ヘルスケアで睡眠が記録されない原因と解決策|iPhone・Apple Watchの確認点から手動入力まで

iPhoneやApple Watchのヘルスケアで睡眠が記録されない場合、多くは「睡眠集中モード」の設定ミスやデバイスの充電不足が原因です。

これらの問題は、iPhoneとApple Watchの再起動や、各種設定の再確認で解決することがほとんどです。

この記事では、睡眠データが記録されない時に考えられる原因から、具体的な解決策までを順番に解説します。

どうしても直らない場合のペアリング再設定や、手動でデータを入力する方法も紹介します。

あなたの睡眠記録が、今日からまた正しく取れるようにサポートします。

目次

ヘルスケアで睡眠が記録されないときに考えられる主な原因

iPhoneのヘルスケアだけで睡眠を記録するための条件は?

iPhoneだけでヘルスケアに睡眠を記録するには、睡眠スケジュールを設定し、そのスケジュールに合わせて「睡眠集中モード」を利用する必要があります。

Apple Watchのように自動で睡眠を検出するわけではなく、ユーザーの操作が記録のきっかけになるんです。

なぜなら、iPhoneにはApple Watchのような心拍数や体の動きを常に監視するセンサーが内蔵されていないからです。

そのため、「寝る時間ですよ」と「起きましたよ」という合図を、iPhoneの操作によって教えてあげる必要があるんですね。

具体的な設定手順は以下の通りです。

  1. まず、ホーム画面から「ヘルスケア」アプリを開きます。
  2. 画面下部の「ブラウズ」をタップし、項目の中から「睡眠」を選んでください。
  3. 「通常スケジュール」または「睡眠スケジュール」の項目で、ご自身の就寝時刻と起床時刻を設定します。
  4. この時、「睡眠集中モード」をスケジュールと連動させる設定をオンにしておくのがポイントです。

この設定をしておくと、決めた就寝時刻にiPhoneの画面が暗くなり、「睡眠集中モード」が自動でスタートします。

このモードがオンになった時点を「就寝」としてヘルスケアが認識します。

そして朝、設定したアラームを止めたり、iPhoneのロックを解除したりすると「睡眠集中モード」がオフになり、その時点が「起床」として記録される仕組みです。

ただし、この方法で記録されるのは、あくまで「ベッドの中にいた時間」がメインになります。

もし夜中にトイレなどで起きてiPhoneを操作してしまうと、その時間は睡眠時間から引かれてしまうこともあるので注意しましょう。

より正確な睡眠の質まで知りたい場合は、やはりApple Watchなどのデバイスと連携させるのがおすすめですよ。


Apple Watchで睡眠データが記録されない場合の確認事項

Apple Watchで睡眠データがうまく記録されない時は、主に「睡眠集中モードの設定」「Apple Watchの充電」「装着状態」の3つを見直すことで解決することが多いです。

Apple Watchは、寝ている間の心拍数や手首の細かい動きをセンサーでキャッチして睡眠を記録しています。

ですから、これらの機能がきちんと働くための設定や物理的な条件が整っていないと、データが正しく取れなくなってしまうのです。

もし記録ができていないなと思ったら、以下の項目をチェックしてみてくださいね。

  1. 睡眠集中モードはオンになっていますか?
    iPhoneの「設定」アプリから「集中モード」へ進み、「睡眠」の項目を確認しましょう。スケジュールが正しく設定されているか、または手動でオンにしているかを見てください。このモードが有効でないと、Apple Watchは睡眠の計測を始めてくれません。
  2. Apple Watchの充電は十分ですか?
    質の良い睡眠データを一晩中取り続けるには、それなりにバッテリーを消費します。寝る前に、バッテリー残量が最低でも30%以上あることを確認するのが理想です。残量が少ないと、朝になる前に電源が切れて記録が途中で終わってしまいます。
  3. 正しく装着できていますか?
    Apple Watchが手首にゆるすぎず、きつすぎず、ぴったりフィットしているか確かめてください。ベルトが緩いと、センサーが肌から離れてしまい、心拍などを正確に読み取れずに記録エラーの原因になります。
  4. 「手首検出」はオンになっていますか?
    iPhoneの「Watch」アプリを開き、「パスコード」の項目にある「手首検出」がオンになっているか見てみましょう。この設定がオフだと、バックグラウンドでの心拍数測定などが機能せず、睡眠記録に影響が出ることがあります。

まずは、これらの基本的なポイントを確認するだけで、案外あっさり問題が解決することがありますので、ぜひ試してみてください。


睡眠ステージが詳細に分析されないのはなぜ?

