サービスホスト SysMainが原因でパソコンの動作が重い場合、この機能を停止または無効化することでCPUやメモリの使用率を改善できます。
SysMainは、普段よく使うアプリケーションの起動を速くするための便利な学習機能です。
しかし、パソコンの環境によってはこの先読み機能が過剰に働いてしまい、パフォーマンス低下の原因になることがあります。
この記事では、SysMainを安全に停止・無効化する具体的な手順と、それによるメリットやデメリットについて分かりやすく説明します。
設定はいつでも簡単に元に戻せるので、パソコンの重さに悩んでいる方はぜひ試してみてください。
サービスホスト sysmainが重い原因と停止する方法
- そもそもサービスホスト sysmainの役割とは?
- CPUやメモリの使用率が高くなる原因は何か
- Superfetchとの関係性について
- Windows11とWindows10での違い
- タスクマネージャーから一時的に停止させる手順
- サービスの一覧から完全に無効化する設定方法
- コマンドプロンプトやレジストリで無効化するやり方
そもそもサービスホスト sysmainの役割とは?
サービスホスト SysMainは、パソコンの動作を快適にするための学習機能です。
なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、役割はとってもシンプルなんですよ。
いつも使っているアプリやソフトをSysMainが覚えてくれて、「次はこのアプリを使いそうだな」と予測します。
そして、そのアプリを起動する前に、必要なデータをメモリという作業スペースに先回りして読み込んでおいてくれるんです。
例えるなら、行きつけのカフェでいつもの席に座ったら、注文する前に店員さんがお水を持ってきてくれるようなイメージですね。
この先読み機能のおかげで、私たちはアプリをクリックしたときに、素早く起動させることができるというわけです。
つまり、SysMainはパソコンの動作を遅くする悪者ではなく、むしろ普段の作業をスムーズにしてくれる縁の下の力持ちなんですよ。
ただ、時々この学習や先読みの作業が頑張りすぎてしまうことがあって、それがパソコンの動作が重くなる原因になることもある、ということなんです。
CPUやメモリの使用率が高くなる原因は何か
SysMainのCPUやメモリ使用率が高くなるのは、バックグラウンドで一生懸命に学習やデータの読み込み作業をしているからです。
特に、以下のようなタイミングでパソコンの動作が重いと感じやすくなります。
- パソコンを起動した直後
- 新しいアプリやソフトをインストールした時
- サイズの大きいファイルやゲームを起動した時
- OSのアップデートがあった後
パソコンを起動した直後は、これから使うであろう様々なアプリを予測して、一斉にデータを読み込み始めます。
また、新しいアプリを入れたときは、そのアプリの使い方のパターンを学習しようと頑張ってくれるんです。
大容量のデータを扱うゲームなどをプレイしている最中も、次の展開を予測して先読みを試みるため、CPUやメモリに大きな負荷がかかることがあります。
これらの作業は、パソコンを快適に使うためにSysMainが行っている健気な努力なのですが、その頑張りが空回りしてCPUやメモリをたくさん使ってしまうと、結果的に私たちは「パソコンが重いな」と感じてしまうんですね。
Superfetchとの関係性について
SysMainという名前を聞き慣れない方も、「Superfetch(スーパーフェッチ)」という言葉なら聞いたことがあるかもしれませんね。
実は、このSysMainとSuperfetchは、名前が違うだけで基本的に同じ機能なんです。
もともとWindows Vistaから搭載されていたSuperfetchという機能が、Windows 10の大型アップデート(バージョン1809)のタイミングで「SysMain」という名前に変更されました。
なぜ名前が変わったのか、はっきりとした理由は公開されていません。
ですが、役割は全く同じで、ユーザーがよく使うアプリを学習して起動を速くするというものです。
| 機能名 | 主なOSバージョン |
|---|---|
| Superfetch | Windows Vista, 7, 8, 10 (初期) |
| SysMain | Windows 10 (1809以降), 11 |
ですので、もしインターネットで「Superfetchを無効にしたらパソコンが速くなった」という情報を見かけたら、それは現在のSysMainにも当てはまる話だと考えて大丈夫です。
昔の呼び名がSuperfetchで、今の呼び名がSysMainと覚えておくと、情報を探すときに混乱しなくてすみますよ。
Windows11とWindows10での違い
Windows11とWindows 10で、SysMainの機能に大きな違いはありません。
どちらのOSでも、SysMainはパソコンの利用状況を学習して、アプリケーションの起動を高速化するという基本的な役割を担っています。
