iPhoneのボイスメモで録音したファイルの標準拡張子は「.m4a」です。
このm4aファイルは、Windowsパソコンで再生できなかったり、MP3形式での提出を求められたりすることがあります。
この記事では、m4aの特徴や音質設定、そしてMP3へ簡単に変換する方法を具体的に解説します。
パソコンやiPhone単体で変換する手順や、ファイルの保存場所についても紹介します。
これを読めば、ボイスメモの拡張子に関する疑問がすべて解決します。
iPhoneのボイスメモの拡張子はm4a!音質設定とPCでの再生方法
- 標準のファイル形式(拡張子)は「.m4a」
- 音質設定「ロスレス」と「非可逆圧縮」の違い
- 録音する拡張子をMP3などに初期設定で変更できる?
- m4aファイルをWindows PCで再生するには?
- ファイルはどこに保存されてる?iCloudでの確認方法
標準のファイル形式(拡張子)は「.m4a」
iPhoneのボイスメモで録音した音声ファイルは、標準で「.m4a」という拡張子で保存されます。
これは、Appleが開発した音声ファイル形式で、「MPEG-4 Audio」の略称なんですよ。
よく耳にする「MP3」と似ていますが、m4aはMP3よりも比較的新しい技術で作られています。
その一番の特徴は、「MP3と同じくらいのファイルサイズで、より高音質」であることです。
Apple製品であるiPhoneやMac、iTunesなどとの相性が非常に良く、音質とデータ容量のバランスが取れているため、標準のファイル形式として採用されているんですね。
なので、あなたが録音したボイスメモのファイル名の後ろには、必ずこの「.m4a」が付いています。
ただ、このm4aという形式はApple製品では当たり前に使えますが、Windowsのパソコンなど、他の環境で再生しようとすると「このファイルは開けません」と表示されてしまうことがあります。
もし、誰かにファイルを送ったり、他のソフトで編集したりする際には、この「.m4a」という拡張子が相手の環境で使えるかどうか、少し気にかける必要がありますね。
音質設定「ロスレス」と「非可逆圧縮」の違い
iPhoneのボイスメモには、実は2種類の音質設定があるのをご存知でしたか?
それは「ロスレス」と「非可逆圧縮」で、どちらを選ぶかによって音質とファイルサイズが大きく変わってきます。
設定は、「設定」アプリ →「ボイスメモ」→「オーディオの品質」から変更できます。
それぞれの特徴を、分かりやすく表にしてみました。
項目 | ロスレス(可逆圧縮) | 非可逆圧縮 |
---|---|---|
音質 | CD並みの高音質(劣化なし) | 高音質(わずかに劣化) |
ファイルサイズ | 大きい | 小さい |
特徴 | 録音した音を一切間引かず、そのまま保存する方法。元の音と全く同じクオリティで聴けるのがメリット。 | 人間の耳には聞こえにくい部分の音を少しだけカットして、ファイルサイズをグッと小さくする方法。 |
おすすめの用途 | 楽器の演奏や歌声の録音、大切な会議など、音質を最優先したい時。 | 日常のちょっとしたメモ、長時間の講義やセミナーなど、ファイルサイズを抑えたい時。 |
初期設定では「非可逆圧縮」になっていることが多いです。
「ロスレス」は、音質にこだわる方には魅力的ですが、録音時間が長くなるとファイルサイズがかなり大きくなるので注意が必要です。
例えば、1時間の録音だと数百MBになることもあります。
自分の使い方に合わせて、どちらの音質設定が良いか選んでみてくださいね。
録音する拡張子をMP3などに初期設定で変更できる?
