iPhoneのデータ移行に時間がかかりすぎる主な原因は、データ量の多さとWi-Fi環境にあります。
この記事では、移行前に不要なデータを削除したり、クイックスタートを有線接続で行ったりして、転送を高速化する具体的なコツを紹介します。
また、「残り時間を計算中」や「残り約1分」から進まない、終わらないといったフリーズ状態の対処法も解説。
さらに、途中でキャンセルしたい場合のリスクも説明します。
この記事を読めば、あなたのデータ移行はもっと速く、スムーズになります。
iPhoneのデータ移行に時間がかかりすぎる主な原因と高速化のコツ
- データ移行にかかる時間の目安はどのくらい?
- 原因1:写真や動画など転送データ量が多すぎる
- 原因2:Wi-Fiの通信速度が遅い、または不安定
- 原因3:iPhoneのiOSバージョンが古い
- 【高速化のコツ】移行前に不要なデータを削除しておく
- 【最速の方法】クイックスタートは有線(ケーブル接続)で行う
- 夜中にデータ移行を放置して寝るのは賢い選択?
データ移行にかかる時間の目安はどのくらい?
iPhoneのデータ移行にかかる時間は、「移行するデータ量」と「移行方法」の2つの要素によって、数十分から数時間以上と、大きく変動します。
あくまで目安ですが、一般的な移行方法ごとの所要時間を知っておくと、心の準備ができますよ。
データ量 | クイックスタート(無線) | クイックスタート(有線) | iCloudバックアップから復元 |
---|---|---|---|
64GB | 30分~1時間半 | 20分~1時間 | 1時間~2時間 |
128GB | 1時間~3時間 | 45分~1時間半 | 1時間半~4時間 |
256GB | 2時間~6時間以上 | 1時間半~3時間 | 3時間~8時間以上 |
クイックスタート(無線):
iPhone同士を近づけて直接データを転送する、最も手軽な方法です。
しかし、Wi-Fiの電波状況に大きく左右されるため、環境によっては非常に時間がかかることがあります。
クイックスタート(有線):
専用のアダプタとケーブルを使って、2台のiPhoneを物理的に接続する方法です。
通信が安定しているため、無線よりも高速で確実なデータ移行が期待できます。
iCloudバックアップから復元:
iCloudに保存しておいたバックアップデータから、新しいiPhoneにデータを復元する方法です。
Wi-Fi経由でAppleのサーバーからデータをダウンロードするため、通信速度とサーバーの混雑状況によっては、最も時間がかかる可能性があります。
このように、同じデータ量でも、選ぶ方法によって所要時間は大きく変わります。
原因1:写真や動画など転送データ量が多すぎる
iPhoneのデータ移行に時間がかかりすぎる最も根本的な原因は、シンプルに「転送するデータの量が多い」ことです。
引っ越しに例えるなら、荷物が多ければ多いほど、トラックへの積み込みや移動に時間がかかるのと同じですね。
特に、データ量の大半を占めるのが「写真」と「動画」です。
最近のiPhoneはカメラの性能が向上し、一枚の写真が高画質(高容量)になっています。
4K画質の長時間の動画などは、1本だけで数GBに達することも珍しくありません。
長年使ってきたiPhoneには、こうした思い出の写真や動画が、知らず知らずのうちに何万枚、何十GBと溜まっているものです。
また、意外と見落としがちなのが、「アプリ」とそのデータです。
たくさんのゲームアプリや、LINEのようにトーク履歴が溜まっていくアプリも、データ量を増やす大きな要因になります。
自分のiPhoneがどれくらいのデータを使っているかは、「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」から確認できます。
ここで、ストレージの大半を「写真」や特定のアプリが占めている場合は、それがデータ移行に時間がかかる直接の原因である可能性が非常に高いです。
移行を始める前に、一度このストレージの内訳を確認してみることをお勧めします。
原因2:Wi-Fiの通信速度が遅い、または不安定
