【アプリなし】iPhoneをPCにミラーリングする方法｜有線・無線でのやり方とできない時の対処法

2025-07-20

iPhoneの画面をパソコンに映したいけど、できれば新しいアプリは入れたくない、と思っていませんか。

実は、特別なアプリなしでもiPhoneの画面をPCにミラーリングすることは可能です。

Macならケーブルでつなぐだけ、Windowsでも標準の無線機能を使えばかんたんに接続できます。

この記事では、有線・無線それぞれの具体的な手順から、ミラーリングできない時の解決策まで分かりやすく紹介します。

ケーブル不要で手軽に、または遅延なく安定して、あなたの目的に合った方法を見つけてください。

iPhoneの画面をPCにミラーリングするアプリなしでのやり方

iPhoneの画面はアプリなしでPCに映せる？

特別なアプリをインストールしなくても、iPhoneの画面をPCにミラーリングすることは可能です。

お使いのパソコンがMacかWindowsかによって、その方法は異なります。

Macの場合は、もともと入っている「QuickTime Player」というアプリと純正のケーブルを使えば、有線でかんたんに接続できます。

これはAppleが公式に用意している方法なので、動作も安定していて安心です。

一方、Windowsの場合は、OSに標準で備わっている「ワイヤレスディスプレイ」という機能を使って、無線（Wi-Fi）でミラーリングします。

こちらは設定が少しだけ必要ですが、一度設定してしまえばケーブルなしで手軽に利用できます。

どちらの方法も、追加で怪しいアプリなどをダウンロードする必要がないため、セキュリティ面でも安全なのが嬉しいポイントですね。

【Mac向け】有線でミラーリングする一番かんたんな方法

お使いのパソコンがMacなのであれば、有線接続が最もかんたんで確実なミラーリング方法です。

必要なものは、iPhoneとMac、そしてそれらをつなぐ純正のLightningケーブルまたはUSB-Cケーブルだけです。

この方法は、Macに最初からインストールされている「QuickTime Player」という動画再生ソフトの機能を利用します。

有線で直接つなぐため、Wi-Fi環境に左右されることなく、映像の遅延やカクつきがほとんどないのが大きなメリットです。

ゲームのプレイ画面を映したり、細かい操作を大画面で見せたりするプレゼンテーションの場面でも、ストレスなく快適に利用できます。

なにより、Appleが提供している標準機能なので、無料で利用できる上にセキュリティの心配もありません。

新しいアプリのインストールや面倒な設定が一切不要で、ケーブルでつなぐだけ、という手軽さが魅力ですよ。

QuickTime Playerを使った具体的な接続手順

QuickTime Playerを使えば、いくつかの簡単なステップだけでiPhoneの画面をMacに映し出すことができます。

具体的な手順は以下の通りです。

iPhoneとMacを、純正のLightningケーブルやUSB-Cケーブルで接続します。
iPhoneの画面に「このコンピュータを信頼しますか？」と表示されたら、「信頼」をタップしてパスコードを入力してください。
Macの「アプリケーション」フォルダから「QuickTime Player」を探して起動します。
画面上部のメニューバーから「ファイル」を選び、「新規ムービー収録」をクリックします。
すると、Mac内蔵のカメラ映像が映ったウィンドウが開きます。録画ボタンの横にある下向きの矢印（∨）をクリックしてください。
表示されたメニューの中から、「カメラ」の項目にあるあなたのiPhoneの名前を選択します。
これだけで、ウィンドウの中の映像がiPhoneの画面に切り替わります。

もしメニューにiPhoneの名前が表示されない場合は、ケーブルがしっかり接続されているか確認したり、一度ケーブルを抜き差ししたりすると解決することがあります。

【Windows向け】無線でミラーリングする標準機能の設定

Windows 10や11のパソコンなら、標準機能の「ワイヤレスディスプレイ」を使って、アプリなしでiPhoneの画面を無線ミラーリングできます。

この機能は「Miracast（ミラキャスト）」という技術を利用しており、まずはパソコン側で受信の準備をする必要があります。

パソコン側の設定手順

「設定」を開き、「システム」の中にある「このPCへのプロジェクション」をクリックします。
もし「ワイヤレスディスプレイ」機能がない場合は、「オプション機能」から追加する必要があります。「機能の追加」を選び、「ワイヤレスディスプレイ」を検索してインストールしてください。
インストール後、「このPCへのプロジェクション」画面に戻り、設定を「どこでも使える」などに変更します。
スタートメニューから「接続」または「ワイヤレスディスプレイ」というアプリを起動し、受信待機状態にします。

iPhone側の操作

iPhoneのコントロールセンターを開き、「画面ミラーリング」（四角が2つ重なったアイコン）をタップします。
ミラーリングできるデバイスの一覧に、あなたのパソコンの名前が表示されるので、それを選択します。