結論から言うと、残念ながらiPhoneのボイスメモアプリの設定で、録音するファイルの拡張子を最初からMP3などに変更することはできません。
録音されるファイルは、必ず「.m4a」形式で固定されています。
これは、ボイスメモアプリがiPhoneやiCloudといったAppleのシステム全体でスムーズに動くように、「.m4a」という形式を標準として設計されているためです。
ユーザーが自由にファイル形式を選べるようなオプションは、残念ながら用意されていないんですね。
そのため、もしあなたがMP3形式の音声ファイルが必要な場合は、必ず「録音した後」に「変換する」という一手間が必要になります。
MP3形式に変換する方法はいくつかあります。
- パソコンのiTunesやミュージックアプリを使う方法
- iPhone用のファイル変換アプリを使う方法
- ウェブブラウザで使えるオンラインの変換サイトを利用する方法
どの方法も一長一短ありますが、MP3ファイルを手に入れることは可能です。
「録音する時はm4a、必要になったら後からMP3に変える」と覚えておくと分かりやすいですね。
詳しい変換方法は、後の見出しで解説します。
m4aファイルをWindows PCで再生するには?
iPhoneから送られてきたボイスメモのm4aファイルが、Windowsのパソコンで再生できなくて困った、という経験はありませんか?
これは、m4aがApple主体のファイル形式のため、Windowsの古い標準ソフトではすぐに対応できないことがあるからです。
でも、心配はいりません。いくつかの簡単な方法で、すぐに再生できるようになりますよ。
【方法1:VLCメディアプレーヤーをインストールする(一番おすすめ)】
「VLC」は、無料で使える非常に優秀な再生ソフトです。
m4aはもちろん、世の中にあるほとんどの動画や音声ファイルを再生できるので、パソコンに一つ入れておくとすごく便利です。
公式サイトから安全にダウンロードできます。
【方法2:iTunes for Windowsを利用する】
Appleが公式に提供しているソフトなので、確実性や安心感は抜群です。
iPhoneのバックアップや音楽管理もできるので、普段からiPhoneとPCを連携させている方にはこちらが向いているかもしれません。
【方法3:Windows 10/11の標準アプリを試す】
最近のWindowsに標準で入っている「Groove ミュージック」や、新しい「メディア プレーヤー」アプリは、m4a形式に標準で対応していることが多いです。
まずはファイルをダブルクリックして、再生できるか試してみるのが一番手っ取り早いですね。
もしダブルクリックで再生できなければ、VLCメディアプレーヤーをインストールするのが、今後のためにも一番のおすすめですよ。
ファイルはどこに保存されてる?iCloudでの確認方法
録音したボイスメモのファイルが、一体iPhoneのどこに保存されているのか、気になりますよね。
ファイルは、iCloudの同期設定がオンになっていれば、あなたのiCloud Driveの中に安全に保存されています。
iCloudで同期しておけば、iPhoneだけでなく、MacやiPad、Windowsのパソコンからも同じデータにアクセスできてとても便利ですよ。
まず、iCloudの同期がオンになっているか確認しましょう。
「設定」→「(あなたの名前)」→「iCloud」と進み、「ボイスメモ」のスイッチがオンになっているか見るだけです。
では、実際にどこに保存されているか、デバイス別に確認方法を見てみましょう。
【iPhoneやiPadでの確認方法】
- ホーム画面にある「ファイル」アプリを開きます。
- 下のメニューの「ブラウズ」をタップします。
- 「iCloud Drive」という項目をタップすると、その中に「ボイスメモ」というフォルダがあり、そこにすべての録音データが入っています。
【Macでの確認方法】
Macの「Finder」(顔のアイコン)を開き、左のサイドバーにある「iCloud Drive」をクリックします。
その中に「ボイスメモ」フォルダがあります。
また、Macにも「ボイスメモ」アプリがあり、開けばiPhoneと同じデータが自動で同期されています。
【Windows PCでの確認方法】
ウェブブラウザで「iCloud.com」にアクセスし、あなたのApple IDでサインインします。
メニューの中に「ボイスメモ」のアイコンがあるので、それをクリックすればデータを確認・ダウンロードできますよ。
iPhoneのボイスメモの拡張子をMP3などに変換する簡単な方法
- PC(iTunes/ミュージック)でMP3に変換する手順
- iPhone単体で使えるおすすめ無料変換アプリ
- オンライン変換サイトを利用する際の注意点
- より高音質なWAV形式に変換するには?