クイックスタートやiCloudバックアップからの復元など、無線でデータ移行を行う場合、その速度と安定性は「Wi-Fi環境」に完全に依存します。
もし、お使いのWi-Fiの通信速度が遅かったり、接続が不安定だったりすると、データ移行には通常よりもはるかに長い時間がかかってしまいます。
Wi-Fiが遅くなる原因としては、以下のような点が考えられます。
- Wi-FiルーターからiPhoneが遠い:
ルーターとiPhoneの間に壁があったり、距離が離れていたりすると、電波は弱くなります。 - 古いWi-Fi規格を使っている:
Wi-Fiには「Wi-Fi 6 (ax)」や「Wi-Fi 5 (ac)」といった規格があります。古い規格のルーターを使っていると、通信速度の上限が低くなります。 - 多くのデバイスが同時に接続している:
家族が同時に動画を見ていたり、オンラインゲームをしていたりすると、回線が混雑して速度が低下します。 - 電子レンジなどの電波干渉:
Wi-Fiが使う2.4GHz帯の周波数は、電子レンジやコードレス電話などが出す電波と干渉しやすく、接続が不安定になることがあります。
これらの要因が重なると、データ転送の速度は著しく低下し、「残り時間を計算中」のまま進まない、といった事態を招きます。
データ移行をスムーズに行うためには、できるだけルーターの近くで、他のデバイスの利用が少ない時間帯に、安定したWi-Fi環境を確保することが非常に重要です。
原因3:iPhoneのiOSバージョンが古い
データ移行に時間がかかったり、途中でエラーが発生したりする原因として、意外と見落としがちなのが「iOSのバージョン」です。
データを送る側の古いiPhoneと、データを受け取る側の新しいiPhone、この両方のiOSのバージョンが異なっていると、互換性の問題でデータ転送がスムーズに進まないことがあります。
特に、古いiPhoneのiOSがかなり前のバージョンのままだと、新しいiPhoneの最新OSとの間で、データの形式やセキュリティの仕様が合わず、転送に時間がかかったり、失敗したりするリスクが高まります。
また、新しいiPhoneを箱から出して最初に起動した際に、搭載されているiOSが最新ではない場合もあります。
その場合、データ移行の途中でiOSのアップデートが始まり、その分だけ余計に時間がかかってしまうこともあります。
データ移行を始める前のベストな準備は、古いiPhoneと新しいiPhoneの両方を、Wi-Fiに接続した状態で最新バージョンのiOSにアップデートしておくことです。
手順は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開き、「一般」をタップします。
- 「ソフトウェア・アップデート」を選択し、もし新しいバージョンがあれば、「ダウンロードしてインストール」を実行します。
この一手間をかけておくだけで、OSの互換性が原因のトラブルを未然に防ぎ、よりスムーズで安定したデータ移行が期待できます。
【高速化のコツ】移行前に不要なデータを削除しておく
iPhoneのデータ移行にかかる時間を短縮するための、最も簡単で、そして最も効果的な方法は、「移行するデータ量を、事前に減らしておく」ことです。
引っ越しで言えば、不要な荷物をあらかじめ処分しておくのと同じですね。
転送するデータが少なくなれば、その分だけ移行時間は確実に短くなります。
データ移行を始める前に、古いiPhoneの中身を一度見直して、大掃除をしてみましょう。
特に、ストレージを圧迫している以下のデータを整理するのがおすすめです。
- 不要な写真や動画:
失敗した写真、重複している写真、もう見返すことのない長時間の動画などを、思い切って削除しましょう。「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で、「重複項目」を確認・整理するのも効果的です。 - 使っていないアプリ:
何年も起動していないゲームや、もう使わないアプリは、この機会に削除しましょう。アプリ本体だけでなく、アプリ内に保存されているデータも一緒に消えるため、大幅なデータ削減に繋がります。 - ブラウザのキャッシュ:
