iPhoneのボイスメモが転送できない主な原因は、ファイルサイズが大きすぎることです。
録音時間が長いファイルは、メールや一部のアプリでは容量制限で送れません。
この記事では、iCloudやGoogleドライブを使って、ファイルサイズが大きいボイスメモをPCやAndroidへ確実に転送する方法を解説します。
AirDropで失敗する時の設定や、LINEで送る手順も分かります。
これを読めば、あなたの状況に合った最適な解決策がすぐに見つかります。
iPhoneのボイスメモが転送できない時の主な原因と対処法
- ファイルサイズが大きすぎて送れないのが主な原因?
- メールで送れない・「準備中」から進まない時の確認点
- LINEでファイルとして送る具体的な手順と注意点
- AirDropで失敗する時の設定見直し
- 共有メニューに目的のアプリが表示されない場合の解決策
- 通信環境(Wi-Fi)を改善する方法
ファイルサイズが大きすぎて送れないのが主な原因?
iPhoneのボイスメモが転送できない時、その最も大きな原因は「ファイルサイズが大きすぎること」です。
特に、会議や授業の録音など、長時間にわたる音声ファイルでこの問題は起こりがちです。
iPhoneのボイスメモは、意外と高音質で録音されています。
録音時間とファイルサイズのおおよその目安は以下の通りです。
| 録音時間 | ファイルサイズの目安 |
|---|---|
| 1分 | 約0.5MB~1MB |
| 10分 | 約5MB~10MB |
| 60分(1時間) | 約30MB~60MB |
例えばメールの場合、Gmailでは25MB、他の多くのサービスでも10MB~20MB程度が添付できるファイルサイズの上限とされています。
このため、30分以上のボイスメモは、メールで送ろうとしても容量オーバーでエラーになってしまうことがほとんどです。
「転送に失敗しました」と表示されたり、何も反応がなくなったりするのは、このサイズ制限に引っかかっている可能性が非常に高いと考えられます。
ファイルサイズが大きい場合は、メールでの直接添付は諦めて、この後ご紹介するiCloudやGoogleドライブといったクラウドサービスや、AirDropなどの別の方法を試す必要があります。
メールで送れない・「準備中」から進まない時の確認点
メールでボイスメモを送ろうとした時に、「準備中」という表示のまま進まなくなったり、エラーになったりするのは、ファイルサイズが大きすぎることが主な原因です。
この「準備中」という表示は、iPhoneがボイスメモの音声ファイル(形式は.m4a)を、メールに添付できる形に変換・圧縮しようと頑張っている状態なんです。
録音時間が長いファイルほど、この変換作業に時間がかかります。
ここで確認したいポイントは2つです。
- 録音時間を確認する
ボイスメモのリスト画面で、転送したいファイルの録音時間を見てみましょう。もし20分を超えているようなら、ファイルサイズは10MB~20MB以上になっている可能性が高いです。多くのメールサービスの上限に近づいているか、超えているため、転送は難しいと考えたほうが良いでしょう。 - 通信環境を確認する
「準備中」の処理には、通信環境も影響します。Wi-Fiの電波が弱い場所や、モバイルデータ通信が不安定な場所では、処理がなかなか終わらないことがあります。安定したWi-Fi環境で、しばらく待ってみるのも一つの手です。
ただし、1時間のような長いファイルをメールで送るのは現実的ではありません。
その場合は、iCloudの「Mail Drop」という機能が自動で使われることもありますが、確実性を考えると、他の転送方法に切り替えるのがおすすめです。
LINEでファイルとして送る具体的な手順と注意点
ボイスメモは、LINEを使って友達やグループに送ることも可能です。
手軽な方法ですが、いくつか知っておきたい手順と注意点があります。
【LINEでボイスメモを送る手順】
- まず、iPhoneの「ボイスメモ」アプリを開き、送りたい録音ファイルを選びます。
- ファイル名の右側にある「…」(丸の中に点が三つ)のアイコンをタップします。
- メニューが表示されるので、「共有」を選択してください。
- 共有シート(共有メニュー)が開くので、その中から「LINE」のアイコンを探してタップします。
- LINEの送信先を選択する画面に切り替わるので、送りたい友達やグループを選び、右上の「転送」をタップします。
これで、相手のトーク画面に音声ファイルが送信されます。
【注意点】
- ファイル名の変更:LINEで送ると、ファイル名が「ボイスメモ」や日付だけになってしまうことがあります。誰から何の録音か分かりやすくするために、共有する前にボイスメモアプリでファイル名を変更しておくのがおすすめです。
- 保存期間:LINEのサーバーにアップロードされたファイルは、一定期間が過ぎると再生できなくなる可能性があります。大事な録音は、受け取った側もすぐに自分のスマホに保存するようにしましょう。
- 容量制限:LINEにも一度に送れるファイルサイズの制限があります。極端に長い(1時間を超えるような)録音は、失敗する可能性があるので注意が必要です。
AirDropで失敗する時の設定見直し
iPhoneやMac同士でファイルを送るなら、AirDropが一番速くて簡単です。
でも、いざ使おうとしたら相手が見つからなかったり、転送に失敗したりすることがありますよね。
その原因のほとんどは、送信側か受信側のどちらかの設定ミスです。
AirDropがうまくいかない時は、以下の5つのポイントを見直してみてください。
- Wi-FiとBluetoothは両方オン?
