スマホの自動タップは、iPhoneなら標準機能の「スイッチコントロール」、Androidなら専用アプリで設定できます。
ゲームの周回など、単純な繰り返し作業を自動化できて非常に便利です。
ただし、アプリの安全性やゲームでの利用には注意点があります。
この記事では、iPhoneとAndroidそれぞれの具体的な設定方法から、安全なアプリの選び方、利用上のリスクまでを分かりやすく紹介します。
スマホの自動タップを実現する具体的な方法
- iPhoneの標準機能「スイッチコントロール」での設定方法
- Androidのおすすめ無料自動タップアプリ一覧
- ルート化なしで安全に使えるアプリの選び方
- 特定の位置を繰り返しタップさせるやり方
- 複数の場所を順番にタップするジェスチャの作り方
- タップする時間間隔をミリ秒単位で調整するコツ
- 「連打ちゃん」のような連打アプリの具体的な使い方
- ゲームの周回プレイを効率化する活用例
iPhoneの標準機能「スイッチコントロール」での設定方法
iPhoneでは、アプリを追加しなくても標準機能の「スイッチコントロール」を使うことで、画面の自動タップが可能です。
これは本来、身体の不自由な方をサポートするための「アクセシビリティ」機能の一つで、これを利用して特定の操作を自動化します。
設定方法は少し複雑ですが、一度覚えてしまえば安全に自動タップを使えるようになります。
大まかな流れは、「カスタムジェスチャ」でタップ操作を記憶させ、それを「レシピ」として保存し、ショートカットで呼び出す、というものです。
【設定手順】
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「スイッチコントロール」の順に進みます。
- 「レシピ」→「新規レシピを作成」をタップし、分かりやすい名前(例:自動タップ)を付けます。
- 「スイッチを割り当てる」→「フルスクリーン」→「カスタムジェスチャ」を選択します。
- 黒い画面が表示されるので、ここで自動タップさせたい場所を指でタップします。連打させたい場合は、その場所を素早く複数回タップしてください。右下の「保存」を押します。
- 一つ前の「レシピ」画面に戻り、「レシピを起動」の項目で、先ほど作成したレシピ(例:自動タップ)を選択します。
- 最後に、この機能を簡単に呼び出すためのショートカットを設定します。「設定」→「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進み、「スイッチコントロール」にチェックを入れます。
これで準備は完了です。
サイドボタン(またはホームボタン)を3回連続で押すとスイッチコントロールが起動し、画面をタップすると先ほど記憶させたジェスチャが実行されます。
もう一度3回クリックすれば機能は停止します。
Androidのおすすめ無料自動タップアプリ一覧
Androidスマートフォンで自動タップを行いたい場合、Google Playストアで配布されている専用アプリを利用するのが最も手軽で一般的です。
多機能なアプリが多く、タップする場所や間隔、回数などを直感的に設定できるのが魅力です。
ここでは、人気が高く、比較的安心して使えるおすすめの無料アプリをいくつか紹介します。
| アプリ名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| クリッカー (Tapping – Auto Clicker) | シンプルな操作画面で初心者でも使いやすい。日本語に完全対応しているのが嬉しいポイント。 | とにかく簡単に自動タップを試してみたい方。 |
| 自動クリッカー (Auto Clicker – Automatic tap) | 複数のタップポイントやスワイプ操作も設定可能。ゲームの複雑な周回にも対応しやすい。 | 複数の場所を順番にタップしたい、高度な設定をしたい方。 |
| 連打ちゃん – オートクリッカー | 高速連打に特化した国産アプリ。画面のどこでも連打できるフローティングボタンが便利。 | ゲームのボス戦など、特定の場面で高速連打が必要な方。 |
| Clickmate: Auto Clicker [Macro] | タップ操作だけでなく、自分で操作した内容を記録(マクロ録画)して、それを再現できる高機能アプリ。 | より複雑な繰り返し操作を完全に自動化したい上級者の方。 |
これらのアプリは、いずれも「ルート化」と呼ばれる特殊な操作なしで利用できます。
アプリを選ぶ際は、日本語に対応しているか、広告の表示頻度はどのくらいか、そしてレビューや評価も参考にすると良いでしょう。
まずはシンプルな機能のアプリから試してみて、自分の目的に合うものを見つけるのがおすすめです。
ルート化なしで安全に使えるアプリの選び方
自動タップアプリを選ぶ際、最も重要なのは「ルート化なし」で使える安全なアプリを選ぶことです。