Safariなどのブラウザに溜まったキャッシュや閲覧履歴も、意外と容量を食っています。「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」で、一括削除できます。 - ダウンロード済みのコンテンツ:
ミュージックアプリやポッドキャストアプリで、オフライン再生用にダウンロードしたけれど、もう聴かないコンテンツなども削除の対象です。
この事前整理を丁寧に行うだけで、移行時間を数十分、場合によっては1時間以上も短縮できる可能性があります。
【最速の方法】クイックスタートは有線(ケーブル接続)で行う
「とにかく一番速くて確実な方法でデータ移行をしたい!」と考えるなら、クイックスタートを「有線接続」で行うのが断然おすすめです。
通常、クイックスタートはWi-Fiを使った無線で行いますが、専用のアダプタとケーブルを使って2台のiPhoneを物理的に繋ぐことで、より高速で安定したデータ転送が可能になります。
無線(Wi-Fi)は、電波の干渉や距離によって速度が不安定になりがちですが、有線接続なら、外部の影響を受けずに、常に安定した最高速度でデータを転送し続けてくれます。
有線でのクイックスタートに必要なものは、以下の2点です。
- Lightning – USB 3カメラアダプタ:
Apple純正の、Lightning端子をUSB-A端子に変換するアダプタです。電源供給用のLightningポートも付いているタイプを選びます。 - Lightning – USBケーブル:
普段iPhoneの充電に使っている、おなじみのケーブルです。
手順は、クイックスタートの途中で少しだけ変わります。
新しいiPhoneの初期設定を進め、クイックスタートの画面が表示されたら、上記のアダプタとケーブルを使って、古いiPhoneと新しいiPhoneを直接接続します。
すると、iPhoneが有線接続を認識し、Wi-Fi経由ではなく、ケーブルを通じたデータ転送が開始されます。
特に、データ量が100GBを超えるような方や、自宅のWi-Fi環境に自信がない方にとっては、この有線接続が、最もストレスなく、そして最速でデータ移行を完了させるための切り札となります。
夜中にデータ移行を放置して寝るのは賢い選択?
何時間もかかる可能性があるiPhoneのデータ移行。
その間、ずっとiPhoneを操作できずに、画面を眺めて待っているのは、正直なところ時間の無駄ですよね。
そこでおすすめなのが、「就寝時間を利用して、夜中にデータ移行を行う」という方法です。
寝ている間にiPhoneが自動で作業を進めてくれれば、朝起きた時には、新しいiPhoneが使える状態になっている、というわけです。
夜中にデータ移行を成功させるための、大切なポイントが3つあります。
- 両方のiPhoneを充電ケーブルに繋いでおく:
データ移行は、バッテリーを非常に多く消費します。途中でバッテリーが切れて移行が中断してしまわないように、必ず古いiPhoneと新しいiPhoneの両方を、電源に接続したままにしてください。 - 安定したWi-Fi環境を確保する:
夜間は、日中に比べてインターネット回線が空いていることが多いですが、念のため、Wi-Fiルーターの近くにiPhoneを置いておくのが理想です。 - 自動ロックを「なし」に設定しておく(推奨):
必須ではありませんが、途中で画面がスリープしてしまうのを防ぐために、「設定」→「画面表示と明るさ」→「自動ロック」を一時的に「なし」に設定しておくと、より安心です。(移行完了後は、必ず元の設定に戻しましょう)
これらの準備を整えてからデータ移行を開始すれば、あとは安心して眠ることができます。
忙しい方にとって、この「寝ている間に放置」作戦は、最も賢く、そしてストレスのないデータ移行方法と言えるでしょう。
iPhoneのデータ移行が時間がかかりすぎて終わらない時の対処法
- 「残り時間を計算中」から全く進まない時の解決策
- 「残り約1分」のままフリーズした場合の直し方
- クイックスタートが終わらない時はどうすればいい?