Apple Watchで「コア睡眠」「レム睡眠」「深い睡眠」といった睡眠ステージが表示されない場合、考えられる原因は、お使いのApple Watchのモデルが古いか、睡眠時間が短いかのどちらかであることがほとんどです。

睡眠ステージを細かく分析するためには、心拍数や呼吸数、皮膚温といった複数のデータを精密に測定できる、より進んだセンサーが必要になります。

この機能は、実は比較的新しいモデルのApple Watchにしか搭載されていないんです。

また、正確な分析には、ある程度のまとまった睡眠データも欠かせません。

ご自身の状況がどちらに当てはまるか、以下の点で確認してみてください。

まず、対応しているモデルかどうかです。
睡眠ステージの分析機能が使えるのは、watchOS 9以降を搭載したApple Watch Series 4以降のモデルです。
特に、皮膚の温度を測るセンサーが加わったApple Watch Series 8以降やApple Watch Ultraでは、さらに精度の高い分析が期待できます。
もしお使いのモデルがApple Watch Series 3以前の場合、記録されるのは合計の睡眠時間だけになります。

次に、必要な睡眠時間です。
睡眠ステージを正しく分析して表示するには、最低でも4時間以上の睡眠が必要です。
お昼寝など、睡眠時間が4時間に満たない場合は、睡眠ステージは記録されず、「睡眠時間」として合計時間のみがデータとして残る仕様になっています。

これらに当てはまらないのに表示されない場合は、Apple Watchの装着が緩くてセンサーがうまく機能していないか、OSのバージョンが古い可能性も考えられます。

心当たりのある方は、一度確認してみることをおすすめします。


そもそも睡眠を記録するための初期設定の方法

ヘルスケアアプリで睡眠記録を始めるには、まず最初にあなたの生活リズムに合わせた「睡眠スケジュール」を設定することがスタート地点になります。

この設定を行うことで、iPhoneやApple Watchが「いつから睡眠を記録し始めれば良いか」を把握できるようになります。

特に難しい操作はないので、この機会に一緒に設定を見直してみましょう。

設定はiPhoneの「ヘルスケア」アプリから行います。

  1. まず、ホーム画面にある「ヘルスケア」アプリをタップして開きます。
  2. 画面の下の方にある「ブラウズ」というタブを選び、健康データのカテゴリ一覧を表示させてください。
  3. その中から「睡眠」という項目を見つけてタップします。
  4. 初めて設定する場合や設定を見直す場合は、「睡眠スケジュール」や「通常スケジュール」といった項目があるので、そこから設定を始めます。
  5. 「就寝時刻」と「起床時刻」を、ご自身の普段の生活に合わせて設定しましょう。例えば、平日は23時に寝て7時に起きる、休日は0時に寝て8時に起きる、といったように複数のスケジュールを設定することも可能です。
  6. 次に、「睡眠目標」として、何時間眠りたいかを設定します。これにより、目標達成できたかどうかを後から確認しやすくなります。
  7. 最後に、このスケジュールと「睡眠集中モード」を連動させる設定をオンにしておきましょう。これにより、設定した就寝時刻に自動で通知が静かになり、スムーズに入眠しやすくなります。

