iPhoneでブックを共有するには、家族間なら「ファミリー共有」の設定をオンにするのが最短の解決策です。
自炊したPDFや資料を送りたい場合は、アプリのメニューからLINEやAirDropを選べばすぐに送信できます。
購入した電子書籍は著作権保護のため直接ファイル送信はできませんが、ファミリー共有を使えば最大6人で同じ本を読めます。
共有できない原因の多くは設定ミスや非表示設定にあるため、まずはアカウント状況を確認することが大切です。
この記事では、目的に合わせた正しい共有手順と、困った時の対処法をわかりやすくお伝えします。
iPhoneのブックを共有する3つの手順とPDFの送り方
- ファミリー共有で家族と本棚を連携する手順
- 自炊したPDFファイルをLINEやメールで送る方法
- AirDropを活用して近くの友人に転送するやり方
- 特定の本を友人にプレゼントする贈り方
- アプリ外にデータを書き出すエクスポートの操作
- Android端末へはファイル変換が必要な理由
- ハイライトやメモ書きの内容を他者に伝える手段
ファミリー共有で家族と本棚を連携する手順
iPhoneで家族と本をシェアするなら、設定アプリにあるファミリー共有機能を使うのが一番の近道です。
一度設定してしまえば、以後はお互いが購入した本が自動的にクラウド上で繋がるようになります。
わざわざ一冊ずつ送信する手間がかからないので、とても楽ですよ。
具体的な設定手順は以下の通りです。
設定の手順
- iPhoneの「設定」アプリを開きます。
- 一番上にある自分の名前(Apple ID)をタップします。
- 「ファミリー共有」という項目を選んでください。
- 画面の指示に従って、メンバーを追加(招待)します。
- 共有する機能のリストから「購入したコンテンツ」をオンにします。
これで準備は完了です。
相手が承認してくれれば、ブックアプリのライブラリに家族のアイコンが表示されるようになりますよ。
そこをタップすれば、家族が買った本を自由にダウンロードして読めるようになるんです。
ただし、注意点がひとつだけあります。
隠しておきたい本がある場合は、個別に非表示設定をする必要があります。
全て筒抜けになってしまうので、そこだけは気をつけてくださいね。
自炊したPDFファイルをLINEやメールで送る方法
自分でスキャンして作成したPDFファイル(いわゆる自炊本)や仕事の資料などは、LINEやメールで簡単に送ることができます。
ブックアプリに入っているPDFは、普通の写真や動画と同じような感覚でシェアできるんです。
ストアで買った本とは違い、ファイルそのものを相手に送る形になります。
手順はとてもシンプルなので、一度覚えればすぐに活用できますよ。
PDF送信のステップ
- ブックアプリを開き、「ライブラリ」から送りたいPDFを探します。
- 表紙の下にある「…(3点リーダー)」マークをタップしてください。
- メニューが出てくるので、「PDFを共有」を選びます。
- 送信先のアプリ一覧からLINEやメールを選択します。
- 宛先を決めて送信ボタンを押せば完了です。
LINEの場合は、相手とのトークルームにファイルがそのまま送信されます。
メールの場合は添付ファイルとして扱われます。
もしファイルサイズが大きすぎてメールで送れないときは、ファイル転送サービスなどのリンクを貼る方法も検討してみてください。
手軽さで言えば、やっぱりLINEが一番便利かもしれませんね。
AirDropを活用して近くの友人に転送するやり方
すぐ隣にいるiPhoneユーザーに本やデータを渡すなら、AirDrop(エアドロップ)が間違いなく最速の方法です。
インターネット回線を使わずに直接データを飛ばすので、ギガも減りません。
大きなPDFファイルでも、一瞬で相手のiPhoneに届くので驚くほど快適ですよ。
使い方はLINEで送る時とほとんど同じ流れになります。
AirDropの手順
- 共有したい本やPDFの「…」メニューをタップします。
- 「PDFを共有」または「ブックを共有」を選びます。
- 共有メニューの中に青い「AirDrop」のアイコンがあるので、それをタップしてください。
- 近くにいる人のアイコンが表示されるので、送りたい相手を選びます。
相手の画面に「受け入れますか?」という通知が出るので、承諾してもらえば転送完了です。