- 途中でやめたい・キャンセルしたい場合の方法とその後のリスク
- 終わらないからといって強制再起動しても大丈夫?
- iCloudからの復元が終わらない場合の確認点
- データ移行後にアプリが「待機中」のまま進まない時の直し方
「残り時間を計算中」から全く進まない時の解決策
iPhoneのデータ移行を開始して、画面に「残り時間を計算中…」と表示されたまま、何十分も一向に進まない…。
この状況は、データ移行トラブルの中でも特に不安になりますよね。
この「計算中」で止まってしまう現象の主な原因は、「iPhone間の通信が、うまく確立できていない」ことにあります。
特に、Wi-Fiを使った無線のクイックスタートで発生しやすいです。
そんな時は、以下の解決策を試してみてください。
- iPhone同士を近づける:
基本的なことですが、2台のiPhoneの距離が離れすぎていると、BluetoothやWi-Fiの接続が不安定になります。お互いのiPhoneを、隣同士に並べるように、できるだけ近づけてみてください。 - Wi-Fiルーターを再起動する:
Wi-Fiルーターが、一時的に不調をきたしている可能性があります。ルーターの電源ケーブルを一度抜き、数分待ってから再度差し込む「再起動」を行うと、通信状況が劇的に改善することがあります。 - 他のWi-Fiデバイスの接続を切る:
家族が使っている他のスマートフォンや、パソコン、ゲーム機などが同じWi-Fiに接続していると、回線が混雑してしまいます。可能であれば、データ移行中は他のデバイスのWi-Fi接続を一時的にオフにしてもらいましょう。 - iPhoneをルーターの近くに移動させる:
Wi-Fiの電波は、壁などの障害物で弱まります。iPhoneを、Wi-Fiルーターが見える、できるだけ近い場所に移動させてみてください。
これらの対処法で通信環境を改善することで、止まっていた「計算中」の表示が動き出し、具体的な残り時間が表示されるようになるはずです。
「残り約1分」のままフリーズした場合の直し方
データ移行の進捗バーが、ついにゴール目前の「残り約1分」まで到達!
…したのに、そこから何十分、場合によっては1時間以上も全く動かない。
これは、データ移行を経験した多くの人が遭遇する「あるある」な現象で、非常にやきもきさせられますよね。
まず知っておいてほしいのは、この「残り約1分」は、必ずしも文字通りの1分ではないということです。
この段階では、大きなデータの転送はほとんど終わっており、システムファイルの設定や、アプリの最終的な整理といった、細かくて時間のかかる「仕上げの作業」が行われています。
そのため、見かけ上は進んでいないように見えても、iPhoneの内部では一生懸命作業が続けられているのです。
まずは、慌てずに、少なくとも30分から1時間程度は、そのまま辛抱強く待ってみてください。
多くの場合、忘れた頃にひょっこりと完了画面に切り替わります。
しかし、明らかに1時間以上経っても全く変化がない場合は、何らかの不具合でフリーズしてしまっている可能性も考えられます。
その場合は、一度データ移行をキャンセルし、再度やり直すことを検討する必要があります。
ただし、強制再起動などの手段に出る前に、まずは「待つ」という選択肢が基本であることを、覚えておいてください。
クイックスタートが終わらない時はどうすればいい?