「ルート化(root化)」とは、スマートフォンのシステムを改造して、通常はアクセスできない管理者権限を取得する行為です。
これを行うと、スマホの動作が不安定になったり、メーカー保証の対象外になったり、セキュリティが非常に脆弱になるなど、多くのデメリットがあります。
現在、Google Playストアで公開されているほとんどの優良な自動タップアプリは、このルート化を必要としません。
安全なアプリを選ぶためのチェックポイントは以下の通りです。
- 必ずGoogle Playストアからダウンロードする
公式サイト以外で配布されている、いわゆる「野良アプリ」は絶対にインストールしないでください。ウイルスやマルウェアが仕込まれている危険性が非常に高いです。 - レビューと評価を確認する
実際に使った他のユーザーの評価はとても参考になります。「正常に動かない」「広告が多すぎる」「怪しい動きをする」といったネガティブなレビューが多いアプリは避けましょう。 - 不必要な権限を要求しないかチェックする
自動タップアプリが必要とする権限は、主に「ユーザー補助」と「他のアプリの上に表示」です。これら以外に、連絡先や位置情報、マイクへのアクセスなど、機能と無関係な権限を要求してくるアプリは危険です。 - 更新が定期的に行われているか確認する
長期間アップデートされていないアプリは、新しいOSに対応していなかったり、セキュリティ上の問題が放置されていたりする可能性があります。
これらのポイントをしっかり確認すれば、ルート化の危険を冒すことなく、安全に自動タップの利便性を享受できます。
特定の位置を繰り返しタップさせるやり方
自動タップアプリの最も基本的な機能は、画面上の特定の一点をひたすら繰り返しタップさせることです。
ゲームのボタン連打や、Webページの更新チェックなど、様々な場面で活用できます。
ここでは、多くのアプリで共通する基本的な設定手順を解説します。
ほとんどのアプリでは、画面に表示されるフローティングコントロールパネル(操作パネル)を使って設定を行います。
【特定の位置をタップさせる手順】
- 自動タップアプリを起動し、必要な権限(ユーザー補助など)を許可します。
- 「開始」や「有効にする」といったボタンを押すと、画面の端に小さなコントロールパネルが表示されます。
- 自動タップさせたいアプリ(ゲームなど)を開きます。
- コントロールパネルにある「+」(プラス)ボタンをタップします。すると、「①」と書かれた丸いターゲットアイコンが画面上に出現します。
- この「①」のアイコンをドラッグして、タップさせたいボタンの真上に正確に配置します。
- コントロールパネルの「▶」(再生)ボタンを押すと、先ほど配置した「①」の場所で自動タップが開始されます。
- 停止したい時は、コントロールパネルの「■」または「||」(停止・一時停止)ボタンを押します。
タップする速さ(間隔)や回数を変更したい場合は、ターゲットアイコン「①」をタップすると設定画面が開くことが多いです。
ここでミリ秒単位での調整ができます。
この基本操作を覚えれば、ほとんどの単純な繰り返し作業は自動化できますよ。
複数の場所を順番にタップするジェスチャの作り方
自動タップアプリの多くは、単一の場所だけでなく、複数の場所を順番にタップしていく複雑な操作(ジェスチャ)を設定することも可能です。
例えば、「①のボタンをタップした3秒後に、②のボタンをタップする」といった一連の流れを自動化できます。
これは、ゲームの周回プレイや、決まった手順の入力作業などに非常に便利です。
複数の場所をタップするジェスチャは、ターゲットアイコンを追加していくことで作成します。
【複数箇所をタップする手順】
- まず、前述の方法で1つ目のターゲットアイコン「①」を設置します。
- 続けて、コントロールパネルの「+」ボタンをもう一度タップすると、画面に「②」という新しいターゲットアイコンが現れます。
- この「②」を、次にタップさせたい場所に配置します。同じように「+」ボタンを押していくことで、「③」「④」とターゲットを増やせます。
- アプリは、この番号の順番通りにタップを実行します。
- 各ターゲット間の時間差を設定したい場合は、それぞれのターゲットアイコンをタップして、実行遅延時間などを設定します。
例えば、「②」のアイコンをタップして「遅延:3000ミリ秒」と設定すれば、「①」がタップされてから3秒後に「②」がタップされる、という流れを作れます。 - すべての配置と設定が終わったら、コントロールパネルの再生ボタンを押すと、設定した順番と間隔で自動タップが開始されます。
この機能を使えば、単なる連打だけでなく、一連のシナリオを組み立てることができるので、自動化の幅がぐっと広がります。
タップする時間間隔をミリ秒単位で調整するコツ
自動タップの性能を最大限に引き出すには、タップする「間隔」と「継続時間」を適切に設定することが重要です。
多くのアプリでは、これらの時間をミリ秒(ms)単位で細かく調整できます。