もし相手が表示されない場合は、お互いのBluetoothとWi-Fiがオンになっているか確認してみてください。
また、AirDropの受信設定が「連絡先のみ」になっていると、アドレス帳に入っていない人からは送れないことがあります。
その場合は一時的に「すべての人」に設定を変えてもらうとスムーズですよ。
特定の本を友人にプレゼントする贈り方
おすすめの本を読んでほしい時は、自分の本を貸すのではなく、新品の電子書籍をプレゼントとして贈る機能が素敵です。
これは自分が持っているデータをあげるのではなく、相手に代わって購入手続きをしてあげるイメージですね。
メールで素敵なメッセージカードと一緒にダウンロードリンクが届くので、サプライズにもぴったりなんです。
操作はブックストアの画面から行います。
プレゼントの手順
- 「ブック」アプリの下部メニューから「ストア」を開きます。
- 贈りたい本を検索して、詳細ページを表示させます。
- 「プレゼント」のマーク(箱のアイコン)を探してタップします。
- もし見当たらない場合は、「…」メニューの中にあることもあります。
- 相手のメールアドレスと、添えたいメッセージを入力します。
- 送信予定日を選べるので、誕生日に合わせて予約することも可能です。
- 決済を済ませれば手続き完了です。
受け取った相手は、メール内のリンクをタップするだけで、その本を無料でダウンロードできます。
相手がiPhoneやiPadを使っている必要がありますが、本好きな友人への贈り物としてはとてもスマートですよね。
住所を知らなくてもメールアドレスだけで贈れるので、ネット上の友人へのギフトにも活用できます。
アプリ外にデータを書き出すエクスポートの操作
ブックアプリに入れている大切なデータは、念のため「ファイル」アプリやパソコンに書き出して保存しておくと安心です。
いわゆるバックアップやエクスポートと呼ばれる作業ですね。
これをやっておけば、もしブックアプリの調子が悪くなってもデータが消える心配がありません。
また、他の電子書籍リーダーアプリで読みたくなった時にも、この操作が必要になります。
エクスポートの流れ
- 書き出したい本やPDFのメニュー(…)を開きます。
- 「PDFを共有」を選択します。
- 出てきたメニューを下にスクロールして、「”ファイル”に保存」を選んでください。
- iPhone内やiCloud Driveなど、保存したい場所を指定します。
- 右上の「保存」をタップして完了です。
これで、ブックアプリの外にファイルとして取り出すことができました。
一度「ファイル」アプリに保存してしまえば、そこからDropboxやGoogleドライブにアップロードするのも簡単です。
仕事で使う資料などは、こまめにエクスポートして整理しておくと、パソコンでの作業もしやすくなりますよ。
Android端末へはファイル変換が必要な理由
家族や友人がAndroidスマホを使っている場合、iPhoneのブックをそのまま共有するのは少しハードルが高くなります。
iPhoneの「ブック」アプリで購入した本は、Apple製品でしか読めない仕組みになっていることが多いからです。
これはDRM(デジタル著作権管理)というコピーガードがかかっているためです。
そのため、単純にファイルを送っても、Android側では開けないというケースがほとんどなんです。
ファイルタイプ別の対応
| 本の種類 | Androidへの共有 |
|---|---|
| 購入した電子書籍 | 基本的に不可(DRMがあるため) |
| 自作のPDF資料 | 可能(そのまま送れる) |
| DRMなしのEPUB | 可能(対応アプリが必要) |
もし共有したいのが自分で作ったPDFや仕事の書類なら、全く問題ありません。
LINEやメールで送れば、Androidでも普通に開くことができます。
一方で、ストアで買った漫画や小説をAndroidの友人に貸す、というのはシステム上できないようになっています。
どうしても共有したい場合は、お互いが利用できるKindleなどの別アプリで購入して、アカウント共有機能を使うなどの工夫が必要になりますね。
OSが違うと連携が難しい部分は、今のところ仕方がない点かもしれません。
ハイライトやメモ書きの内容を他者に伝える手段
読書中に気になった部分に引いたマーカー(ハイライト)や、書き込んだメモだけを抜き出してシェアしたいこともありますよね。
