iPhoneのテザリングは、簡単な設定変更で常時接続を維持することが可能です。
Wi-Fiテザリングがすぐに切れてしまうのは、iPhoneの省電力機能が原因であることがほとんどです。
この記事では、スリープさせない設定やUSB・Bluetooth接続など、状況に応じた具体的な常時接続の方法を解説します。
さらに、気になるバッテリー消費や通信量を抑えるコツも合わせてご紹介します。
設定を見直して、ストレスのない快適なテザリング環境を手に入れましょう。
iPhoneのテザリングを常時接続するための具体的な設定方法
- iPhoneのテザリングがすぐに切れてしまう原因は何?
- iPhoneがスリープしてもテザリングを切らさない設定
- USB接続で安定して常時接続する手順
- Bluetooth接続でテザリングを維持する方法
- Wi-Fi接続でテザリングが切断される場合の対処法
- コントロールセンターから素早く再接続するテクニック
- 「省データモード」をオフにして通信を安定させる
iPhoneのテザリングがすぐに切れてしまう原因は何?
iPhoneのテザリングが意図せず切れてしまう一番の理由は、iPhoneに備わっている省電力機能のためです。
これは、バッテリーの消費を抑えるために、接続しているパソコンやタブレットとのデータのやり取りが約90秒間ないと、Wi-Fiテザリングを自動的にオフにする仕組みになっています。
そのため、「ちょっと目を離した隙に接続が切れていた」という現象が起こるのですね。
この省電力機能のほかにも、切断の原因として考えられることがいくつかあります。
- iPhone自体がスリープ状態(画面が真っ暗な状態)になること
- テザリングで接続している機器とiPhoneの物理的な距離が離れすぎていること
- 近くで電子レンジを使っていたり、他のWi-Fiがたくさん飛んでいたりして電波が干渉していること
もしテザリングが頻繁に切れる場合は、まずこの「自動でオフになる機能」が働いている可能性を考えてみましょう。
その上で、他の原因も一つずつ確認していくのが、解決への近道になりますよ。
iPhoneがスリープしてもテザリングを切らさない設定
iPhoneがスリープ状態になることでテザリングが切れてしまうのを防ぐには、「自動ロック」機能を「なし」に設定するのが最も簡単で確実な方法です。
この設定をしておけば、iPhoneの画面が勝手に暗くなることがなくなり、スリープ状態に入らないため、テザリングの接続も維持されやすくなります。
設定方法は、以下の通りでとても簡単ですよ。
- iPhoneのホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- 少し下にスクロールして、「画面表示と明るさ」という項目をタップしてください。
- 次に「自動ロック」という項目を選びます。
- 「30秒」や「1分」など時間が設定されているので、一番下にある「なし」にチェックを入れます。
これで設定は完了です。
ただし、この設定には一つ注意点があります。
画面が常にオンの状態になるため、バッテリーの消費が通常よりも早くなってしまうのです。
なので、充電しながらテザリングを利用するか、テザリングを使わない時は設定を元に戻しておくことをおすすめします。
USB接続で安定して常時接続する手順
テザリングの接続を最も安定させたいなら、USBケーブルを使ってiPhoneとパソコンを有線で接続する方法が一番です。
この方法なら、通信が途切れる心配がほとんどなく、同時にiPhoneを充電できるのでバッテリー切れの心配もありません。
外出先で長時間作業する時などには、特におすすめですよ。
手順は以下の通りです。
- まず、お使いのパソコンに最新版の「iTunes」がインストールされているか確認してください。Macの場合は、iTunesは不要でFinderがその役割をします。
- iPhoneに付属していた純正のUSBケーブルで、iPhoneとパソコンを直接つなぎます。
- iPhoneの「設定」アプリを開き、「インターネット共有」の項目をタップします。
- 一番上にある「ほかの人の接続を許可」のスイッチをオン(緑色)にしてください。
これだけで、パソコン側が自動的にiPhoneを認識し、インターネットに接続してくれます。
Wi-FiやBluetoothを使った無線接続に比べて通信速度も速く安定しているので、大事なオンライン会議の時や、大きなファイルをやり取りする時にも安心ですね。
Bluetooth接続でテザリングを維持する方法
Bluetoothを使ってテザリングすると、Wi-Fi接続に比べてバッテリーの消費を抑えられ、iPhoneがスリープ状態になっても接続が切れにくいというメリットがあります。
通信速度は少しゆっくりになりますが、メールの確認やWebサイトを少し見る程度であれば、こちらの方法が便利かもしれません。
設定の手順は、以下のようになります。
- まず、iPhoneと接続したいパソコンなどの両方で、Bluetoothの設定をオンにしておきましょう。
- iPhoneの「設定」から「Bluetooth」を開くと、接続可能な機器の一覧が表示されます。接続したいパソコンの名前をタップして、「ペアリング」を行います。この時、両方の画面に同じ数字のコードが表示されたら、許可をしてくださいね。