(1秒 = 1000ミリ秒)
この設定を使いこなすことで、ゲームの仕様に合わせたり、サーバーへの負荷を考慮したりと、より高度な自動化が実現できます。
設定は、各ターゲットアイコンをタップすると表示される詳細画面で行うのが一般的です。
【主な設定項目】
遅延時間 (Delay
前のタップが完了してから、このターゲットをタップするまでの待ち時間。 |
通信を伴う操作の場合、サーバーからの応答を待つために少し長め(例:2000ms)に設定すると安定します。
継続時間 (Duration)
指で画面を押し続ける時間。「長押し」を再現したい場合に使います。
通常のタップなら短く(例:50ms)、長押しが必要なら長く(例:1000ms)設定します
繰り返し回数
この一連のジェスチャを何回繰り返すか。
無限」や「0」に設定すると、停止するまでループし続けます。
例えば、ゲームでボタンを高速連打したい場合は、「遅延時間」を可能な限り短く(例:10ms〜50ms)設定します。
しかし、短すぎるとアプリが認識しなかったり、スマホの動作が不安定になったりすることもあるので、少しずつ調整していくのがコツです。
逆に、画面の読み込みや通信が発生する操作を自動化する場合は、遅延時間を十分に長く取らないと、次のボタンが表示される前にタップしてしまい、エラーの原因になります。
自分の目的に合わせて、最適な時間設定を見つける試行錯誤が、自動タップを使いこなす鍵と言えるでしょう。
「連打ちゃん」のような連打アプリの具体的な使い方
「連打ちゃん」は、その名の通り画面の高速連打に特化した、シンプルで使いやすい国産の自動タップアプリです。
複雑な設定は不要で、とにかく速い連打を手軽に実現したい場合に最適です。
ここでは、「連打ちゃん」を例に、連打系アプリの基本的な使い方を説明します。
【連打ちゃんの使い方】
- Google Playストアから「連打ちゃん」をインストールします。
- アプリを開くと、最初に「ユーザー補助」と「他のアプリの上に表示」の権限を許可するように求められるので、画面の指示に従って設定をオンにします。
- 権限の許可が終わると、アプリのメイン画面に戻ります。ここで連打の間隔(速度)や、連打アイコンの見た目などを設定できます。
最初はデフォルト設定のままで大丈夫です。 - 画面下部の「連打開始」ボタンをタップします。
- すると、画面上に「連打ちゃん」の顔アイコン(フローティングアイコン)が表示されます。このアイコンはドラッグして好きな場所に移動できます。
- 連打したいゲームやアプリを開きます。
- 連打したいボタンなどの上に「連打ちゃん」のアイコンを移動させ、アイコンを一度タップします。
- アイコンが点滅を始め、その場所で高速連打がスタートします。
- 連打を止めたい時は、点滅しているアイコンをもう一度タップすればOKです。
- 機能を完全に終了させたい場合は、画面上部の通知バーから「連打ちゃん」のサービスを停止します。
このように、非常に直感的な操作で使えるのが特徴です。
他の連打系アプリも似たような操作感のものが多いので、一度使い方を覚えれば応用が利きますよ。
ゲームの周回プレイを効率化する活用例
スマホの自動タップ機能が最も活躍する場面の一つが、ゲームの周回プレイです。
同じステージを何度もクリアして、経験値やアイテム、素材などを集める作業は、時間がかかり退屈になりがちです。
これを自動タップで自動化することで、ゲームプレイの負担を大幅に軽減できます。
【具体的な活用例】
- RPGでのレベル上げ
特定の敵を倒し続ける作業を自動化します。
「敵をタップ→攻撃ボタンをタップ→リザルト画面のOKをタップ→再挑戦ボタンをタップ」という一連の流れをジェスチャとして登録することで、寝ている間もレベル上げが可能です。 - パズルゲームのハート(スタミナ)送信
友人リストを開き、上から順番にハートを送っていく作業を自動化します。
スワイプ操作とタップ操作を組み合わせることで、リストのスクロールも自動化できます。 - 育成ゲームの資源回収
時間経過で生産される資源を、定期的にタップして回収する作業を自動化します。
フェッチの間隔のように、実行間隔を長め(例:10分ごと)に設定しておけば、自動で資源を回収し続けてくれます。
このように、単純作業や繰り返し操作が求められる多くのゲームで、自動タップは強力なツールとなります。
ただし、注意点もあります。
ゲームによっては、自動化ツールの使用を利用規約で禁止している場合があります。
これに違反すると、アカウントが停止(BAN)されるリスクもゼロではありません。
利用は自己責任で行う必要があることを、十分に理解しておきましょう。
スマホで自動タップを利用する際の注意点
- 自動タップアプリに潜む危険性と安全性の見分け方
- ゲームで利用するとアカウントがBANされる可能性
- 自動タップができない・反応しない時の原因と対処法
- 物理的に画面を押す自動タップ装置とは何ですか?
