iPhoneのマイカードとは？設定・編集方法からNameDropでの使い方まで

2025-09-06

iPhoneの「マイカード」とは、連絡先アプリに登録するあなた自身の情報カード、いわばデジタル名刺です。

これを設定しておくと、Webでの自動入力や、iPhone同士を近づけて連絡先を交換する「NameDrop」がスムーズに行えます。

この記事では、マイカードの基本的な設定や編集方法、そして新しい連絡先ポスターの作り方を分かりやすく紹介します。

また、「編集できない」「家族の名前が表示される」といったよくあるトラブルの解決策も解説。

この記事を読めば、iPhoneをより便利に、そして自分らしく使いこなせるようになります。

iPhoneのマイカードとは？その基本的な使い方を解説

そもそもiPhoneの「マイカード」とはどんな機能？

iPhoneの「マイカード」とは、連絡先アプリに登録されている、あなた自身のプロフィール情報がまとめられた特別なカードのことです。

いわば、iPhoneの中に持つ「自分専用のデジタル名刺」のようなものだと考えてください。

このカードには、あなたの名前、電話番号、メールアドレス、住所、誕生日、そしてプロフィール写真など、様々な個人情報を一元的に登録しておくことができます。

マイカードに登録された情報は、単に連絡先アプリに表示されるだけではありません。

例えば、Safariでショッピングサイトなどに個人情報を入力する際に、ワンタップで名前や住所を自動入力してくれたり、新機能の「NameDrop」で他の人と連絡先を交換する際に、自分の名刺として相手に情報を渡したりと、iPhoneの様々な機能と連携して動作します。

つまり、iPhoneに「このスマホの持ち主は、このカードに書かれている人ですよ」と教えてあげるための、非常に重要な基本設定なのです。

このマイカードをきちんと設定しておくことが、iPhoneをより便利で、よりパーソナルなツールとして使いこなすための第一歩になります。

マイカードを設定する具体的なメリット

マイカードをきちんと設定しておくと、iPhoneがもっと便利で快適になります。

「ただ自分の連絡先が入っているだけでしょ？」と思うかもしれませんが、実は日常生活の様々な場面で役立つ、具体的なメリットがたくさんあるんですよ。

主なメリットは以下の4つです。

Webフォームの自動入力が楽になる
Safariでネットショッピングをする時など、名前や住所、電話番号といった個人情報を入力する場面で、キーボードの上に出てくる「自動入力」ボタンをタップするだけで、マイカードの情報が一瞬で入力されます。面倒な文字入力の手間が省けて、とてもスムーズです。
連絡先交換がスマートになる
iOS 17の新機能「NameDrop」を使えば、iPhone同士を近づけるだけでお互いのマイカード情報を交換できます。口頭で伝えたり、QRコードを読み取ったりするより、ずっと速くてスマートです。
マップアプリが便利になる
マイカードに自宅や勤務先の住所を登録しておけば、マップアプリで「自宅へ帰る」や「職場へ行く」といったルート検索がワンタップで可能になります。
Siriが賢くなる
マイカードに家族や友人との関係性（「母親」「夫」など）を登録しておけば、「お母さんに電話して」といった、より自然な言葉でSiriにお願いすることができるようになります。

このように、マイカードはiPhoneをあなた専用にカスタマイズするための、中心的な役割を担っているのです。

自分の連絡先をマイカードとして新規作成・設定する手順

iPhoneを新しく購入した時や、まだ設定していない場合、まずは自分自身の連絡先を「マイカード」としてiPhoneに認識させてあげましょう。

操作はとても簡単で、2つのステップで完了します。

ステップ1：自分自身の連絡先カードを作成する
まず、連絡先アプリに、あなた自身の情報を登録します。

ホーム画面から「連絡先」アプリ（人の形が描かれたアイコン）を開きます。
画面右上の「＋」ボタンをタップして、新規連絡先の作成画面を開きます。
「姓」と「名」に自分の名前を入力し、「電話番号を追加」「メールを追加」「住所を追加」などの項目に、それぞれの情報を入力していきます。
入力が終わったら、右上の「完了」をタップして保存します。