- 次に、iPhoneの「設定」に戻り、「インターネット共有」を開いて、「ほかの人の接続を許可」のスイッチをオンにします。
- 最後に、パソコン側のBluetooth設定画面で、先ほどペアリングしたiPhoneを選んで「接続」をクリックすれば完了です。
Wi-Fiテザリングのように、知らない間に接続が切れているというストレスが少ないのが嬉しいポイントです。
ただし、動画の視聴や大きなデータのダウンロードには時間がかかってしまうので、用途によってWi-FiやUSB接続と使い分けるのが賢い使い方ですよ。
Wi-Fi接続でテザリングが切断される場合の対処法
Wi-Fiでテザリングしている時に接続が何度も切れてしまう場合、いくつかの対処法を試すことで改善される可能性があります。
一番の原因である「スリープによる切断」を防ぐ以外にも、有効な方法がありますよ。
代表的な対処法は以下の通りです。
ネットワーク設定をリセットする
一時的な不具合であれば、このリセットで直ることがあります。「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」の順に進んでください。
ただし、これまで接続したことのあるWi-Fiのパスワードなども全て消えてしまうので、その点だけ注意が必要です。
常に通信を発生させる
少し変わった方法ですが、バックグラウンドで音楽やラジオを流せるアプリを、音量をゼロ(ミュート)の状態で再生し続けるというテクニックがあります。
常にデータのやり取りが発生している状態になるため、iPhoneが「通信していない」と判断するのを防ぎ、自動切断されにくくなります。
互換性モードを試す(iPhone 12以降)
お使いのiPhoneが12以降のモデルなら、「設定」→「インターネット共有」の中にある「互換性を優先」というスイッチをオンにしてみてください。
これにより、より多くの機器とつながりやすい周波数帯(2.4GHz)に固定されるため、電波が安定することがあります。
これらの方法を試しても改善しない場合は、iPhoneや接続機器の再起動も有効な手段です。
コントロールセンターから素早く再接続するテクニック
一度テザリングの設定を済ませておけば、次からは「コントロールセンター」を使うことで、あっという間に接続をオンにできてとても便利です。
いちいち「設定」アプリを開く手間が省けるので、覚えておくととても重宝しますよ。
やり方はとっても簡単です。
- まず、iPhoneの画面の右上(ホームボタンがない機種の場合)か、画面の下(ホームボタンがある機種の場合)から指をスライドさせて、「コントロールセンター」を呼び出します。
- 左上にある、Wi-FiやBluetoothのアイコンが四角くまとまっている部分を、ぐっと長押ししてください。
- すると、隠れていたメニューがいくつか表示されます。その中に緑色の人のマークがついた「インターネット共有」というアイコンがあるので、そこをタップします。
- アイコンの下の文字が「検出可能」と表示されれば、テザリングがオンになった合図です。
もし接続が切れてしまっても、この操作をすればすぐに再接続を開始できます。
この機能を使うためには、あらかじめ「設定」アプリの「インターネット共有」で、「ほかの人の接続を許可」を一度はオンにしておく必要があるので、そこだけ忘れないようにしてくださいね。
「省データモード」をオフにして通信を安定させる
もしテザリングの通信がなんだか不安定だと感じたら、「省データモード」の設定がオンになっていないか確認してみてください。
このモードは、知らない間にデータ通信量を使いすぎてしまうのを防いでくれる便利な機能なのですが、バックグラウンドでの通信を制限するため、テザリングの安定性に影響を与えてしまうことがあるんです。
この設定をオフにすることで、通信が安定する場合があります。
設定の確認方法は、以下の通りです。
- 「設定」アプリを開き、「Wi-Fi」の項目をタップします。
- テザリングで親機として使っているiPhoneのWi-Fiネットワーク名(通常は「iPhone」という名前です)の横にある、青い丸で囲まれた「i」のマークをタップします。
- 次の画面に「省データモード」という項目がありますので、ここのスイッチがもしオン(緑色)になっていたら、タップしてオフに切り替えてください。
モバイルデータ通信の設定にも同様のモードがあります。
「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データモード」と進み、「標準」が選ばれていることを確認しましょう。
普段は便利な機能ですが、テザリングの時だけはオフにしてみると、思わぬ不調が改善されるかもしれません。
iPhoneのテザリングを常時接続する際の注意点と代替案
- バッテリー消費を抑えながら常時接続するコツ
- テザリングの通信量を節約するための設定
- 常時接続できないときの具体的な解決策
- ショートカットアプリでテザリングを自動化する方法
- MacとiPhoneを常時接続させるための設定は?