- 意図しない動作を防ぐための停止方法
- バッテリー消費が激しくなるデメリットについて
- アプリに許可する権限で注意すべきポイント
自動タップアプリに潜む危険性と安全性の見分け方
自動タップアプリは非常に便利ですが、中には個人情報を盗んだり、ウイルスを仕込んだりする悪質なアプリも存在するため、安全性を見極めることが非常に重要です。
安全なアプリと危険なアプリを見分けるには、いくつかのチェックポイントがあります。
危険なアプリは、スマホの動作に不必要な権限を要求してくることが多いです。
【安全性のチェックポイント】
ダウンロード元
Google Playストアなどの公式ストアのみで配布されている。
非公式のサイトや怪しいリンクからダウンロードさせる。
要求する権限
「ユーザー補助」「他のアプリの上に表示」など、機能に最低限必要な権限のみ。
連絡先、位置情報、マイク、ストレージなど、機能と無関係な権限を要求する
レビュー・評価
高評価が多く、ポジティブなレビューが中心
不具合報告にも誠実な対応が見られる。
不自然な高評価と、多数の低評価が混在
「動かない」「怪しい」というレビューが目立つ
広告の表示
適切な場所に表示され過度な全面広告は少ない。
しつこいポップアップ広告や、他のアプリ操作中にまで広告を表示する。
開発元の情報
開発元のWebサイトへのリンクなど、情報が明記されている。
開発元の情報が不明、または偽装されている。
特に重要なのが「権限」の確認です。
自動タップの機能自体には、あなたの連絡先や写真データは全く必要ありません。
もしアプリのインストール時にそのような権限を求めてきたら、そのアプリは個人情報を抜き取ろうとしている可能性が高いので、絶対に許可しないでください。
公式ストアにあり、レビュー評価が高く、不必要な権限を求めてこない。
この3点を最低限の基準としてアプリを選ぶようにしましょう。
ゲームで利用するとアカウントがBANされる可能性
スマホゲームで自動タップアプリを使用する行為は、多くのゲーム運営会社が利用規約で禁止している「チート行為」や「不正行為」と見なされる可能性があります。
もし運営側に不正なツール使用が検知された場合、最も重い罰則としてアカウントの永久停止(BAN)処分を受けるリスクがあります。
アカウントがBANされると、そのゲームに二度とログインできなくなり、これまで時間やお金をかけて育ててきたキャラクターやアイテムなど、すべてのデータを失うことになります。
運営側が自動タップを検知する方法は様々ですが、主に以下のような点が監視されています。
- 人間では不可能な速度や間隔での、機械的で正確すぎるタップ操作。
- 24時間休みなく、全く同じ操作パターンを繰り返す。
- ツールの特徴的な動作パターンが、サーバーのログに残る。
全てのゲームで検知されるわけではありませんが、「バレないだろう」と安易に考えるのは非常に危険です。
特に、オンラインで他のプレイヤーと競い合うランキングイベントなどでは、監視が厳しくなる傾向にあります。
「周回プレイが面倒だから」という軽い気持ちで自動タップを使い、大切なアカウントを失ってしまっては元も子もありません。
ゲームで自動タップを利用する場合は、常にアカウント停止のリスクが伴うことを十分に理解し、自己責任の上で慎重に判断する必要があります。
自動タップができない・反応しない時の原因と対処法
設定したはずの自動タップがうまく動作しない、または全く反応しない時には、いくつかの原因が考えられます。
慌てずに一つずつ原因を切り分けていくことで、ほとんどの場合は解決できます。
主な原因と、その対処法は以下の通りです。
- アプリの権限が許可されていない
最も多い原因がこれです。自動タップアプリが動作するには、「ユーザー補助」と「他のアプリの上に表示」という2つの権限が必須です。
スマホの「設定」アプリから、該当アプリの権限設定を見直し、両方がオンになっているか確認してください。 - 省電力機能がアプリを停止させている