ステップ2：作成したカードを「マイカード」として設定する
次に、今作成した連絡先カードを、iPhoneの持ち主の情報として設定します。

ホーム画面から「設定」アプリ（歯車のアイコン）を開きます。
メニューを下にスクロールし、「連絡先」という項目をタップしてください。
「自分の情報」という欄があるので、ここをタップします。
連絡先の一覧が表示されるので、先ほどステップ1で作成した、あなた自身の名前を選択します。

これで、iPhoneが「このカードに書かれている人が、このiPhoneの持ち主だ」と認識してくれます。

「設定」→「連絡先」→「自分の情報」の欄に、あなたの名前が表示されていれば、設定は完了です。

登録した名前や電話番号、住所を編集（変更）する方法

引っ越しや転職、スマートフォンの機種変更などで、あなたの住所や電話番号、メールアドレスが変わることはありますよね。

そんな時は、マイカードに登録されている情報を、いつでも簡単に最新の状態に更新することができます。

古い情報のままだと、自動入力で間違った住所を入力してしまったり、連絡先交換で古い電話番号を教えてしまったりする原因になるので、情報が変わったらすぐに編集する癖をつけておくと良いでしょう。

編集の手順は以下の通りです。

「連絡先」アプリを開き、一番上に表示されている、あなた自身の名前（マイカード）をタップします。
画面の右上に表示される「編集」という文字をタップしてください。
これで、登録されている全ての情報を編集できる状態になります。
名前や会社名、電話番号など、変更したい項目をタップして、キーボードで新しい情報を入力し直します。
項目を追加したい場合は、下にスクロールして「電話を追加」や「住所を追加」などをタップします。
逆に、不要になった項目を削除したい場合は、その項目の左側に表示される赤い「ー」（マイナス）ボタンをタップすればOKです。
全ての編集が終わったら、画面右上の「完了」をタップして、変更内容を保存します。

これで、あなたのマイカードは最新の状態にアップデートされました。

iOS 17の新機能「連絡先ポスター」の作り方と設定

iOS 17から登場した「連絡先ポスター」は、あなたが電話をかけた相手のiPhoneの画面全体に、自分だけのオリジナルデザインを表示できる、とても楽しい新機能です。

これはマイカードに紐づく機能で、いわば「動くデジタル名刺」のようなもの。

写真を使ったり、ミー文字を使ったりして、自分らしさを表現してみましょう。

設定と作成の手順は以下の通りです。

「連絡先」アプリを開き、一番上にある自分の名前（マイカード）をタップします。
次の画面で「連絡先の写真とポスター」という項目があるので、これを選択してください。
初めて作成する場合は、画面の指示に従って作成を開始します。すでに作成済みの場合は「編集」をタップし、「新規作成」を選びます。
「写真」「ミー文字」「モノグラム」の3つのスタイルから、ポスターの元になるデザインを選びます。
「写真」を選んだ場合は、自分の好きな写真をアルバムから選びます。指でピンチイン・アウトすれば、拡大・縮小も可能です。
写真を選んだ後、画面を左右にスワイプすると、白黒やデュオトーンといった、おしゃれなフィルタをかけることができます。
画面上部の名前の部分をタップすれば、フォントの種類や太さ、色を自由に変更できます。

プレビューで仕上がりを確認し、右上の「完了」をタップすれば、あなただけの連絡先ポスターの完成です。

iPhone同士を近づけて連絡先を交換する「NameDrop」の使い方

iOS 17以降のiPhoneを使っている人同士なら、「NameDrop（ネームドロップ）」という機能を使って、お互いの連絡先を驚くほど簡単に交換できます。

これは、マイカードと、先ほど紹介した「連絡先ポスター」を活用した新機能です。

もう、電話番号を口頭で伝えたり、QRコードを読み取ったりする必要はありません。

使い方は、信じられないほどシンプルです。

まず、お互いのiPhoneのロックを解除しておきます。
交換したい相手と、お互いのiPhoneの上部（画面上部の黒い部分やカメラのあたり）を、ゆっくりと近づけます。
数センチの距離まで近づくと、画面に水面が広がるような美しいエフェクトが表示され、お互いが設定した「連絡先ポスター」が画面に現れます。
画面の下に「受信のみ」と「共有」という2つのボタンが表示されます。
お互いに連絡先を交換したい場合は、2人とも「共有」ボタンをタップします。もし、相手の情報を受け取るだけで、自分の情報は渡したくない場合は、「受信のみ」をタップすればOKです。