何時間も経つのに、クイックスタートのデータ転送画面が終わる気配が全くない…。
そんな時、このまま待ち続けるべきか、それとも一度中断してやり直すべきか、判断に迷いますよね。
まず、大前提として、データ量が200GBを超えるような場合は、5〜6時間以上かかることも珍しくありません。
特に、夜間に移行を開始した場合は、朝まで気長に待ってみるのが良いでしょう。
しかし、データ量はそれほど多くないはずなのに、明らかに異常なほど時間がかかっている場合は、以下の基準で判断してみてください。
待ち続けるべきケース:
- 進捗バーが、ごくわずかずつでも進んでいるように見える。
- 「残り〇時間」といった表示が、少しずつでも減っている。
- Wi-Fi環境が不安定で、そもそも時間がかかりそうな状況である。
やり直しを検討すべきケース:
- 「残り約1分」などの表示のまま、1〜2時間以上、全く変化がない。
- iPhone本体が、触れないほど異常に熱くなっている。
- エラーメッセージが表示された。
もし、やり直すことを決めた場合は、データ転送中にいきなり電源を切るのではなく、可能であれば、画面に表示されているキャンセルボタンなどから、正規の手順で中断するのが理想です。
やり直す際は、Wi-Fi環境を見直したり、有線接続に切り替えたりと、原因を改善してから再挑戦しましょう。
途中でやめたい・キャンセルしたい場合の方法とその後のリスク
「思ったより時間がかかりすぎるから、一旦やめて、時間のある時にやり直したい」
データ移行を途中で中断(キャンセル)したい場合、いくつかの方法がありますが、その後のiPhoneの状態も理解しておくことが大切です。
最も安全な中断方法は、画面上に「キャンセル」や「停止」といったボタンが表示されている場合に、それをタップすることです。
これにより、システムが可能な限り安全な形で、転送プロセスを終了してくれます。
しかし、フリーズしてしまって操作が効かない場合は、やむを得ず「強制的な中断」を行うことになります。
- 古いiPhone: こちらは元のデータのままなので、特に操作は不要です。
- 新しいiPhone: データ転送中の画面でフリーズしている場合、強制再起動を行うことで、初期設定プロセスを中断させることができます。
では、中断した後、新しいiPhoneはどうなるのでしょうか。
新しいiPhoneは、データが中途半端に転送された状態ではなく、「初期化されたまっさらな状態」に戻ります。
つまり、もう一度電源を入れれば、「こんにちは」の画面から、再び初期設定を最初からやり直すことができるのです。
中断によるリスクとして、ごく稀に、強制的な中断が原因でシステムファイルが破損し、iPhoneが正常に起動しなくなる、という可能性もゼロではありません。
そのため、中断はあくまで最終手段と考え、できる限り時間に余裕を持ってデータ移行を始めるのが理想的です。
終わらないからといって強制再起動しても大丈夫?
データ移行が終わらないからといって、焦って新しいiPhoneを「強制再起動」するのは、基本的にはお勧めできません。
それは、重要なシステムファイルが転送されている最中に強制終了させてしまうことで、データが破損し、最悪の場合、iPhoneが起動しなくなる(リンゴループなど)リスクがあるからです。
車が走っている最中に、いきなりエンジンを引っこ抜くようなものだと考えてください。
もちろん、多くの場合は、システムが自己修復機能で対処し、初期化された状態で再起動します。
しかし、その「万が一」のリスクを避けるためにも、強制再起動は、本当に何をしても画面が動かない、という場合の「最終手段」としてのみ、検討すべきです。
もし、強制再起動を実行するなら、できるだけリスクの低いタイミングを見計らいましょう。
- 「残り時間を計算中」の段階:
まだ本格的なデータ転送が始まっていないため、比較的リスクは低いです。 - 「残り約1分」で長時間フリーズしている場合:
大きなデータの転送は終わっている可能性が高いですが、システム設定の書き込み中である可能性もあります。
最も危険なのは、進捗バーがぐんぐん進んでいる、まさにデータ転送の真っ最中です。
データ移行が終わらない場合、まず試すべきは、強制再起動ではなく、「通信環境の改善」や、もう少し「待ってみる」ことです。
それでもダメな場合にのみ、データ破損のリスクを覚悟の上で、強制再起動を試みる、という順番を忘れないでください。