そのため、Windows 10でSysMainが原因でパソコンが重くなっていた場合、Windows11にアップグレードしても同じように動作が重く感じられる可能性があります。
もちろん、OSが新しくなることで、バックグラウンドでのデータの管理方法などが少し効率的になっている可能性は考えられます。
ですが、ユーザーがはっきりと体感できるほどの劇的な変化はないと思っていいでしょう。
もしSysMainの動作が気になる場合は、Windows 10でもWindows11でも、これからご紹介する対処法は共通して使えます。
OSのバージョンによる違いをあまり気にする必要はありませんので、安心してくださいね。
お使いのパソコンのOSがどちらであっても、同じ手順で設定を見直すことができますよ。
タスクマネージャーから一時的に停止させる手順
「今すぐこの重たい状況をなんとかしたい!」という時には、タスクマネージャーからSysMainを一時的に停止させる方法が手軽でおすすめです。
この方法はパソコンを再起動すると元の状態に戻るので、気軽に試すことができますよ。
手順は以下の通りです。
- キーボードの「Ctrl」キーと「Shift」キーを押しながら、「Esc」キーを押してタスクマネージャーを起動します。
- タスクマネージャーのウィンドウが開いたら、左側にあるメニューの中から「サービス」のアイコンをクリックしてください。
- サービスの一覧が表示されるので、アルファベット順に並んでいる中から「SysMain」を探します。
- 「SysMain」を見つけたら、その上で右クリックします。
- 表示されたメニューから「停止」を選んでクリックします。
これで、SysMainのサービスが一時的に停止します。
「状態」の欄が「実行中」から「停止」に変わったことを確認してくださいね。
あくまでこの方法は一時しのぎなので、根本的に解決したい場合は、次に紹介する無効化の設定を試してみるのが良いでしょう。
サービスの一覧から完全に無効化する設定方法
パソコンを再起動してもSysMainが動かないように、完全に無効化したい場合は、サービスの設定を変更するのが一番確実な方法です。
少し手順が多いように感じるかもしれませんが、一つひとつ順番に進めれば大丈夫ですよ。
- キーボードの「Windows」キーを押しながら「R」キーを押します。
- 「ファイル名を指定して実行」という小さなウィンドウが開くので、入力欄に「services.msc」と入力して「OK」ボタンをクリックします。
- 「サービス」というウィンドウが開き、たくさんの項目が一覧で表示されます。
- アルファベット順に並んでいるので、下の方へスクロールして「SysMain」を探し、ダブルクリックしてください。
- 「SysMain のプロパティ」という画面が開きます。
- 真ん中あたりにある「スタートアップの種類」という項目を「無効」に変更します。
- すぐ下にある「サービスの状態」が「実行中」になっていたら、「停止」ボタンをクリックして停止させます。
- 最後に、右下にある「適用」ボタンを押し、続いて「OK」ボタンをクリックすれば完了です。
この設定をしておけば、次回以降パソコンを起動してもSysMainは自動的に動かなくなります。
もし元に戻したくなった場合は、同じ手順で「スタートアップの種類」を「自動」に戻せば大丈夫です。
コマンドプロンプトやレジストリで無効化するやり方
パソコンの操作に少し慣れている方向けに、コマンドプロンプトやレジストリを使ってSysMainを無効化する方法もあります。
特にコマンドプロンプトは、コマンドをコピー&ペーストするだけなので意外と簡単ですよ。
ただし、レジストリの操作は間違えるとパソコンの調子が悪くなることもあるので、慎重に行ってくださいね。
コマンドプロンプトを使う方法
- スタートボタンを右クリックして、「Windows ターミナル (管理者)」または「コマンドプロンプト (管理者)」を選びます。
- ユーザーアカウント制御の画面が出たら「はい」をクリックします。
- 黒い画面が開いたら、以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
sc stop “SysMain” & sc config “SysMain” start=disabled - 「SUCCESS」という文字が表示されれば成功です。
レジストリエディタを使う方法(上級者向け)
- 「Windows」キー + 「R」キーで「regedit」と入力し、レジストリエディタを開きます。
- 左側のツリーで、以下の場所まで順番に開いていきます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SysMain - 右側の画面に「Start」という名前の項目があるので、ダブルクリックします。
- 「値のデータ」を「4」に変更して「OK」をクリックします。
- パソコンを再起動すると、設定が反映されます。
基本的には、より安全で簡単なコマンドプロンプトを使う方法をおすすめします。
サービスホスト sysmainを無効化するデメリットと注意点
- 無効化によるパフォーマンスへの影響
- SSD環境で無効化は本当に必要?