- Windowsパソコンと常時接続する具体的な手順
- 車の中で常時接続を維持するための工夫
バッテリー消費を抑えながら常時接続するコツ
テザリングの常時接続で気になるバッテリー消費は、USBケーブルで充電しながら接続することで解決できます。
これが最も確実で、バッテリーの残量を気にせず長時間利用できる一番の方法になります。
もし、どうしてもケーブルを使わずに無線で接続したい場合は、Wi-Fiテザリングよりも消費電力が少ないBluetoothテザリングを選ぶと良いでしょう。
通信速度は少し落ちますが、その分バッテリーは長持ちしますよ。
さらに、iPhone自体の設定を少し見直すだけでも、バッテリーの節約につながります。
- 画面の明るさを手動で少し暗めに設定する
- 「設定」から「バッテリー」を開き、「低電力モード」をオンにする
- テザリング中に通知が不要なアプリは、「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」から個別にオフにしておく
これらの方法は、テザリングの接続には影響を与えずに消費電力を抑えることができるので、ぜひ試してみてください。
複数の工夫を組み合わせることで、より長く快適に常時接続を維持できるようになります。
テザリングの通信量を節約するための設定
テザリングでのデータ通信量を効果的に節約するには、iPhone側だけでなく、接続しているパソコン側の設定を見直すのがとても重要です。
特にWindows 10やWindows 11のパソコンをお使いなら、「従量課金接続」という機能をオンにすることをおすすめします。
この設定を有効にすると、OSの大きなアップデートや一部のアプリの自動更新などが制限され、知らない間に大量のデータが消費されるのを防いでくれます。
設定方法は以下の通りです。
- パソコンの「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」をクリックします。
- 「Wi-Fi」の項目を選び、接続しているiPhoneのネットワーク名(SSID)の「プロパティ」をクリックしてください。
- 「従量課金接続」という項目があるので、そのスイッチをオンにします。
また、DropboxやGoogle Driveといったクラウドストレージの同期アプリを使っている場合は、テザリング中は一時的に同期をオフにしておくと、さらに通信量を節約できます。
もちろん、高画質な動画のストリーミングや、大きなサイズのファイルをダウンロードするのを避けるといった基本的な使い方も大切です。
常時接続できないときの具体的な解決策
いろいろ試してもテザリングの常時接続がうまくいかない時は、一度基本に立ち返って、いくつかの点を確認してみましょう。
まず、一番簡単で効果的なのが、iPhoneと接続したいパソコンやタブレットの両方を再起動することです。
一時的なシステムの不調であれば、これだけであっさり解決することがよくあります。
それでも改善しない場合は、以下の手順を試してみてください。
- iOSのバージョンを確認する
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」と進み、もし新しいバージョンがあればアップデートしましょう。古いOSが原因で接続が不安定になっている可能性があります。 - キャリアの契約プランを確認する
ごく稀ですが、契約している料金プランがテザリングに対応していなかったり、オプションへの加入が必要だったりするケースがあります。一度、ご自身の契約内容を見直してみるのも良いでしょう。 - ネットワーク設定をリセットする
最終手段として、「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」を実行します。これにより、接続に関する問題が解消されることがあります。ただし、保存していたWi-Fiのパスワードなどもすべて消えてしまう点には注意してくださいね。
焦らずに一つずつ確認していくことが、解決への一番の近道です。
ショートカットアプリでテザリングを自動化する方法
iPhoneに標準で入っている「ショートカット」というアプリを使えば、テザリングのオン・オフを自動化できて、とても便利になります。
例えば、「特定のBluetoothスピーカーに接続したら自動でテザリングをオンにする」といった設定が可能です。
毎回手動で設定を切り替える手間が省けるので、使い方を覚えると非常に快適ですよ。
ここでは、一番シンプルな「アイコンをタップするだけでテザリングを開始する」ショートカットの作り方をご紹介します。
- 「ショートカット」アプリを開き、右上の「+」ボタンをタップして新しいショートカットを作成します。
- 画面下部にある「Appおよびアクションを検索」という欄をタップし、「インターネット共有」と入力します。
- 検索結果に出てきた「インターネット共有を設定」をタップしてアクションを追加してください。
- 「“インターネット共有”をオフにする」と表示されている部分の「オフ」をタップし、「オン/オフの切り替え」に変更します。
これで設定は完了です。
ショートカットの名前を「テザリング」など分かりやすいものに変えておくと良いでしょう。
ホーム画面に追加しておけば、アプリアイコンをタップするだけで、いつでもテザリングのオンとオフを切り替えられるようになります。
MacとiPhoneを常時接続させるための設定は?