交換が完了すると、相手の情報が自動的にあなたの「連絡先」アプリに保存されます。

初めて会った人とでも、この方法ならスマートで、そして少し楽しい雰囲気で連絡先を交換できますね。

他人に教える情報を選択してプライバシーを守るには

便利なNameDrop機能ですが、「仕事で会った人に、プライベートの携帯番号まで知られてしまうのはちょっと…」と、プライバシー面で不安に感じる方もいるでしょう。

安心してください。NameDropでは、連絡先を交換するその瞬間に、相手に渡す情報を自分で選択することができます。

マイカードに登録されている情報を、全て渡す必要はないのです。

プライバシーを守るための、交換時の大切な一手間を覚えておきましょう。

NameDropで、お互いの連絡先ポスターが表示された画面を確認します。
自分のポスターの下に、「連絡先（マイカード）」という項目があり、その下に共有予定の電話番号やメールアドレスが表示されています。
この「連絡先（マイカード）」と書かれている部分をタップしてください。
「共有する情報」という新しい画面が開き、マイカードに登録されている電話番号やメールアドレスが一覧で表示されます。
それぞれの項目の右側にチェックマークが付いているので、相手に教えたくない情報（例えば、個人の携帯電話番号など）のチェックをタップして外します。
共有したい情報（例えば、会社の電話番号や仕事用のメールアドレスなど）だけにチェックが付いている状態にして、右上の「保存」をタップします。

この操作をしてから「共有」ボタンを押せば、あなたが選んだ情報だけが相手に送信されます。

この方法を使えば、会う相手によって渡す情報を柔軟に使い分けることができ、安心して連絡先交換ができますよ。

iPhoneのマイカードに関する設定変更とトラブル対処法

マイカードが編集できない・変更が反映されない時の原因と解決策

マイカードの情報を更新しようとしても、「編集ボタンが押せない（グレーアウトしている）」「編集しても保存されない」といったトラブルが起きることがあります。

そんな時は、いくつかの設定を見直すことで解決できる場合がほとんどです。

まず、編集ボタン自体が押せない場合、最も可能性が高い原因は「スクリーンタイムによる制限」です。

「設定」→「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」と進み、「連絡先の変更を許可しない」に設定されていないか確認してみてください。「許可」に変更すれば、編集できるようになるはずです。

次に、編集はできるのに、変更内容が保存されなかったり、すぐに元に戻ってしまったりする場合は、「iCloudの同期」に問題があるのかもしれません。

以下の手順を試してみてください。

「設定」→「[あなたの名前]」→「iCloud」と進みます。
「すべてを表示」をタップし、「連絡先」のスイッチを一度オフにします。
確認画面で「iPhoneに残す」を選択します。
数十秒待ってから、再度「連絡先」のスイッチをオンに戻し、「結合」を選択します。

この操作でiCloudとのデータが再同期され、問題が解決することがあります。

また、意外な原因として、連絡先がGoogleアカウントなど、iCloud以外のクラウドサービスと同期されているケースもあります。

「設定」→「連絡先」→「アカウント」を確認し、iCloud以外のアカウントで連絡先がオンになっている場合は、そちらの設定が影響している可能性も考えられます。

マイカードに自分ではなく家族など他人の名前が表示される場合の直し方

「自分のiPhoneなのに、連絡先アプリのマイカードを見たら、なぜかお父さんの名前が表示されている…」といった現象は、実はよくあるトラブルの一つです。

この問題が起こるたった一つの、そして最も根本的な原因は、「家族で同じApple IDを共有して使っている」ことです。

Apple IDは、個人のためのIDです。iCloudは、同じApple IDでサインインしている全てのデバイスを「同じ一人の持ち主のもの」と認識します。

そのため、お父さんのiPhoneで設定されたマイカードの情報が、iCloudを通じてあなたのiPhoneにも同期されてしまい、結果としてあなたのマイカードがお父さんの情報に上書きされてしまうのです。