AirDropは、Wi-FiとBluetoothの両方の電波を使って通信します。コントロールセンターを開いて、二つのアイコンが両方とも青色になっているか必ず確認しましょう。 - AirDropの受信設定は大丈夫?
コントロールセンターのWi-FiやBluetoothのあたりを長押しすると、AirDropの設定が出てきます。ここが「受信しない」になっていると、誰からもファイルを受け取れません。「連絡先のみ」か、一時的に「すべての人」に変更してみましょう。 - 相手との距離は適切?
AirDropが使えるのは、お互いが9メートル以内にいる時とされています。近すぎたり遠すぎたりせず、数メートルくらいの距離で試すのがベストです。 - インターネット共有(テザリング)はオフ?
どちらかのiPhoneでインターネット共有がオンになっていると、AirDropが不安定になることがあります。一時的にオフにしてから試してみてください。 - 相手の画面はロックされていない?
相手のiPhoneがスリープ(画面が真っ暗な)状態だと、うまく認識されないことがあります。相手にiPhoneのロックを解除してもらい、ホーム画面などを表示した状態にしてもらうと成功率が上がりますよ。
共有メニューに目的のアプリが表示されない場合の解決策
ボイスメモを共有しようとした時、「共有シート」と呼ばれるメニューに、LINEやGmail、Googleドライブといった送りたい先のアプリが表示されなくて困ることがあります。
これは、あなたのiPhoneの共有シートが、よく使うアプリだけを表示するようにカスタマイズされているからです。
簡単な編集作業で、隠れているアプリを表示させることができますよ。
【共有シートにアプリを追加する手順】
- ボイスメモの共有画面を開きます。
- 上段に表示されているアプリアイコンの列を、指で一番右側までスワイプ(横にスライド)します。
- 一番右端に表示される「その他」(丸の中に点が三つのアイコン)をタップします。
- 「提案」または「よく使う項目」というリストが表示されるので、その右上にある「編集」をタップしてください。
- 次の画面では、共有シートに追加できるアプリが一覧で表示されます。「提案」のセクションにあるアプリの中から、追加したいもの(例:LINE)を探し、緑色の「+」ボタンをタップします。
- すると、そのアプリが上の「よく使う項目」のリストに追加されます。
- 最後に右上の「完了」をタップすれば、設定は保存されます。
これで、次から共有シートを開いた時に、追加したアプリがアイコンですぐに表示されるようになります。
逆に、あまり使わないアプリは赤い「ー」ボタンで非表示にすることもできるので、自分の使いやすいようにカスタマイズしてみてくださいね。
通信環境(Wi-Fi)を改善する方法
ファイルサイズが大きいボイスメモを転送しようとすると、安定した高速な通信環境がとても重要になります。
特に、iCloud Driveへのアップロードや、メールでの送信(Mail Drop機能利用時)では、Wi-Fiの通信速度が大きく影響します。
転送がなかなか進まない、エラーになるといった場合は、Wi-Fi環境を見直してみましょう。
【簡単にできるWi-Fi環境の改善方法】
- Wi-Fiのオン・オフを試す
一番手軽な方法です。コントロールセンターを開いて、Wi-Fiのアイコンを一度タップしてオフにし、10秒ほど待ってからもう一度タップしてオンにします。これで電波を掴み直し、接続がリフレッシュされます。 - Wi-Fiルーターに近づく
壁や障害物があると、Wi-Fiの電波は弱くなってしまいます。できるだけWi-Fiルーターの近くに移動して、電波が強い状態で作業してみてください。 - Wi-Fiルーターを再起動する
ルーターは長時間つけっぱなしにしていると、動作が不安定になることがあります。一度ルーターの電源コードをコンセントから抜き、1分ほど待ってから再び差し込んでみましょう。多くの場合、これで通信速度が改善します。 - モバイルデータ通信を使う(最終手段)
どうしてもWi-Fiが不調な場合は、モバイルデータ通信(4G/5G)で転送する方法もあります。ただし、数十分にも及ぶボイスメモは数十MB以上のサイズになるため、契約しているプランのデータ容量(ギガ)を大きく消費する可能性があります。実行する前に、ファイルサイズと残りギガ数を確認することをおすすめします。
iPhoneのボイスメモが転送できない時に試す確実な送り方
- iCloudでPCやMacと自動同期させる設定方法
- iTunes(Finder)を使ってPCに有線で取り込む手順
- Googleドライブ経由で共有・転送する方法
- Androidスマホに送る一番簡単なやり方
- 録音時間が長いファイルを圧縮するには?