この初期設定さえ済ませておけば、あとは毎晩Apple Watchを着けて眠るだけで、自動的に睡眠データが記録されていきます。

もしiPhoneだけで記録する場合も、このスケジュールが記録の基準となるので、必ず設定しておくようにしてくださいね。


「睡眠集中モード」や「おやすみモード」の設定ミスと確認点

睡眠が記録されない原因として意外と多いのが、「睡眠集中モード」や昔の「おやすみモード」の設定が正しくできていないケースです。

これらのモードは、睡眠の邪魔になる通知をブロックしてくれるだけでなく、Apple Watchが睡眠計測を開始するための大事なスイッチの役割も担っています。

設定が間違っていると、Apple Watchはあなたが寝たことに気づけず、計測を始めてくれないのです。

なんだか記録がうまくいかないな、と感じたら、一度iPhoneの設定を見直してみましょう。

確認するポイントは以下の通りです。

  1. 「睡眠集中モード」がスケジュール通りにオンになっていますか?
    iPhoneの「設定」アプリを開き、「集中モード」→「睡眠」と進みます。
    「スケジュール」の項目で、設定した就_TIME_がオンになっているか確認してください。もしオフになっていると、決まった時間になっても睡眠モードが起動しません。
  2. 他のデバイスと設定が共有されていますか?
    「集中モード」の設定画面の一番下に、「デバイス間で共有」というスイッチがあります。
    これがオンになっていると、iPhoneで睡眠モードをオンにすれば、同じApple IDを使っているiPadやMacも自動で集中モードになります。Apple Watchでの計測には直接影響しませんが、意図せず他のデバイスの通知がオフになることもあるので、知っておくと便利です。
  3. Apple Watch側で睡眠モードが有効になっていますか?
    Apple Watchのコントロールセンター(文字盤を下から上にスワイプ)で、月のマーク(集中モード)をタップした時に「睡眠」が選択できるか、またオンになっているかを確認します。
    ここで意図せず別の集中モードが選ばれていると、睡眠は計測されません。

これらの設定は、一度正しく設定してしまえば、あとは自動で機能してくれます。

睡眠記録が取れない時は、まず「睡眠集中モード」があなたの眠りたいタイミングでちゃんとオンになっているか、という基本に立ち返って確認してみてくださいね。


ウェアラブルデバイスの充電不足が引き起こす記録エラー

Apple Watchなどのウェアラブルデバイスで睡眠が記録されない、とてもシンプルですが非常に多い原因が「充電不足」です。

一晩中、心拍数や体の動き、呼吸などを記録し続けるのは、小さなデバイスにとってかなりの重労働なんです。

そのため、バッテリーが十分でないと、朝まで持たずに途中で力尽きてしまい、結果としてデータが記録されない、または途中で途切れてしまうという事態が起こります。

「昨日はちゃんと記録されていたのに、今日はダメだった」というような日があるなら、まず充電を疑ってみるのが良いでしょう。

具体的には、以下の点に注意してみてください。

まず、寝る前のバッテリー残量を確認する習慣をつけましょう。
Appleの公式な案内でも、睡眠を計測するためにはバッテリー残量が少なくとも30%以上必要だとされています。
安心して一晩任せるためには、できれば50%以上あると心強いですね。
お風呂に入っている間など、少しの時間でも充電しておくだけで、かなり違ってきますよ。

次に、充電のタイミングを決めておくことです。
例えば、「朝起きて身支度をしている間に充電する」とか、「夜お風呂に入っている間に充電する」といったように、生活の中に充電時間をルーティンとして組み込んでしまうのがおすすめです。
こうすることで、充電忘れをぐっと減らすことができます。

また、古いモデルのApple Watchを使っている場合は、バッテリーの劣化も考えられます。
新品の時よりもバッテリーの持ちが悪くなっているなと感じたら、充電する時間を少し長めにとるなどの工夫が必要かもしれません。
あまりに持ちが悪い場合は、バッテリー交換を検討するのも一つの手です。

せっかく健康のためにデータを取っているのに、充電切れで記録できなかったら、とても残念ですよね。
Apple Watchを、眠る前にもう一度気にかけてあげてください。