これで、パソコンの画面にiPhoneの画面が映し出されるはずです。

ケーブルが不要で手軽ですが、Wi-Fiの環境によっては少し映像が遅れることもあります。

Wi-Fi経由で接続するための必須条件

iPhoneからPCへ、アプリなしで無線ミラーリングを成功させるには、いくつかの必須条件をクリアしている必要があります。

最も重要なのは、iPhoneとパソコンが「まったく同じWi-Fiネットワーク」に接続されていることです。

これが違うと、お互いのデバイスを見つけることができず、接続が始まりません。

以下のチェックリストを確認してみてください。

同じWi-Fiに接続している
iPhoneとパソコンで、接続しているWi-Fiの名前（SSID）が完全に一致しているか確認しましょう。
プライベートネットワークを利用する
公共のフリーWi-Fiなどでは、セキュリティのためにデバイス間の通信がブロックされていることがあります。自宅などのプライベートなネットワークで試すのが確実です。
Windowsの機能が有効になっている
パソコン側で「ワイヤレスディスプレイ」機能がインストールされ、「このPCへのプロジェクション」設定がオンになっている必要があります。
ファイアウォール設定を確認する
まれに、セキュリティソフトやファイアウォールが通信を邪魔していることがあります。一時的にオフにして接続できるか試してみるのも一つの手です。
電波強度が十分である
ルーターからの距離が遠いなど、Wi-Fiの電波が弱いと、接続が不安定になったり映像がカクカクしたりする原因になります。

これらの条件が整って初めて、快適なワイヤレスミラーリングが可能になります。

ミラーリングの音声もPCから出す設定は？

通常、iPhoneの画面をPCにミラーリングした場合、音声も自動的にPCのスピーカーから出力されるようになっています。

特別な設定はほとんど必要ありません。

MacのQuickTime Playerで有線接続している場合は、映像と音声がセットでMacに送られます。

もし音が出ない場合は、「新規ムービー収録」のウィンドウで、録画ボタンの横にある矢印をクリックし、「マイク」の項目も自分のiPhoneが選択されているか確認してみてください。

Windowsへ無線でミラーリングしている場合も同様で、映像と一緒に音声もパソコンへ転送されます。

それでもPCから音が出ない時に確認したい点は以下の通りです。

パソコン本体の音量がミュート（消音）になっていないか確認する。
iPhoneで開いているアプリ自体の音量設定を確認する。
コントロールセンターの音楽再生ウィジェットを長押しして、音声の出力先がミラーリング中のPCになっているかチェックする。

多くの場合、これらの基本的なポイントを確認したり、一度ミラーリングをやり直したりすることで解決します。

焦らずに一つずつチェックしてみましょう。

ミラーリングした画面を全画面で表示する操作

ミラーリングしたiPhoneの画面をPCのモニターいっぱいに表示させると、プレゼンや動画鑑賞の際にとても見やすくなります。

全画面表示にする操作はとてもかんたんです。

Mac（QuickTime Player）の場合

ミラーリング中のQuickTime Playerのウィンドウの左上にある、信号機のようなボタンのうち、緑色のボタンをクリックします。
これだけで、ウィンドウが画面全体に広がり、全画面表示に切り替わります。
元に戻すには、キーボードの「Esc」キーを押すか、マウスカーソルを画面上部に持っていくと表示される緑色のボタンを再度クリックしてください。

Windows（接続アプリ）の場合

iPhoneの画面が映し出されている「接続」アプリのウィンドウの右上に注目してください。
Windowsのアプリでおなじみの「最小化」「最大化」「閉じる」ボタンが並んでいます。
真ん中にある四角い形の「最大化」ボタンをクリックすると、ウィンドウがモニターいっぱいに広がります。

どちらのOSでも、iPhoneの縦長の画面比率は維持されるため、横長のPCモニターでは左右に黒い帯が表示されますが、これは正常な状態です。

iPhoneからPCへのミラーリングをアプリなしで行う際の注意点

ミラーリングができない時に確認すべき項目

iPhoneからPCへのミラーリングがうまくいかない時、原因はいくつかのパターンに絞られます。

慌てずに、以下の項目を一つずつチェックしてみてください。

多くの場合、かんたんな見落としが原因です。

無線（Wi-Fi）接続でうまくいかない場合

iPhoneとPCは、まったく同じ名前のWi-Fiに接続されていますか？
接続しているのは、自宅などのプライベートなWi-Fiですか？（公共のWi-Fiでは機能しないことがあります）
Windowsの「このPCへのプロジェクション」設定は、有効になっていますか？
PCで「接続」アプリは起動していますか？
ルーターの再起動や、PC・iPhoneの再起動は試しましたか？