- HDD環境の場合は無効化しても大丈夫?
- 無効化した後に再び有効にする手順
- SysMainが原因でない場合にPCが重いときのチェックポイント
無効化によるパフォーマンスへの影響
SysMainを無効化すると、CPUやメモリの使用率が下がり、パソコンの動作は一時的に軽くなる可能性があります。
特に、パソコンのスペックがあまり高くない場合は、その効果を体感しやすいかもしれません。
ただし、良いことばかりではない、という点も知っておく必要があります。
SysMainは、私たちがよく使うアプリを素早く起動できるように、裏で準備してくれている健気な機能でしたよね。
無効化するということは、その便利な先読み機能を使わない、ということです。
そのため、アプリの起動に以前よりも少し時間がかかるようになったり、ファイルを開くのがワンテンポ遅れたりするように感じることがあります。
例えるなら、いつも行くお店の店員さんが新しくなって、こちらの好みをまだ覚えてくれていない状態に似ているかもしれません。
毎回「いつものやつで」が通じず、一から注文しなくてはいけないようなイメージですね。
パソコン全体の動作の重さが解消されるメリットと、アプリ起動が少し遅くなるデメリットを天秤にかけて、ご自身の使い方に合った方を選ぶのが良いでしょう。
SSD環境で無効化は本当に必要?
結論から言うと、SSDを搭載しているパソコンの場合、SysMainを無効化する必要性は低いと言えます。
SSDは、HDDに比べてデータの読み書きが圧倒的に速いという特徴があります。
SysMainの役割は、HDDのような比較的読み込みが遅いストレージでも、アプリが早く起動できるようにデータを先読みしてサポートすることでした。
しかし、もともと高速なSSDにとっては、SysMainのサポートがなくても十分にアプリを素早く起動できるんです。
むしろ、SysMainがバックグラウンドでデータの読み書きを繰り返すことで、SSDの寿命にわずかながら影響を与える可能性がある、という意見もあります。
ただ、最近のSSDは非常に耐久性が高いので、そこまで神経質になる必要はありません。
もし、SSD搭載のパソコンでSysMainのCPU使用率が異常に高く、どうしても動作が重くて気になる、という場合に限り、無効化を検討してみる、というスタンスで良いでしょう。
基本的には、SSD環境であればSysMainは有効のままでも、その恩恵よりデメリットが上回ることは少ないと考えて大丈夫です。
HDD環境の場合は無効化しても大丈夫?