iCloudからの復元が終わらない場合の確認点
クイックスタートではなく、iCloudバックアップから新しいiPhoneにデータを復元しているのに、一向に終わらない、というケースもあります。
この場合、iPhone同士の通信ではなく、あなたのiPhoneと、AppleのiCloudサーバーとの間の通信に問題が発生している可能性が高いです。
確認すべきポイントは、以下の通りです。
- Wi-Fiの通信速度と安定性:
これが最も大きな要因です。何十GBものデータを、インターネット経由でダウンロードするため、安定した高速なWi-Fi環境は必須です。可能であれば、他のデバイスでの動画視聴などを控え、iPhoneのデータ復元を優先させてあげましょう。 - iCloudサーバーの混雑状況:
新しいiPhoneの発売直後や、大型連休中などは、世界中のユーザーが一斉にiCloudにアクセスするため、Appleのサーバー自体が混雑し、ダウンロード速度が遅くなることがあります。こればっかりは、時間をずらして試すしかありません。Appleの公式サイトにある「システム状況」ページで、iCloud関連のサービスに障害が発生していないかを確認するのも良いでしょう。 - バックアップデータ自体の破損:
非常に稀なケースですが、iCloudに保存されているバックアップデータそのものが、何らかの理由で破損している可能性も考えられます。もし、何度試しても同じところで止まってしまう場合は、古いiPhoneからもう一度新しくバックアップを取り直してから、再度復元を試みると、うまくいくことがあります。
iCloudからの復元は、手軽な反面、様々な外部要因に影響されやすい方法だということを、覚えておきましょう。
データ移行後にアプリが「待機中」のまま進まない時の直し方
やっとの思いでデータ移行が完了し、新しいiPhoneのホーム画面が表示されたのに、アプリのアイコンが灰色で「待機中…」と表示されたまま、一向にダウンロードが進まない…。
これも、データ移行後によくあるトラブルの一つです。
この現象は、アプリ本体のデータではなく、アプリの「ガワ(アイコン)」だけが先に転送され、アプリ本体はこれからApp Storeから再ダウンロードされる、という状態を示しています。
このダウンロードが進まない主な原因と、その解決策は以下の通りです。
- 原因1:Wi-Fiの接続が切れている・不安定:
データ移行が完了した安心感から、Wi-Fiがオフになっていたり、電波の弱い場所に移動してしまったりすると、ダウンロードは進みません。安定したWi-Fiに接続されていることを、まず確認してください。 - 原因2:App Storeとの接続不良:
Apple IDでのサインイン情報に、一時的な不具合が起きている可能性があります。
「設定」→「[あなたの名前]」→「メディアと購入」と進み、一度「サインアウト」してから、再度同じApple IDで「サインイン」し直してみてください。
これで、App Storeとの接続がリフレッシュされます。 - 原因3:待機中のアプリをタップしてみる:
「待機中」と表示されているアプリのアイコンをタップすると、ダウンロードが一時停止の状態から「読み込み中」に切り替わり、ダウンロードが再開されることがあります。
多くの場合、安定したWi-Fi環境下で、しばらく待っていれば順番にダウンロードは進んでいきます。
焦らずに、App Storeへの再サインインなどを試してみてください。
iPhoneのデータ移行に時間がかかりすぎる問題のまとめ
- iPhoneのデータ移行に時間がかかりすぎる最大の原因は、写真や動画などのデータ量が多すぎることです。
- 安定した高速なWi-Fi環境を用意することが、クイックスタートやiCloud復元の時間を短縮する鍵となります。
- 移行前に不要なデータを削除しておくだけで、転送時間は大幅に短縮できます。
- 最も高速で確実な方法は、専用アダプタを使い、クイックスタートを有線(ケーブル接続)で行うことです。
- 「残り時間を計算中」で進まない時は、Wi-Fiルーターの再起動やiPhoneを近づけるのが有効です。
- 「残り約1分」のまま終わらないのはよくある現象なので、まずは慌てずに1時間ほど待ってみましょう。
- データ移行後にアプリが「待機中」のまま進まない時は、App Storeに再サインインすると解決することがあります。