iCloudでPCやMacと自動同期させる設定方法
録音したボイスメモを、特別な操作なしで自動的にパソコン(PCやMac)に転送したいなら、iCloudで同期させるのが最も確実で便利な方法です。
一度設定してしまえば、同じApple IDでサインインしているすべてのデバイスで、ボイスメモのデータが自動的に共有されます。
【iCloud同期の設定手順】
- まず、iPhoneの「設定」アプリを開きます。
- 一番上にある、あなたの名前が表示されている部分(Apple ID)をタップします。
- 次に、「iCloud」という項目を選択してください。
- 「iCloudを使用しているApp」という欄の「すべてを表示」をタップします。
- アプリの一覧が表示されるので、その中から「ボイスメモ」を探し、スイッチがオン(緑色)になっているか確認します。もしオフになっていたら、オンに切り替えましょう。
たったこれだけで設定は完了です。
この設定をしておけば、iPhoneで録音したボイスメモは、Wi-Fiに接続されている時に自動でiCloudにアップロードされます。
【PCやMacでの確認方法】
- Macの場合:「ボイスメモ」アプリを開くだけで、iPhoneで録音したファイルが自動的に表示されます。
- Windows PCの場合:ウェブブラウザで「iCloud.com」にアクセスし、Apple IDでサインインします。その中にある「ボイスメモ」のアイコンをクリックすれば、録音データを確認・ダウンロードできます。
ファイルサイズが大きいデータでも、時間をかければ確実に転送されるので、最もおすすめの方法の一つです。
iTunes(Finder)を使ってPCに有線で取り込む手順
iCloudを使わずに、昔ながらの確実な方法でボイスメモをPCに移したいなら、USBケーブルを使った有線接続がおすすめです。
最新のMacでは「Finder」、Windowsや古いMacでは「iTunes」を使ってデータを取り込むことができます。
【Mac(Finder)での取り込み手順】
- USBケーブルで、iPhoneとMacを接続します。
- MacのDockにある顔のアイコン「Finder」を開きます。
- Finderのサイドバーにある「場所」の欄から、あなたのiPhoneの名前を探してクリックします。
- 上部にあるメニューから「ミュージック」タブを選択します。
- 「ミュージックを“(あなたのiPhone名)”と同期」にチェックを入れ、「ボイスメモを含める」にもチェックを入れます。
- 最後に、右下にある「適用」または「同期」ボタンをクリックします。
同期が終わると、Macの「ミュージック」アプリの中に、ボイスメモのファイルが保存されます。
【Windows PC(iTunes)での取り込み手順】
- PCにiTunesがインストールされていない場合は、先にインストールしておきます。
- USBケーブルでiPhoneとPCを接続し、iTunesを起動します。
- iTunesの左上にある、小さなiPhoneのアイコンをクリックします。
- 左のメニューから「ミュージック」を選び、「音楽を同期」と「ボイスメモを含める」の両方にチェックを入れ、右下の「同期」ボタンをクリックします。
この方法は、インターネット環境がなくても使える確実なデータ転送手段です。
Googleドライブ経由で共有・転送する方法
Googleアカウントを持っているなら、Googleドライブを使ってボイスメモを転送するのも非常に便利な方法です。
ファイルサイズが大きいデータでも簡単に共有でき、iPhone以外のスマホやPCとも手軽にやり取りできますよ。
【Googleドライブにアップロードする手順】
- iPhoneに「Googleドライブ」アプリがインストールされていない場合は、先にApp Storeからダウンロードしておきます。
- 「ボイスメモ」アプリを開き、転送したい録音ファイルを選びます。
- 「…」(共有)アイコンをタップし、共有シートの中から「ドライブ」アプリのアイコンを探してタップします。
- アップロード画面が表示されるので、ファイル名を確認し、保存したいアカウントやフォルダを選択して、右上の「アップロード」をタップします。
Wi-Fi環境下で、ファイルサイズに応じた時間が経てばアップロードは完了です。
【共有・転送する方法】
