれ補正機能です。
- 使い方はビデオ撮影画面のアイコンをタップするだけで、iPhone 14以降の全モデルが対応機種です。
- 背景をぼかすシネマティックモードとは、手ぶれ補正に特化しているという目的と効果が根本的に異なります。
- デメリットとして、手ぶれ補正の仕組み上、映像がクロップされて画角が狭くなる点が挙げられます。
- アクションモードは多くの光を必要とするため、特に暗い場所では画質が低下しやすいので注意が必要です。
- 設定で「アクションモード(低照度)」をオンにすれば、少し暗い場所でも撮影が可能になります。
- 撮影後にアクションモードを適用することはできないため、必ず撮影前に機能をオンにしてください。