スマホのバッテリーセーバーや省電力モードがオンになっていると、バックグラウンドで動いている自動タップアプリの動作を強制的に停止させてしまうことがあります。
一度、省電力機能をオフにして試してみてください。 - OSやアプリのバージョンが古い
スマートフォンのOSや、自動タップアプリ、対象のゲームアプリのバージョンが古いと、互換性の問題で正常に動作しないことがあります。
それぞれのアプリを最新版にアップデートしてみましょう。 - ターゲットの位置がずれている
タップしたいボタンの上に、ターゲットアイコンが正確に重なっていないと反応しません。
画面を拡大するなどして、ミリ単位で位置を微調整してみてください。 - アプリの相性が悪い
特定のゲームやアプリ側で、自動タップを検知して無効化する対策が取られている場合もあります。
この場合は、残念ながらそのアプリでの利用は難しいかもしれません。別の自動タップアプリを試すと動作することもあります。
物理的に画面を押す自動タップ装置とは何ですか?
アプリ(ソフトウェア)による自動タップの他に、物理的に画面をコツコツと叩いてくれる「自動タップ装置」という物理的なデバイスも存在します。
これは「スマホ連打器」や「オートクリッカー」などとも呼ばれ、主にUSBで給電し、先端に付いたヘッド部分がモーターで上下に動いて画面をタップする仕組みです。
ソフトウェア方式と物理方式には、それぞれメリットとデメリットがあります。
| 方式 | メリット | デメリット |
| アプリ(ソフトウェア) | ・無料で始められる ・複数の場所やスワイプなど複雑な設定が可能 ・持ち運びが容易 | ・ゲーム等で不正ツールと検知されやすい ・スマホの負荷が高く、バッテリー消費が激しい |
| 装置(物理デバイス) | ・アプリをインストールする必要がない ・ソフトウェア検知によるBANのリスクが低い ・スマホへの負荷が少ない | ・購入費用がかかる ・タップ速度や間隔の調整が難しい ・装置が大きく、持ち運びにくい ・動作音がする |
物理的な装置の最大の利点は、スマホ内部の動作には一切干渉しないため、ゲーム運営側から不正ツールとして検知されにくい点です。
あくまで「外部から画面が押されている」だけなので、ソフトウェア的なログが残りません。
そのため、アカウントBANのリスクを極力避けたいと考えるユーザーに選ばれることがあります。
ただし、タップ速度がアプリほど速くなかったり、細かい位置調整が難しかったりといった物理的な制約もあります。
「絶対にBANされたくない、でも単純な連打だけは自動化したい」という特定のニーズに応えるための選択肢と言えるでしょう。
意図しない動作を防ぐための停止方法
自動タップを一度開始すると、設定によっては無限に動作し続けるため、自分で止めない限りスマホを操作できなくなってしまうことがあります。
暴走させてしまわないように、正しい停止方法を事前に必ず覚えておくことが重要です。
ほとんどの自動タップアプリには、複数の停止方法が用意されています。
- コントロールパネルの停止ボタンを押す
最も基本的な方法です。画面に表示されているフローティングコントロールパネル上の「■」や「||」(停止・一時停止)ボタンをタップします。
これが一番確実で安全な停止方法です。 - 電源ボタンを押す
多くのアプリでは、一度画面をスリープさせる(電源ボタンを短く押す)と、自動タップ機能が自動的に停止するように設計されています。
コントロールパネルが操作できない場合に有効です。 - 通知バーからサービスを停止する
画面の上から下にスワイプして通知センターを開くと、実行中の自動タップアプリの通知が表示されています。
この通知から「停止」や「終了」といった操作ができます。 - アプリを強制終了させる
最終手段として、マルチタスク画面(アプリ履歴画面)を開き、自動タップアプリを上にスワイプして強制終了させる方法もあります。
自動タップを開始する前には、必ずこのコントロールパネルが表示されていることを確認し、いつでも停止ボタンが押せる状態にしておくことが大切です。