アップロードしたファイルは、Googleドライブ上で他の人と共有できます。
- 「Googleドライブ」アプリを開き、アップロードしたボイスメモのファイルを探します。
- ファイルの右側にある「…」メニューをタップします。
- 「共有」を選べば、特定のメールアドレスを持つ人だけに共有できます。
- 「リンクをコピー」を選べば、そのファイルのダウンロードリンクが作成されるので、メールやLINEに貼り付けて誰にでも送ることが可能です。
この方法なら、相手がどんなスマホやPCを使っていても、簡単にファイルを渡すことができますね。
Androidスマホに送る一番簡単なやり方
iPhoneからAndroidスマホにボイスメモを送りたい時、AirDropは使えないので少し工夫が必要です。
いくつか方法がありますが、一番簡単で確実なのは、Googleドライブなどのクラウドストレージサービスを経由する方法です。
【Googleドライブを使った転送手順】
- まず、前の見出しで説明した手順で、iPhoneからGoogleドライブにボイスメモのファイルをアップロードします。
- 次に、アップロードしたファイルの共有リンクを作成します。「ファイル」の横にある「…」をタップし、「リンクをコピー」を選択してください。
- コピーしたリンクを、LINEやGmailなどのメッセージアプリで、送りたい相手(Androidユーザー)に送信します。
- 相手は、受け取ったリンクをタップするだけで、ウェブブラウザやGoogleドライブアプリが開き、ボイスメモを聴いたり、自分のスマホにダウンロードしたりすることができます。
この方法のメリットは、以下の通りです。
- 相手が特別なアプリを入れる必要がない
- ファイルサイズが大きくても問題なく送れる
- 高音質のままデータを渡せる
メールに添付して送る方法もありますが、ファイルサイズ制限に引っかかりやすいため、クラウドサービスを使うのが最も確実でスマートなやり方と言えるでしょう。
録音時間が長いファイルを圧縮するには?
残念ながら、iPhoneのボイスメモアプリ自体には、録音したファイルの音質を下げてファイルサイズを圧縮する機能はありません。
標準設定のままだと、比較的高音質な「可逆圧縮(ロスレス)」という形式で保存されるため、どうしてもファイルサイズが大きくなってしまいます。
もし、どうしてもファイルサイズを小さくして送りたい場合は、他のアプリの力を借りる必要があります。
App Storeで「音声 圧縮」や「mp3 変換」といったキーワードで検索すると、音声ファイルを圧縮したり、形式を変換したりできるアプリが見つかります。
【一般的な圧縮アプリの利用手順】
- ボイスメモの共有メニューから、一度iPhoneの「ファイル」アプリにボイスメモを保存します。
- 次に、ダウンロードした圧縮アプリを開きます。
- アプリの指示に従って、「ファイル」アプリから先ほど保存したボイスメモを読み込みます。
- 音質(ビットレート)などを選択する画面で、数値を低く設定することでファイルサイズを小さくできます。
- 圧縮処理を実行し、新しいファイルとして保存します。
ただし、この方法は少し手間がかかりますし、音質は元のファイルよりも劣化してしまいます。
会議の議事録など、内容が聞き取れれば良いという場合には有効ですが、音質を保ちたい場合は、圧縮せずにiCloudやGoogleドライブといったクラウドサービスを使って転送する方が断然おすすめです。
iPhone ボイスメモ 転送できないまとめ
- iPhoneのボイスメモが転送できない最大の原因は、長時間録音によるファイルサイズ超過です。
- メールで「準備中」から進まない時は容量オーバーの可能性が高く、他の方法を検討しましょう。
- LINEで送る際は「ファイル」として共有できますが、保存期間やファイル名が自動で変わる点に注意が必要です。
- iPhoneやMac同士ならAirDropが高速ですが、失敗する時はWi-Fiや受信設定を見直します。
- PCやMacと自動で同期させたいなら、iCloudでボイスメモをオンにするのが最も簡単です。
- Googleドライブにアップロードし共有リンクを作成すれば、Androidスマホへも簡単に転送できます。
- iTunesやFinderを使えば、インターネットがない環境でもUSBケーブルでPCに確実に取り込めます。