iPhoneの予測変換で不要な一部の候補を削除するには、単語を長押しして「非表示」にするのが最も簡単な方法です。
これは、iPhoneのキーボードが持つ学習機能によって、一度使った単語が候補として表示されるために起こります。
この記事では、特定の単語だけを消す方法から、連絡先やユーザー辞書が原因の場合の対処法まで解説します。
どうしても消えない場合の最終手段である、キーボード学習のリセット方法についても紹介します。
iPhoneの予測変換で削除したい一部の候補を消す具体的な方法
iPhoneのキーボードが持つ「学習機能」とは
iPhoneの予測変換で、消したいのに何度も出てくる単語があるのは、キーボードに搭載されている「学習機能」が働いているからです。
これは、あなたが普段よく使う言葉や文字の組み合わせを、iPhoneが自動で覚えてくれるとても賢い機能なんです。
そのおかげで、文字入力の手間が省けて、スムーズに文章が打てるようになっています。
ただ、この学習機能はとても優秀な反面、少しおっちょこちょいな一面もあります。
例えば、こんな経験はありませんか?
- 友達の名前を一度だけ打ち間違えて変換・確定してしまった。
- 急いでいて、誤字脱- 脱字のままメッセージを送ってしまった。
- もう使わない昔の言葉や、恥ずかしい変換ミスを覚えてしまった。
このように、たった一度でも入力して確定した言葉は、それが間違いであっても「この人はこの言葉をよく使うんだな」とiPhoneが学習してしまうのです。
その結果、正しい言葉よりも先に、間違った単語が予測変換の候補として表示され続けてしまうんですね。
この仕組みを理解することが、不要な予測変換を上手に消していくための第一歩になりますよ。
不要な候補をピンポイントで「非表示」にする手順
予測変換に出てくる邪魔な候補は、実はとっても簡単な操作で、その単語だけをピンポイントで非表示にすることができます。
キーボードの学習機能をすべてリセット(初期化)する前に、まず試してほしい一番手軽な方法です。
この方法を使えば、他の便利な学習履歴は残したまま、気になる単語だけを「今後は表示しないでね」とiPhoneに教えることができるんですよ。
手順は以下の通りです。
- まず、メモ帳やメッセージアプリなどで文字入力画面を開きます。
- 消したい単語が表示されるように、ひらがなを入力します。(例:「あ」と入力)
- 予測変換の候補の中から、消したい単語(例:「有難う」)を探します。
- その消したい単語の候補を、指で長押し(数秒間押しっぱなしに)します。
- すると「非表示」という選択肢がフワッと表示されるので、これをタップします。
たったこれだけの操作で完了です。
この操作を行うと、その単語が予測変換に表示される優先順位がぐっと下がり、ほとんど出てこなくなります。
「学習しない」ように設定するイメージですね。
間違えて覚えてしまった単語や、もう使わない言葉を見つけたら、この「長押しして非表示」を試すのが一番おすすめですよ。
連絡先に登録された名前が候補に出る場合の対処法
予測変換で消したいのが「人の名前」の場合、それはキーボードの学習機能ではなく、iPhoneの「連絡先」アプリに登録されている情報が原因かもしれません。
iPhoneの予測変換は、文字入力の履歴だけでなく、連絡先に登録されている氏名やその「ふりがな」も参照して、変換候補に表示する仕組みになっているんです。
そのため、いくらキーボードの候補を非表示にしようとしても、連絡先に情報が残っている限り、何度も表示されてしまうことがあります。
もし心当たりがある場合は、以下の方法で連絡先アプリの中身を確認してみてください。
連絡先の情報を削除する
もう連絡を取ることがない相手であれば、思い切って連絡先アプリからその人のデータを削除するのが一番確実です。
読みがなを修正・削除する
連絡先自体は消したくない場合、その人の連絡先編集画面を開き、氏名の項目にある「ふりがな」の欄を修正したり、空欄にしたりします。ここで設定したふりがなが、予測変換の候補に直接影響するんですよ。
人の名前が消えなくて困っている時は、キーボードの設定だけでなく、連絡先アプリの中身を見直してみましょう。
ユーザー辞書に登録した単語を消す方法
もし消したい単語が、以前あなた自身で「ユーザー辞書」に登録したものである場合、設定アプリから直接その単語を削除する必要があります。
ユーザー辞書とは、iPhoneが元々知らない単語や、長い定型文、メールアドレスなどを、特定の読み方で簡単に変換できるように自分で登録しておく機能のことです。
ここに登録された単語は、通常の学習機能で覚えた言葉よりも優先的に予測変換の上位に表示されるようになっています。