また、就寝中などに長時間使う場合は、万が一に備えて繰り返し回数を無限ではなく有限の回数に設定しておくのも、安全策の一つです。
バッテリー消費が激しくなるデメリットについて
自動タップは非常に便利な機能ですが、大きなデメリットとしてスマートフォンのバッテリー消費が激しくなる点が挙げられます。
自動タップを使用している間は、スマホが常にアクティブな状態になり、様々な処理がバックグラウンドで動き続けるためです。
バッテリー消費が激しくなる主な理由は以下の3つです。
- 画面が常にオンの状態になる
自動タップ中は画面が消灯しないため、スマホの部品の中で最もバッテリーを消費するディスプレイが点灯し続けます。 - CPUが常に動作し続ける
タップ操作を制御し、対象のアプリを動かし続けるために、スマホの頭脳であるCPUが常にフル稼働に近い状態で動作します。
これによりCPUが発熱し、さらにバッテリーを消耗させる原因にもなります。 - 対象アプリ(特にゲーム)自体の負荷が高い
3Dグラフィックスを多用するゲームアプリなどは、それ自体が非常に多くの電力を消費します。
これを長時間動かし続けることになるため、バッテリーはみるみる減っていきます。
このデメリットへの対策として、自動タップを長時間使用する際は、必ずスマートフォンを充電ケーブルに接続した状態で行うことが推奨されます。
ただし、充電しながら高負荷の操作を続けると、バッテリーの温度が上昇しやすくなります。
バッテリーの劣化を早める原因にもなるため、スマホが熱くなりすぎないように、涼しい場所で使うなどの配慮も必要です。
アプリに許可する権限で注意すべきポイント
自動タップアプリをインストールする際、アプリから様々な「権限(パーミッション)」の許可を求められます。
この権限許可は、アプリが正常に動作するために必要なものですが、中には機能と無関係な、危険な権限を要求してくる悪質アプリも存在します。
どの権限を許可して良いのかを正しく理解し、不要な権限は絶対に与えないことが、スマホを安全に保つ上で非常に重要です。
自動タップアプリにとって、本当に必要な権限は基本的に以下の2つだけです。
【許可が必須な権限】
- ユーザー補助サービス(アクセシビリティ)
画面上のどこがタップされたかを認識し、プログラムでタップ操作をシミュレートするために必須の権限です。これを許可しないと自動タップは機能しません。 - 他のアプリの上に表示
ゲームなど他のアプリを操作している時でも、タップ位置を指定するターゲットアイコンや、操作用のコントロールパネルを表示させるために必要な権限です。
【注意・警戒すべき権限】
以下の権限を求めてきた場合は、そのアプリの必要性をよく考え、安易に許可しないようにしてください。
- 連絡先、通話履歴へのアクセス
- SMS(ショートメッセージ)の読み取り
- 位置情報へのアクセス
- マイク、カメラへのアクセス
- ストレージ(写真やファイル)へのアクセス
これらの個人情報は、自動タップの機能には全く必要ありません。
もしこうした権限を要求されたら、そのアプリは個人情報を収集しようとしている可能性が高いと考え、インストールを中止するのが賢明な判断です。
スマホの自動タップまとめ
- スマホの自動タップは、iPhoneなら「スイッチコントロール」、Androidなら無料アプリで実現できます。
- Androidでおすすめのアプリは、ルート化なしで使え、安全性の高いものを選びましょう。
- 特定の位置の連打だけでなく、複数の場所を順番にタップする複雑な設定も可能です。
- ゲームの周回プレイに活用できますが、利用規約違反でアカウントがBANされる危険性もあります。
- 自動タップアプリができない・反応しない時は、権限の許可や省電力設定を見直します。
- 物理的に画面を押す自動タップ装置という選択肢もあります。
- アプリに許可する権限は、「ユーザー補助」以外に不必要なものを要求されていないか注意が必要です。