睡眠計測の精度を上げるための正しい装着位置

Apple Watchで正確な睡眠データを取るためには、実は「どう着けるか」がとても重要になります。

センサーが体の情報をしっかり読み取れないと、せっかくの機能も宝の持ち腐れになってしまうからです。

もし睡眠ステージがうまく記録されなかったり、データが途切れがちだったりするなら、一度装着方法を見直してみましょう。

精度を上げるためのポイントは、ずばり「フィット感」です。

Apple Watchの裏側には、緑色の光を点滅させて血流の変化を読み取る光学式心拍センサーが搭載されています。
このセンサーが肌にきちんと密着していないと、正確な心拍数を測ることができません。
心拍数は睡眠ステージを判断するための非常に重要なデータなので、これが不安定だと記録の精度が落ちてしまうのです。

具体的には、以下の2点を意識してみてください。

  1. ベルトの締め具合は「指1本が入らない」くらいが目安です。
    手首を振ってもApple Watchが上下に大きくずれたり、回転してしまったりするのは緩すぎます。
    かといって、跡がくっきり残るほどきつく締める必要もありません。
    運動する時ほどの締め付けは不要ですが、デバイスが常に肌に触れている状態をキープするのが理想です。
  2. 装着する位置は「手首の骨の出っ張りから指1〜2本分、肘側」がベストです。
    手首の関節のすぐ上に着けると、手の動きでデバイスが浮きやすくなり、センサーの密着度が下がりがちです。
    少しだけ腕の上の方、肘に近い位置で固定すると、安定してデータを計測しやすくなります。

特に睡眠中は無意識に寝返りを打つなど、腕もよく動きます。
日中よりも少しだけ、装着位置やフィット感を意識してみてください。
これだけで、これまで以上に安定して詳細な睡眠データが取れるようになるかもしれませんよ。


iOSのアップデート後に記録されなくなった場合の対処法

iPhoneのiOSをアップデートした直後に、なぜかヘルスケアの睡眠が記録されなくなった、という経験はありませんか?

これは、アップデートの過程で既存の設定がリセットされたり、アプリ間の連携に一時的な不具合が生じたりすることが原因で起こる場合があります。

もしアップデートがきっかけで記録が止まってしまったら、慌てずにいくつかの基本的な対処法を試してみてください。

まず最初に試してほしいのが、iPhoneとApple Watchの両方の「再起動」です。
ソフトウェアのアップデート後は、内部的にシステムが不安定になっていることがあります。
一度電源を完全にオフにしてから、再びオンにするだけで、多くの小さな不具合は解消されます。
とてもシンプルですが、効果は絶大なので、まずはここから始めてみましょう。

次に、ヘルスケアアプリへのアクセス許可を再確認することです。
アップデートによって、プライバシー設定が意図せず変更されてしまうことがあります。

  1. iPhoneの「設定」アプリを開きます。
  2. 「プライバシーとセキュリティ」→「ヘルスケア」と進んでください。
  3. 「睡眠」の項目をタップし、データソースとしてあなたのApple Watchがリストに表示され、アクセスが許可されているかを確認します。
  4. もし許可されていない、またはリストにない場合は、再度許可を設定する必要があります。

また、Watchアプリとの連携もチェックしましょう。
iPhoneの「Watch」アプリを開き、「睡眠」の項目をタップします。
「Apple Watchで睡眠時間を記録」という設定がオンになっているかを確認してください。
ここがオフになっていると、Apple Watchは睡眠を記録してくれません。

これらの設定は、アップデート前は正しく機能していたはずのものです。
しかし、何かの拍子で設定が変わってしまうことは珍しくありません。
アップデート後に不具合が起きた際は、「再起動」と「設定の再確認」をセットで試すのが、問題解決への一番の近道ですよ。