本そのものを送るのではなく、「ここの文章が良かったよ」と伝えたい時に便利な機能です。
読書会での発表や、勉強仲間との情報共有ですごく役に立ちますよ。
手書きで書き写す必要はなく、テキストデータとして一括で書き出せるんです。
メモの共有手順
- 本を開いた状態で、メニューボタン(目次のようなアイコン)をタップします。
- 上部のタブから「メモ」を選択してください。
- これまでに引いたハイライトの一覧が表示されます。
- 右上にある共有アイコン(四角から矢印が出ているマーク)をタップします。
- 「メモを編集」で送りたい箇所を選んでから、メールやAirDropで送信します。
受け取った側には、引用された文章と、あなたが書き込んだコメントがテキストとして届きます。
著作権への配慮から、引用できる文字数には制限がある場合もありますが、要点を伝えるには十分です。
自分の学びを整理してアウトプットする時にも、ぜひ使ってみてくださいね。
iPhoneのブックが共有できない原因とファミリー共有の設定
- 購入済みの本が相手の端末に表示されない原因
- 自分の複数デバイス間でライブラリを同期する設定
- 送信ボタンが反応しないトラブルの解決策
- プライバシーを守るために購入履歴を非表示にする方法
- メンバー登録の条件と最大人数の制限
- 著作権を守って安全に利用するためのルール
購入済みの本が相手の端末に表示されない原因
家族と共有設定をしたはずなのに、相手のスマホに本が出てこないときは、いくつかの設定を見直す必要があります。
ほとんどの場合、共有のスイッチがオフになっているか、隠し設定になっていることが原因です。
壊れているわけではないので、焦らず一つずつチェックしていけば必ず直りますよ。
まずは以下のチェックリストを確認してみてください。
チェックすべき3つのポイント
- 「購入したコンテンツ」の共有設定
設定アプリの「ファミリー共有」の中で、「購入したコンテンツ」という項目がオンになっているか見てみましょう。ここがオフだと、そもそも本棚が繋がりません。 - アカウントの国設定
意外な落とし穴ですが、家族のApple IDが日本以外の国に設定されていると共有できません。全員が日本のIDである必要があります。 - 本が非表示になっていないか
あなたが意図せずその本を「非表示」にしていると、家族側からも見えなくなってしまいます。
もし設定が合っているのに表示されない場合は、一度サインアウトしてみるのも手です。
ブックアプリやApp Storeから一度ログアウトして、もう一度入り直すとデータが更新されて表示されることが多いですよ。
少し面倒ですが、システムの情報を最新にするには一番確実な方法です。
自分の複数デバイス間でライブラリを同期する設定
iPhoneで読んでいた小説の続きを、家では大きな画面のiPadで読みたいことってありますよね。
そんな時は、iCloudを使って自分の端末同士を同期させる設定をしておきましょう。
これをやっておけば、しおりの位置やマーカーまで自動で揃うので、どの端末から開いてもスムーズに読書を再開できます。
設定はとても簡単で、iCloudのスイッチを入れるだけです。
同期の設定手順
- iPhoneの「設定」を開き、一番上の自分の名前をタップします。
- 「iCloud」を選び、「iCloud Drive」がオンになっているか確認します。
- その下のアプリ一覧にある「ブック」もオンにしてください。
- 次に設定のトップに戻り、下の方にある「ブック」アプリの設定を開きます。
- 「今すぐ読む」と「iCloud Drive」の両方をオンにします。
これで設定は完了です。
もし同期がうまくいかない時は、Wi-Fiに繋がっているか確認してみてください。
また、iCloudの容量がいっぱいになっているとデータが保存されず、同期が止まってしまうことがあります。
写真やバックアップで容量が埋まっていないか、時々チェックしておくと安心ですね。
送信ボタンが反応しないトラブルの解決策
いざ本やPDFを送ろうとしたのに、共有ボタンがグレーになっていたり、押しても何も起きなかったりすると困りますよね。
これはアプリの一時的な不具合か、またはiPhoneの制限機能が邪魔をしている可能性があります。