昔登録した顔文字や特殊な用語が、今となっては不要になっているケースも多いかもしれませんね。
ユーザー辞書から単語を削除する手順は、以下の通りです。
- iPhoneのホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- 「一般」という項目をタップします。
- 次に「キーボード」を選択してください。
- 「ユーザー辞書」という項目があるので、これをタップします。
- これまでに登録した単語の一覧が表示されます。
- 画面右上の「編集」をタップします。
- 消したい単語の左側にある、赤い丸にマイナス(-)のマークをタップします。
- 右側に「削除」というボタンが表示されるので、これをタップすれば完了です。
自分で登録した覚えのある言葉が消えない場合は、このユーザー辞書を一度チェックしてみてください。
iPhoneの予測変換で削除したい一部の単語がどうしても消えない時の最終手段
- 何をしても消えない時に試すiPhoneの「再起動」
- 最終手段「キーボードの変換学習をリセット」
- リセット(初期化)で消えるものと注意点
- 変換学習をリセットする具体的な設定方法
- そもそも予測変換機能自体を「オフにする」設定
- SimejiやGboardなど他社製キーボードアプリの場合
何をしても消えない時に試すiPhoneの「再起動」
これまでにご紹介した方法を試しても、なぜか予測変換の候補が消えてくれない…。そんな時は、一度iPhone本体を「再起動」してみることをおすすめします。
なぜなら、予測変換の表示がおかしいのは、iPhoneの一時的なシステムの不具合や、ほんの些細なエラーが原因である可能性も考えられるからです。
なんだかパソコンの調子が悪い時に、とりあえず再起動してみると直ることがありますよね。
iPhoneもそれと同じで、再起動することでシステム全体がリフレッシュされ、こうした小さな問題が解決することが意外と多いんですよ。
キーボードの学習機能をリセットするような強力な手段に踏み切る前に、ダメ元で試してみる価値は十分にあります。
iPhoneの再起動方法は機種によって少し異なります。
電源ボタンと音量ボタンがある機種
- 本体の右側にあるサイドボタンと、左側にある音量ボタン(上げる・下げるのどちらか片方)を同時に長押しします。
- 「スライドで電源オフ」という表示が出たら、指を離してスライドさせます。
- 画面が真っ暗になったら、数秒待ってから、もう一度サイドボタンを長押ししてAppleのロゴが表示されたら完了です。
とても簡単ですぐにできる対処法なので、ぜひ一度試してみてくださいね。
最終手段「キーボードの変換学習をリセット」
iPhoneの再起動でも解決せず、個別の単語がどうしても消せない場合の最終手段が、「キーボードの変換学習をリセット」するという方法です。
これは、iPhoneがこれまで学習してきた、すべての変換履歴を一度まっさらにして、工場出荷時の状態に戻してしまう操作のことです。
例えるなら、キーボードの記憶をすべて消してしまう「記憶喪失」のようなものですね。
これまであなたがたくさん文字を打って、iPhoneに覚えさせてきた便利な変換候補も、間違えて覚えさせてしまった恥ずかしい変換候補も、良いことも悪いことも全部忘れて、買ったばかりの状態に戻ります。
そのため、この操作を行うと、しばらくは文字入力が少し不便に感じられるかもしれません。
便利な学習履歴もすべて消えてしまうという点をよく理解した上で、「それでも、どうしてもこの単語を消したい!」という時にだけ行う、最後の切り札として覚えておきましょう。
リセット(初期化)で消えるものと注意点
「キーボードの変換学習をリセット」する前に、この操作で具体的に何が消えて、何が消えないのかを正しく知っておくことがとても大切です。
後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないように、影響範囲をしっかり確認しておきましょう。
リセットで消えるもの
- あなたが入力し、iPhoneが自動で学習したすべての単語やフレーズ
- 打ち間違えて覚えてしまった誤字脱字
- よく使う友達の名前や、専門用語の変換候補
- あなたの入力のクセ(例:「おつかれさま」→「おつ」と打つなど)
リセットしても消えないもの
- あなた自身で登録した「ユーザー辞書」の中身
- 「連絡先」アプリに登録されている人の名前
- 写真、音楽、アプリなどのデータ
- Wi-Fiや壁紙などのiPhone本体の設定