ヘルスケアに睡眠が記録されないときの具体的な解決策

まず試したいiPhoneやApple Watchの再起動手順

ヘルスケアの睡眠記録に限らず、iPhoneやApple Watchの調子が少しおかしいな、と感じた時にまず試してほしいのが「再起動」です。

「そんなことで?」と思うかもしれませんが、一時的なソフトウェアの不具合や、目に見えないエラーの多くは、この再起動だけであっさり解決することが本当によくあります。

専門的なサポートに連絡する前に、一番簡単で効果的なこの方法を試してみましょう。

手順はとてもシンプルです。

まず、iPhoneの再起動方法です(Face ID搭載モデルの場合)。

  1. 本体の右側にあるサイドボタンと、左側にある音量ボタンのどちらか一方を同時に長押しします。
  2. 画面に「スライドで電源オフ」という表示が出たら、ボタンから指を離し、スライダを右に動かしてください。
  3. 電源が完全に切れたら、30秒ほど待ってから、再びサイドボタンを長押ししてAppleのロゴが表示されたら指を離します。

次に、Apple Watchの再起動方法です。

  1. デジタルクラウン(ギザギザのダイヤル)の下にある、平らなサイドボタンを長押しします。
  2. 画面右上に電源マークが表示されたら、それをタップし、「スライドで電源オフ」を右に動かします。
  3. 電源が切れたら、同じように少し待ってから、サイドボタンを長押しして電源を入れ直してください。

この操作によって、デバイスのシステムがリフレッシュされ、止まっていた処理が正常に動き出すことがあります。

データが同期されない、記録が始まらないといったトラブルの最初のステップとして、ぜひこの再起動を習慣にしてみてくださいね。


アプリやOSを最新バージョンにアップデートする方法

睡眠記録の不具合が、使っているアプリやOSのバージョンが古いことが原因で起きている可能性も考えられます。

Appleは、ユーザーからの報告や自社で見つけた不具合(バグ)を修正するために、定期的にiOS(iPhoneのOS)やwatchOS(Apple WatchのOS)のアップデートを配信しています。

もしかしたら、あなたの悩んでいるその症状は、すでに新しいバージョンで解決済みの問題かもしれません。

常に最新の状態に保つことは、セキュリティを守る上でもとても大切なので、この機会に確認方法を覚えておきましょう。

まず、iPhoneのiOSをアップデートする手順です。

  1. 「設定」アプリを開き、「一般」をタップします。
  2. 「ソフトウェアアップデート」という項目を選ぶと、システムが新しいバージョンがないか自動でチェックしてくれます。
  3. もし新しいバージョンがあれば、画面の指示に従ってダウンロードとインストールを進めてください。

次に、Apple WatchのwatchOSをアップデートする手順です。

  1. iPhoneで「Watch」アプリを開き、「一般」をタップします。
  2. 「ソフトウェアアップデート」を選ぶと、iPhoneと同様に新しいバージョンを確認できます。
  3. アップデートを行う際は、Apple Watchが充電器に接続されていて、Wi-Fiに接続されたiPhoneの通信圏内にある必要があります。

アップデートには少し時間がかかることもあるので、Wi-Fi環境が安定している、夜寝る前などの時間がある時に行うのがおすすめです。

面倒に感じるかもしれませんが、アップデートするだけで問題が嘘のように解決することもあるので、定期的にチェックする癖をつけると安心ですよ。


デバイスとのペアリングを一度解除して再接続するやり方

再起動やアップデートを試しても状況が改善しない場合、次のステップとしてiPhoneとApple Watchの「ペアリングの再設定」を試す価値があります。

これは、二つのデバイス間の接続情報を一度リセットし、まっさらな状態からもう一度つなぎ直す作業です。

少し手間はかかりますが、デバイス間の見えない通信エラーを解消するのにとても効果的な方法なんです。

ペアリングを解除するとApple Watchは初期化されますが、その直前にiPhone内に自動でバックアップが作成されるので、データが全て消えてしまう心配はありません。

手順は以下の通りです。

  1. まず、iPhoneとApple Watchを近くに置いておきます。
  2. iPhoneで「Watch」アプリを開いてください。
  3. 画面左上の「すべてのWatch」をタップします。
  4. ペアリングを解除したいApple Watchの横にある、オレンジ色の「i」マークをタップしましょう。
  5. 次の画面で「Apple Watchとのペアリングを解除」を選び、確認のメッセージが出たら実行します。Apple IDのパスワード入力を求められる場合があります。