MacとiPhoneをお使いの場合、「Instant Hotspot」という機能のおかげで、非常にスムーズにテザリング接続ができます。
特別な設定はほとんど必要なく、まるでMacが近くのWi-Fiに自動で接続するような感覚で利用できるのが魅力です。
この機能を使うための条件は、以下の通りです。
- MacとiPhoneの両方で、同じApple IDを使ってiCloudにサインインしていること。
- 両方のデバイスで、Wi-FiとBluetoothがオンになっていること。
この条件さえ満たしていれば、準備はOKです。
あとは、Macの画面右上にあるWi-Fiの扇形のアイコンをクリックしてみてください。
利用可能なネットワークの一覧に、あなたのiPhoneの名前が表示されているはずです。
それをクリックするだけで、パスワードを入力することなく、すぐにテザリングが開始されます。
iPhone側で「インターネット共有」をわざわざオンにする操作も必要ありません。
MacとiPhoneの連携ならではの便利な機能なので、Apple製品で揃えている方はぜひ活用してみてくださいね。
Windowsパソコンと常時接続する具体的な手順
WindowsパソコンとiPhoneを最も安定して常時接続させたい場合は、USBケーブルを使った有線接続が一番確実な方法です。
無線接続と違って電波の干渉を受けることがなく、通信が途切れにくい上に、iPhoneを充電しながら使えるのでバッテリーの心配もいりません。
手順はとてもシンプルですが、一つだけ準備が必要です。
それは、お使いのWindowsパソコンに、Appleの公式ソフト「iTunes」をインストールしておくことです。
iTunesには、iPhoneをパソコンに認識させるためのドライバーが含まれているため、事前のインストールが必須となります。
準備ができたら、以下の手順で接続しましょう。
- 純正のUSBケーブルで、iPhoneとWindowsパソコンを接続します。
- iPhoneの画面に「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージが表示されたら、「信頼」をタップしてください。パスコードの入力が求められる場合もあります。
- iPhoneの「設定」アプリから「インターネット共有」を開き、「ほかの人の接続を許可」のスイッチをオンにします。
これだけで、パソコン側は自動的にiPhoneをネットワークアダプタとして認識し、インターネットに接続されます。
オンライン会議など、絶対に接続を切りたくない場面では、このUSB接続が最も安心できる方法ですよ。
車の中で常時接続を維持するための工夫
車の中でカーナビアプリを使ったり、同乗者がタブレットで動画を見たりするために、テザリングを常時接続したい場面は多いですよね。
車内で安定した常時接続を維持するための最もおすすめな方法は、シガーソケットから給電できるUSB充電器を使い、USBケーブルでiPhoneと接続することです。
この方法には、大きなメリットが2つあります。
一つ目は、常にiPhoneを充電しながらテザリングできるため、長距離のドライブでもバッテリー切れの心配が全くないことです。
二つ目は、有線で接続することで、トンネルや山間部などでも無線接続より通信が安定しやすい点です。
やり方はとても簡単です。
- 車のシガーソケットに、USBポート付きのカーチャージャーを差し込みます。
- USBケーブルで、そのカーチャージャーとiPhoneを接続します。
- iPhoneの「設定」から「インターネット共有」をオンにするだけです。
もし同乗者のタブレットなど、複数の機器を接続したい場合は、iPhoneのUSBテザリングをオンにしつつ、他の機器はWi-FiでiPhoneに接続するという使い方もできます。
この方法なら、運転手は安定した接続でナビを使い、同乗者は快適にインターネットを楽しめますね。
iPhoneのテザリングを常時接続まとめ
- iPhoneのテザリングが切れる主な原因は、約90秒通信がないと作動する省電力機能です。
- 常時接続の最も簡単な設定は、「自動ロック」を「なし」にしてスリープを防ぐことです。
- 最も安定した接続方法は、充電も同時にできるUSBテザリングです。
- バッテリー消費を抑えたい場合は、省電力なBluetoothテザリングが有効です。
- Windowsパソコンでは「従量課金接続」を設定すると、通信量を大幅に節約できます。
- Macなら「Instant Hotspot」機能で、パスワード入力なしのシームレスな接続が可能です。
- 車内での利用は、シガーソケットから給電するUSB接続が最も確実で安心です。