これを解決するための最も正しく、そして推奨される方法は、「家族一人ひとりが、自分専用のApple IDを新規作成する」ことです。

Apple IDは無料で、誰でも簡単に作成できます。

それぞれが個別のApple IDを使えば、連絡先はもちろん、写真やメモ、リマインダーといったプライベートな情報が混ざってしまうことは一切なくなります。

「でも、購入したアプリや音楽が共有できなくなるのは困る…」という方もいるでしょう。

そのための機能が「ファミリー共有」です。

家族それぞれが個別のApple IDを持った上でファミリー共有グループを作れば、購入したコンテンツやiCloudストレージなどを、これまで通り家族間で共有し続けることができます。

少し手間はかかりますが、今後のプライバシーと利便性を考えると、Apple IDを分けるのが最善の策です。

マイカードの情報を削除したい時の対処法

マイカードに登録した情報を、一度リセットして空っぽの状態にしたい、と考える方もいるかもしれません。

しかし、結論から言うと、「マイカード」という設定そのものをiPhoneからなくしたり、連絡先アプリの一番上から非表示にしたりすることはできません。

マイカードは、iPhoneが持ち主を認識するための基本的な設定なので、必ず誰か一人の連絡先カードが割り当てられている必要があるのです。

ただし、登録されている情報を削除したり、別の空の連絡先カードに差し替えたりすることで、実質的に情報を削除した状態にすることは可能です。

一番簡単な方法は、現在マイカードに設定されているあなた自身の連絡先データを編集し、名前以外の電話番号や住所などの項目を全て削除してしまうことです。

「連絡先」アプリで、一番上のマイカードをタップします。
右上の「編集」をタップします。
電話番号や住所などの項目の左側にある、赤い「ー」（マイナス）ボタンを押して、一つずつ削除していきます。
全ての項目を削除し、名前だけが残った状態で「完了」をタップします。

これで、マイカードから個人情報が削除されます。

もし、名前も含めて完全に別の情報にしたい場合は、新しく空の連絡先カード（名前を「未設定」などにする）を作成し、「設定」→「連絡先」→「自分の情報」から、その空のカードを新しいマイカードとして指定し直す、という方法もあります。

表示される写真や連絡先ポスターを変更するには

マイカードに設定しているプロフィール写真や、電話をかけた時に相手の画面に表示される「連絡先ポスター」は、いつでも気分に合わせて新しいものに変更することができます。

季節ごとに写真を変えたり、お気に入りのミー文字を作ったりして、自分らしさを表現してみましょう。

変更の手順はとても簡単です。

「連絡先」アプリを開き、一番上に表示されている自分の名前（マイカード）をタップします。
次の画面に、現在のプロフィール写真と連絡先ポスターのプレビューが表示されるので、「連絡先の写真とポスター」という部分をタップしてください。
現在の設定が表示されるので、画面下の「編集」ボタンをタップします。
複数のポスターデザインを作成している場合は、左右にスワイプして編集したいものを選択します。新しいものを作りたい場合は、一番右までスワイプして「新規作成」を選びます。
編集したいポスターの上で、左下にある「カスタマイズ」ボタンをタップします。
「ポスター」と「連絡先の写真」のどちらを編集するか聞かれるので、変更したい方を選びます。

「ポスター」を選べば、背景の写真やミー文字、名前のフォントや色などを自由に変更できます。

「連絡先の写真」を選べば、メッセージアプリのアイコンなどに表示される、丸い円の中の写真を変更することが可能です。

納得のいくデザインに仕上がったら、右上の「完了」をタップして変更を保存しましょう。