ペアリング解除が完了すると、Apple Watchは工場出荷時の状態に戻ります。

その後、再びApple WatchをiPhoneに近づけると、最初の設定時と同じようにペアリングを促す画面が表示されます。
画面の指示に従って設定を進める際に、「バックアップから復元」を選ぶと、元の設定やデータがApple Watchに戻ってきます。

この一連の作業で、機器間の頑固な接続トラブルが解消されることが多いので、最終手段の一つとして覚えておくと良いでしょう。


記録されなかった睡眠時間をヘルスケアに手動で入力するには?

Apple Watchを着け忘れて寝てしまったり、充電切れで記録が取れなかったりした日も、諦める必要はありません。

ヘルスケアアプリには、後からデータを手動で追加する機能があるので、記録に穴をあけずに済みますよ。

もちろん、センサーで測ったような睡眠ステージの詳しい分析はできませんが、「ベッドにいた時間」として記録を残しておくことで、週や月の平均睡眠時間などを正しく把握するのに役立ちます。

やり方はとても簡単なので、ぜひ覚えておいてください。

  1. まず、iPhoneの「ヘルスケア」アプリを開きます。
  2. 画面下のメニューから「ブラウズ」を選び、「睡眠」の項目をタップします。
  3. 睡眠データのグラフなどが表示されている画面の右上にある「データを追加」という文字をタップしてください。
  4. すると、「就寝時刻」と「起床時刻」を入力する画面が表示されます。
  5. 昨晩寝た時間と、今朝起きた時間をそれぞれ設定し、右上の「追加」をタップすれば完了です。

たったこれだけの操作で、記録が取れなかった日の睡眠時間を補うことができます。

例えば、「昨日は大体23時半に寝て、7時に起きたな」という感じで、大まかな時間で構いません。

日々の睡眠リズムを管理する上で、データの連続性は意外と大切です。

「あ、記録し忘れちゃった」という時も、この手動入力の方法を知っていれば、いつでも正確な睡眠ログを保つことができるので安心ですね。


他の高精度な睡眠記録アプリと連携させる選択肢

もしApple標準のヘルスケアアプリの睡眠分析だけでは物足りない、もっと詳しいデータが見てみたいと感じるなら、サードパーティ製の高機能な睡眠記録アプリを試してみるのも一つの素晴らしい解決策です。

世の中には、睡眠の質をより深く、そして多角的に分析してくれる優れたアプリがたくさんあります。

これらのアプリは、Apple Watchのセンサーを最大限に活用し、独自のアルゴリズムで睡眠を解析してくれるのが特徴です。

例えば、以下のような機能を持つアプリが人気です。

  • スマートアラーム機能:眠りの浅いタイミングを見計らって起こしてくれるので、スッキリと目覚めやすくなります。
  • いびきや寝言の録音機能:自分が睡眠中にどんな音を出しているのかを確認できます。
  • 睡眠負債の可視化:日々の睡眠不足がどれくらい溜まっているかをグラフで示してくれます。

代表的なアプリとしては、「AutoSleep」や「Pillow」などがあります。
これらは有料アプリですが、買い切りでずっと使えるものが多く、一度購入すればよりリッチな睡眠分析体験が手に入ります。

そして、これらのアプリの多くは、記録したデータをAppleの「ヘルスケア」アプリに書き込む(連携させる)設定が可能です。

この設定をしておけば、データがあちこちに分散することなく、ヘルスケアアプリで一元管理できるというメリットもあります。

標準機能でうまくいかない時や、もっと専門的な分析に興味が湧いた時は、こうした高機能アプリに頼ってみるのも、睡眠管理をより楽しく、有意義なものにしてくれる良い選択肢ですよ。


データの同期がうまくいかない時のチェックポイント

Apple Watch側では睡眠時間が表示されているのに、iPhoneのヘルスケアアプリにデータがなかなか反映されない、という同期トラブルもよくある悩みの一つです。