- 文字起こしサービスで推奨されるファイル形式
PC(iTunes/ミュージック)でMP3に変換する手順
iPhoneのボイスメモのm4aファイルを、最も安全で確実にMP3へ変換したいなら、パソコンに入っているiTunes(またはMacのミュージックアプリ)を使うのがおすすめです。
音質の劣化を最小限に抑えながら、簡単な設定で変換できますよ。
【MP3に変換するための事前設定】
まず、変換形式をMP3にするための設定を一度だけ行います。
- Macの場合:「ミュージック」アプリを開き、メニューバーの「ミュージック」→「設定」→「ファイル」タブ→「読み込み設定」と進みます。「読み込み方法」で「MP3エンコーダ」を選び、音質を選択して「OK」を押します。
- Windowsの場合:「iTunes」を開き、メニューバーの「編集」→「環境設定」→「一般」タブ→「読み込み設定」と進み、同様に「MP3エンコーダ」を選んで「OK」を押します。
【変換の具体的な手順】
- iPhoneとパソコンを接続し、ボイスメモをPCのライブラリに同期しておきます。
- iTunesまたはミュージックアプリのライブラリ内で、変換したいボイスメモのファイルを選択します。(複数選択も可能です)
- ファイルを選択した状態で、メニューバーの「ファイル」をクリックします。
- メニューの中から「変換」→「MP3バージョンを作成」を選択します。
たったこれだけで、選択したm4aファイルと同じ名前のMP3ファイルが、ライブラリ内に新しく作成されます。
元のm4aファイルはそのまま残るので、安心して作業できますね。
この方法は、他のソフトをインストールする必要がなく、Apple公式の機能なので、最も信頼性の高い変換方法と言えるでしょう。
iPhone単体で使えるおすすめ無料変換アプリ
パソコンを持っていない、またはもっと手軽にiPhoneだけで変換作業を完結させたい、という方も多いですよね。
そんな時は、App Storeで手に入る無料のファイル変換アプリを使うのが便利です。
「m4a mp3 変換」などのキーワードで検索するとたくさんのアプリが見つかりますが、ここでは代表的なアプリを使った一般的な変換手順を紹介します。
【無料変換アプリでの一般的な手順】
- まず、変換したいボイスメモのファイルを、iPhoneの「ファイル」アプリに保存しておきます。
ボイスメモアプリで該当のファイルを選び、「共有」→「“ファイル”に保存」を選択すればOKです。 - 次に、App Storeからダウンロードした変換アプリを起動します。
- アプリの画面で「ファイルを読み込む」や「+」のようなボタンをタップし、先ほど保存した「ファイル」アプリの中から、変換したいボイスメモのファイルを選択します。
- 変換したいファイル形式のリストが表示されるので、「MP3」を選びます。アプリによっては、音質(ビットレート)などを細かく設定できるものもあります。
- 「変換開始」や「変換」ボタンをタップすると、処理が始まります。
- 変換が終わると、アプリ内に新しいMP3ファイルが作成されるので、それを「ファイル」アプリに保存したり、他のアプリに共有したりできます。
この方法は手軽さが魅力ですが、アプリによっては広告表示が多かったり、一度に変換できる時間に制限があったりするので、自分の使い方に合ったアプリを探してみてください。
オンライン変換サイトを利用する際の注意点
アプリをインストールするのも面倒…という時に便利なのが、ウェブブラウザ上でファイル変換ができる「オンライン変換サイト」です。
会員登録不要で、サイトにファイルをアップロードするだけでMP3などに変換してくれるので、非常に手軽です。
しかし、この手軽さの裏には、いくつか注意すべき点があります。
【オンライン変換サイト利用時の主な注意点】
- セキュリティのリスク
あなたが録音したボイスメモは、一度そのサイト運営者のサーバーにアップロードされることになります。会議の議事録や個人的な会話など、プライベートな内容や機密情報を含む音声ファイルを、安易にアップロードするのは非常に危険です。信頼できるサイトかどうかの見極めが重要になります。 - 広告や偽の警告表示
無料サイトの多くは広告で運営されています。「ウイルスに感染しました」といった偽の警告を表示して、不要なソフトをインストールさせようとする悪質な広告も紛れていることがあるので、注意が必要です。 - ファイルサイズの制限
一度にアップロードできるファイルサイズに上限が設けられているサイトがほとんどです。長時間の録音ファイルは、変換できない可能性があります。
手軽さは大きなメリットですが、特にセキュリティ面でのリスクを十分に理解した上で利用することが大切です。
個人的な趣味の録音など、漏洩しても問題のないファイルに限定して利用するのが賢明と言えるでしょう。
より高音質なWAV形式に変換するには?