有線（ケーブル）接続でうまくいかない場合（Mac向け）

使用しているケーブルは、Apple純正品またはMFi認証品ですか？
ケーブルを一度抜き差ししたり、Macの別のUSBポートに接続したりしてみましたか？
iPhoneの画面に「このコンピュータを信頼しますか？」と表示された際に、きちんと「信頼」をタップしましたか？
QuickTime Playerの「新規ムービー収録」画面で、カメラの選択肢にiPhoneの名前は表示されていますか？

これらの基本的なポイントを確認するだけで、ほとんどの問題は解決するはずです。

画面がカクカクする遅延の主な解決策

ミラーリングした画面がカクカクしたり、操作してからPCに映るまで時間がかかったりする主な原因は、Wi-Fi環境の不安定さです。

特に無線で接続している場合は、映像データをリアルタイムで送受信しているため、通信状況の影響を直接受けます。

遅延を解消するための具体的な解決策は以下の通りです。

ルーターに近づく：
物理的な距離が遠いと電波は弱くなります。ルーターの近くで操作するだけで、改善することがあります。
電波干渉を避ける：
電子レンジやコードレス電話、Bluetooth機器などは、Wi-Fiと同じ周波数帯を使うため、電波干渉の原因になります。これらの機器から離れてみましょう。
5GHz帯のWi-Fiに接続する：
Wi-Fiには2.4GHzと5GHzの周波数帯があります。5GHzの方が通信速度は速く、他の家電との干渉も少ないため、こちらに接続し直すと遅延が改善される可能性があります。
PCの負荷を減らす：
バックグラウンドで多くのアプリが動いていると、PCの処理能力が追いつかずにカクつくことがあります。不要なアプリは終了させましょう。
有線接続に切り替える（Macの場合）：
最も確実な解決策は、無線ではなく有線で接続することです。MacユーザーならQuickTime Playerを使った有線接続に切り替えるだけで、遅延の悩みはほぼ解消されます。

有線接続のメリットとデメリット一覧

Macで利用できる有線でのミラーリングは、安定性を求めるなら最適な方法です。

メリットとデメリットを理解して、自分の目的に合っているか判断しましょう。

	メリット	デメリット
安定性	映像の遅延やカクつきがほとんどない	ケーブルの長さに可動範囲が制限される
画質	Wi-Fi環境に左右されず、常に高画質	常にケーブルをつないでおく必要がある
設定	ケーブルでつなぐだけで、設定が非常に簡単	Windowsでは標準機能で対応していない
その他	充電しながらミラーリングできる、セキュリティが高い	ケーブルを持ち運ぶ手間がかかる

一番の魅力は、なんといってもその安定感です。

Wi-Fiの電波状況を気にすることなく、いつでもスムーズな映像をPCに映し出せます。

一方で、iPhoneを自由に動かせないのが最大のデメリットと言えるでしょう。

無線（Wi-Fi）接続のメリットとデメリット一覧

Windowsで標準機能で利用できる無線でのミラーリングは、ケーブルレスの快適さが魅力です。

こちらもメリットとデメリットを把握しておきましょう。

	メリット	デメリット
自由度	ケーブルがないため、自由に動ける	映像の遅延やカクつきが発生しやすい
手軽さ	ケーブルの抜き差しが不要で手軽	Wi-Fiの通信環境に大きく依存する
対応OS	Windowsの標準機能として利用できる	有線接続に比べて画質が劣化することがある
その他	離れた場所からでもミラーリング可能	設定が有線より少し複雑、セキュリティリスクがやや高まる

ケーブルのわずらわしさから解放されるのが、無線接続の最大のメリットです。

ソファに座りながらiPhoneを操作して、その画面をPCに映す、といった使い方ができます。

しかし、その快適さと引き換えに、動作の安定性は有線に劣ることを理解しておく必要があります。

有料アプリと無料（アプリなし）の方法の比較

アプリなしの無料の方法で十分な場合も多いですが、有料アプリにはそれだけの価値があります。

どちらが自分に合っているか、以下の表で比較してみてください。

項目	無料（アプリなし）の方法	有料アプリ
コスト	無料	数千円程度の買い切りやサブスクリプション
安定性	Mac有線は◎、Win無線は△	製品によるが、比較的安定しているものが多い
機能性	画面を映すのみのシンプルな機能	録画、PCからのiPhone操作、複数デバイスの同時表示など多機能
対応OS	Macは有線、Winは無線と限定的	多くのアプリがMac/Win両方に対応
手軽さ	標準機能なのでかんたん	インストールや初期設定が必要