この場合、データそのものはきちんと計測できているので、二つのデバイスをつなぐ通信経路のどこかに問題が起きていると考えられます。

データが消えてしまったわけではないので、慌てずにいくつかのポイントを確認してみましょう。

同期トラブルの際にチェックすべき項目は、主に以下の通りです。

  1. Bluetoothがオンになっているか確認する
    最も基本的なことですが、iPhoneのコントロールセンター(画面右上から下にスワイプ)を開き、Bluetoothのアイコンが青色になっているか見てみましょう。ここがオフだと、Apple Watchと通信できません。
  2. デバイス同士が近くにあるか確認する
    Bluetoothの電波が届く範囲は限られています。iPhoneとApple Watchが離れた部屋にあると、データの同期ができません。両方を近くに置いてみてください。
  3. 機内モードをオン・オフしてみる
    iPhoneやApple Watchの機内モードを一度オンにして、数秒待ってから再びオフにしてみてください。この操作で通信機能がリセットされ、接続が回復することがあります。
  4. Wi-Fiの接続を確認する
    安定したWi-Fi環境にいるかどうかも確認しましょう。可能であれば、Wi-Fiも一度オフにしてからオンにし直すと効果的な場合があります。

これらのチェックを行って少し待つと、溜まっていたデータがiPhoneに転送され、ヘルスケアアプリに無事表示されることがほとんどです。

焦ってペアリングを解除する前に、まずはこの通信周りの基本的な確認から試してみてくださいね。


どうしても改善しない場合の公式サポート問い合わせ先

これまでにご紹介した再起動、アップデート、設定の確認、ペアリングの再設定といった全ての対処法を試しても、どうしても睡眠記録の問題が解決しない。

そんな時は、一人で悩み続けずに、Appleの公式サポートに相談するのが最終的かつ最も確実な方法です。

ご自身の使い方や設定の問題ではなく、デバイス本体のハードウェア(センサーなど)に何らかの故障が起きている可能性や、ごく稀なソフトウェアの不具合である可能性も考えられます。

その道のプロに直接見てもらうのが、問題解決への一番の近道になります。

Appleのサポートに連絡する方法は、主に3つあります。

  1. Appleサポートアプリを利用する
    iPhoneに「Appleサポート」というアプリをダウンロードしておくと、チャットや電話での問い合わせをスムーズに予約できます。製品のシリアル番号なども自動で認識してくれるので便利です。
  2. 公式サイトから問い合わせる
    Appleの公式サイトにあるサポートページにアクセスし、製品(Apple Watch)と症状(ヘルスケアやアクティビティ)を選んでいくと、チャットや電話サポートの案内が表示されます。
  3. Genius Barを予約する
    お近くにApple Storeがある場合は、公式サイトやアプリから「Genius Bar」という対面サポートを予約するのも良いでしょう。専門のスタッフに実機を直接見てもらいながら相談できます。

問い合わせる際は、「いつから症状が出ているか」「iOSやwatchOSのバージョン」「これまでに試した対処法(再起動やペアリング解除など)」を事前にまとめておくと、話がスムーズに進みます。

専門家の力を借りて、快適な睡眠記録ライフを取り戻しましょう。

ヘルスケアで睡眠が記録されない問題まとめ

  • iPhoneだけで睡眠を記録するには「睡眠スケジュール」と「睡眠集中モード」の設定が必須です。
  • Apple Watchで記録されない場合、まず「充電不足」「装着位置」「睡眠集中モード」を確認しましょう。
  • 睡眠ステージが分析されないのは、Apple Watchのモデルが古いか、睡眠時間が4時間未満の可能性があります。
  • iOSアップデート後に記録されなくなった際は、まずiPhoneとApple Watchの両方を再起動してみてください。
  • 簡単な対処法で直らない時は、デバイスのペアリングを一度解除して再接続するのが有効な場合があります。
  • 記録し忘れた日の睡眠時間は、ヘルスケアアプリからいつでも手動で入力・追加が可能です。
  • 全ての対処法を試しても改善しない場合は、一人で悩まずAppleの公式サポートへ相談しましょう。
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