HDDを搭載しているパソコンの場合、SysMainを無効化するかどうかは少し悩ましいところです。
HDDはSSDに比べてデータの読み込み速度が遅いため、SysMainの先読み機能による恩恵を最も受けやすいからです。
SysMainを無効化すると、アプリの起動やファイルの読み込みが明らかに遅くなったと感じる可能性が高くなります。
特に、色々なソフトを同時に立ち上げて作業する方にとっては、作業効率が落ちてしまうかもしれません。
一方で、HDDは物理的にディスクが回転してデータを読み書きするため、SysMainが活発に動くと「カリカリ」というアクセス音が頻繁に聞こえたり、システム全体の反応が鈍くなったりすることもあります。
もしパソコンのメモリ容量が少ない(例えば8GB未満)場合は、SysMainがメモリを圧迫してしまい、かえって動作が重くなる原因になることも考えられます。
HDD環境の場合は、一度SysMainを無効化してみて、アプリの起動速度の低下と、システム全体の快適さのどちらを優先したいか、実際に体感して判断するのが一番良い方法と言えそうです。
無効化した後に再び有効にする手順
SysMainを無効化してみたけれど、やっぱりアプリの起動が遅いのが気になるから元に戻したい、という場合も簡単な手順で再び有効にできます。
無効化した時とほとんど同じ手順を逆にたどるだけなので、安心してくださいね。
- キーボードの「Windows」キーを押しながら「R」キーを押します。
- 「ファイル名を指定して実行」のウィンドウに「services.msc」と入力し、「OK」をクリックします。
- サービスの一覧画面が開いたら、下の方へスクロールして「SysMain」を探し、ダブルクリックします。
- 「SysMain のプロパティ」の画面が開きます。
- 中央にある「スタートアップの種類」を「自動」に変更します。
- 「適用」ボタンをクリックし、次に「開始」ボタンをクリックします。
- サービスの状態が「実行中」になったことを確認したら、「OK」ボタンをクリックして画面を閉じます。
これで設定は完了です。
パソコンを再起動すれば、SysMainが以前のようにバックグラウンドで学習を再開し、よく使うアプリの起動をサポートしてくれるようになります。
設定はいつでも自由に変更できるので、気軽に試してみてくださいね。
SysMainが原因でない場合にPCが重いときのチェックポイント
SysMainを無効にしてもパソコンの重さが改善されない場合、原因は他にある可能性が高いです。
そんな時は、以下のポイントをチェックしてみましょう。
- スタートアップアプリの見直し
パソコン起動時に自動で始まるアプリが多いと、それだけでメモリやCPUを消費してしまいます。タスクマネージャーの「スタートアップ」タブから、不要なアプリを無効にしてみましょう。 - ストレージの空き容量の確認
Cドライブの空き容量が少なくなると、パソコンの動作は著しく遅くなります。最低でも全体の15%程度の空き容量を確保するのが理想です。不要なファイルやアプリを削除して容量を確保しましょう。 - ウイルス対策ソフトのスキャン
バックグラウンドでウイルス対策ソフトが詳細なスキャンを実行していると、動作が重くなることがあります。また、万が一ウイルスに感染している場合も動作が遅くなる原因になるため、一度手動でスキャンを実行してみるのも良いでしょう。 - Windows Updateの確認
Windows Updateがバックグラウンドで実行中だったり、更新のために再起動を待っている状態だったりすると、パソコンが重くなることがあります。設定から更新の状態を確認し、必要であれば更新と再起動を行ってください。
これらの基本的な項目を見直すだけで、パソコンの動作が改善されることも少なくありませんよ。
サービスホストのsysmainまとめ
- サービスホスト SysMainは、アプリの起動を高速化するためのWindowsの学習機能です。
- パソコンの起動時や大容量ファイルの読み込み時に、CPUやメモリを圧迫して動作が重い原因になることがあります。
- Windows 10や11では、タスクマネージャーやサービス設定からSysMainを停止・無効化することが可能です。
- SysMainを無効化すると、アプリの起動が少し遅くなるというデメリットも存在します。
- データの読み書きが高速なSSD環境では、SysMainを無理に無効化する必要性は低いです。
- メモリの少ないHDD環境では、動作の重さが改善されるメリットが大きくなる場合があります。
- SysMainを停止しても改善しない場合、スタートアップアプリやストレージの空き容量など他の原因を確認しましょう。