一番の注意点は、このリセット操作は一度行うと元に戻せないということです。
便利な学習履歴もすべて失われ、また一からiPhoneに言葉を覚えさせていく「育て直し」が必要になります。
このデメリットを理解した上で、実行するかどうかを慎重に判断してくださいね。
変換学習をリセットする具体的な設定方法
キーボードの変換学習をリセットする操作は、iPhoneの「設定」アプリから、いくつかのステップで行うことができます。
少し深い階層にあるので、手順を一つずつ確認しながら進めていきましょう。
- iPhoneのホーム画面から、歯車のアイコンの「設定」アプリを開きます。
- 「一般」という項目をタップしてください。
- 画面を一番下までスクロールして、「転送またはiPhoneをリセット」という項目をタップします。(iOSのバージョンによっては「リセット」という名称の場合もあります)
- 次の画面で、下の方にある「リセット」をタップします。
- リセットできる項目の一覧が表示されるので、その中から「キーボードの変換学習をリセット」を選んでください。
- iPhoneのパスコード(ロック解除の数字)の入力を求められるので、入力します。
- 最終確認のメッセージが表示されたら、赤い文字の「変換学習をリセット」をタップします。
これで操作は完了です。
この操作を行うと、あなたのキーボードは購入した時と同じ、まっさらな状態に戻ります。
そもそも予測変換機能自体を「オフにする」設定
学習機能をリセットしても、また使っているうちに不要な言葉を覚えてしまうのが嫌だ、と感じる方もいるかもしれません。
そんな場合は、予測変換の機能そのものを「オフ」にしてしまう、という選択肢もありますよ。
この設定をすれば、文字を打っても変換候補が表示されなくなるので、誤変換に悩まされることは一切なくなります。
設定方法はとても簡単です。
- 「設定」アプリを開き、「一般」→「キーボード」の順に進みます。
- 「すべてのキーボード」という欄の中にある、「予測」という項目のスイッチをタップしてオフ(緑色から白色へ)にします。
ただし、この設定にはメリットとデメリットがあります。
メリット
- 変な変換候補や、不要な単語が表示されなくなり、スッキリする。
- 誤タップによる入力ミスが減る。
デメリット
- 文字入力の効率が少し落ちる可能性がある。
- 長い文章を打つ時に、少し手間がかかるように感じるかもしれない。
予測変換の便利さが必要ない、と感じる方は、この設定を試してみるのも一つの手ですね。
SimejiやGboardなど他社製キーボードアプリの場合
もしあなたが使っているキーボードが、iPhoneに標準で入っているものではなく、「Simeji」や「Gboard」といった他社製のキーボードアプリの場合は、注意が必要です。
これらのキーボードアプリの予測変換をリセットするには、これまで説明してきたiPhone本体の設定ではなく、それぞれのアプリの中にある設定を変更しなくてはなりません。
なぜなら、SimejiやGboardは、Appleとは別の会社が作ったアプリで、それぞれが独自の学習機能や辞書を持っているからです。
そのため、iPhone本体の「キーボードの変換学習をリセット」を行っても、これらのアプリの学習履歴には何の影響もありません。
対処法はアプリによって異なりますが、基本的には以下のようになります。
- SimejiやGboardなど、お使いのキーボードアプリを開きます。
- アプリ内の「設定」メニューを探します。
- 「辞書」や「入力設定」といった項目の中に、「学習履歴をリセット」や「変換履歴を削除」のようなメニューがあるので、それを実行します。
自分がどのキーボードを使っているかをまず確認して、そのアプリに合った方法で対処するようにしてくださいね。
iPhoneの予測変換で一部を削除する方法まとめ
- 予測変換で一部の候補だけを削除する基本は、単語を長押しして「非表示」にする方法です。
- 消えない人の名前は、iPhoneの連絡先アプリに登録された「ふりがな」が原因かもしれません。
- 自分で登録した単語が消せない場合は、キーボード設定の「ユーザー辞書」から削除する必要があります。
- 何をやっても候補が消えない時は、一度iPhone本体を再起動すると直ることがあります。
- 最終手段は「キーボードの変換学習をリセット」ですが、便利な学習履歴も全て初期化されるので注意が必要です。
- 予測変換機能がそもそも不要な場合は、キーボード設定で機能自体をオフにすることも可能です。
- SimejiやGboardといった他社製キーボードの履歴は、iPhone本体ではなく各アプリの設定から削除します。