音質にこだわりたい方、例えば音楽のデモ音源を扱ったり、プロの編集ソフトで加工したりする場合には、MP3よりもさらに高音質な「WAV(ウェーブ)」形式への変換が必要になることがあります。
WAVは、音を一切圧縮しない「非圧縮」のファイル形式で、録音した音を完全にそのままの形で記録します。
その分、ファイルサイズはm4aやMP3と比べて格段に大きくなりますが、音質の劣化は全くありません。
m4aからWAVへの変換も、MP3への変換と手順はほとんど同じです。
【PC(iTunes/ミュージック)での変換手順】
- 事前の「読み込み設定」で、「読み込み方法」を「WAVエンコーダ」に設定しておきます。
- 変換したいm4aファイルを選択し、メニューバーの「ファイル」→「変換」→「WAVバージョンを作成」を選びます。
【変換アプリやオンラインサイトでの手順】
ファイル変換アプリやオンラインサイトを利用する場合も、変換先のフォーマットとして「MP3」ではなく「WAV」を選択するだけです。
多くの変換ツールがWAV形式に対応しています。
ただし、WAVファイルは非常にデータ量が大きいという点を忘れないでください。
例えば、10分間の音声でも100MBを超えることがあります。
メールで送ったり、スマホで大量に保存したりするのには不向きな形式です。
あくまで、音質最優先で編集や保存をしたいプロ向けの形式、と覚えておくと良いでしょう。
文字起こしサービスで推奨されるファイル形式
会議やインタビューのボイスメモを、AIなどを使って自動で文字起こしするサービスを利用する方も増えていますよね。
これらのサービスを利用する際には、多くの場合で推奨される音声ファイルの形式があります。
最も一般的に対応していて、推奨されることが多いのは「MP3」形式です。
MP3は、非常に普及しているファイル形式なので、ほとんどすべての文字起こしサービスが対応しています。
ファイルサイズも比較的小さいため、サイトへのアップロードもスムーズに行えます。
【文字起こしサービス利用時のポイント】
- 推奨ファイル形式を確認する
サービスを利用する前に、必ずそのサイトのヘルプやFAQページで、対応しているファイル形式を確認しましょう。「MP3, M4A, WAVに対応」などと記載されています。 - m4a形式のままアップロードできることも多い
最近の多くのサービスでは、iPhoneの標準であるm4a形式に直接対応している場合も増えてきました。もしm4aに対応していれば、わざわざ変換する手間が省けるので非常に楽です。 - 音質はなるべくクリアに
文字起こしの精度は、元の音声のクリアさに大きく左右されます。録音する際は、なるべく雑音の少ない静かな環境で、はっきりと話すことを心がけましょう。音質設定を「ロスレス」にして録音しておくのも良い方法です。
もし、利用したいサービスがm4aに対応していなかった場合は、これまで紹介した方法でMP3に変換してからアップロードしてくださいね。
iPhoneのボイスメモの拡張子 まとめ
- iPhoneボイスメモの標準の拡張子(ファイル形式)は、高音質な「.m4a」です。
- 音質は「ロスレス(高音質・大容量)」と「非可逆圧縮(標準音質・小容量)」から設定変更できます。
- 録音する拡張子を初期設定でMP3などに変更することはできません。
- Windows PCでm4aを再生するには、VLCなどの再生ソフトやiTunesの利用がおすすめです。
- 録音したファイルは、iCloud Drive内の「ボイスメモ」フォルダに保存されています。
- PCのiTunesやミュージックアプリを使えば、安全・確実にMP3へ変換できます。
- iPhone単体でも、無料の変換アプリを使えば手軽にMP3ファイルを作成可能です。