単純なエラーであれば再起動で直りますが、設定の問題だと少し操作が必要です。
よくある原因と対策を表にまとめてみました。
原因と対処法リスト
| 症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| ボタンが薄くて押せない | 共有禁止のファイル | そのファイルは著作権保護のため送れません |
| 押しても反応がない | アプリのバグ | ブックアプリを一度終了して再起動してください |
| AirDropが出てこない | 機能制限 | スクリーンタイム設定で制限されていないか確認を |
| 送ったのに届かない | 通信エラー | Wi-Fiをオフにしてもう一度オンにしてみる |
特に見落としがちなのが「スクリーンタイム」の設定です。
設定アプリの「スクリーンタイム」>「コンテンツとプライバシーの制限」の中で、AirDropや共有機能が許可されていないと、ボタン自体が消えてしまうことがあります。
どうしても直らない時は、iOS自体が古くなっている可能性もあるので、ソフトウェアアップデートを確認してみてくださいね。
プライバシーを守るために購入履歴を非表示にする方法
家族と共有は便利ですが、「自分がどんな本を読んでいるか全て知られるのは恥ずかしい」と感じることもありますよね。
趣味の漫画や、こっそり勉強している本など、見られたくないものは個別に隠すことができます。
「非表示」という設定を使えば、共有機能をオンにしたままで、特定の本だけを相手の本棚から消せるんです。
これならプライバシーを守りつつ、便利な機能だけを使えますよ。
非表示にする手順
- 「ブック」アプリを開き、右上の自分のアイコンをタップします。
- 「購入済み」の項目を選びます。
- 「自分の購入」リストの中から、隠したい本を探します。
- その本の上で、指を左に向かってスワイプ(スライド)させます。
- 赤い「非表示」ボタンが出てくるので、それをタップします。
これで、家族の端末にはその本が表示されなくなります。
もちろん、自分のライブラリには残っているので、自分だけは今まで通り読むことができます。
もし後でまた見せてもいいかなと思ったら、アカウント設定の「非表示の購入済みアイテム」から元に戻すことも可能です。
適度に隠しながら、ストレスなく共有機能を使いましょう。
メンバー登録の条件と最大人数の制限
ファミリー共有はとてもお得な仕組みですが、無制限に誰とでも共有できるわけではありません。
Appleが決めたルールがあり、登録できる人数や条件が決まっています。
あとで「知らなかった!」とならないように、基本的な制限を確認しておきましょう。
まず、グループに入れるのは管理者を含めて最大6人までです。
つまり、自分以外にあと5人の家族を招待できるということですね。
登録に必要な条件
- Apple IDを持っていること
お子さんの場合は、親が子供用のIDを作成してあげる必要があります。 - 同じ国に住んでいること
海外に単身赴任している家族など、IDの国設定が違うと登録できません。 - 管理者の支払い方法
グループの代表者(管理者)は、クレジットカードやキャリア決済などの有効な支払い方法を設定している必要があります。
また、ファミリー共有のグループを頻繁に変えることはできません。
一度別のファミリーに入ると、その後1年間は新しいグループに参加できなくなるなどの制限があります。
「友達とちょっとだけ共有しよう」と思って安易に登録・解除をすると、しばらく使えなくなってしまうので注意してくださいね。
あくまで「家族」で長く使うための機能だと覚えておきましょう。
著作権を守って安全に利用するためのルール
最後に、本を共有するうえで絶対に知っておいてほしい「著作権」についてお話しします。
デジタルデータは簡単にコピーできてしまいますが、本には作者さんの権利があります。
ルールを守らないと、知らず知らずのうちに法律違反になってしまうこともあるので注意が必要です。
基本的には「私的利用(自分や家族の範囲)」であれば問題ありません。
やってはいけないNG行為
- SNSで配布する
Twitterやインスタなどで、不特定多数の人にダウンロードURLを教えるのは完全にアウトです。 - 掲示板にアップロードする
誰でも見られるネット上の場所にファイルを置くことも禁止されています。 - 有料の本を友人にコピーしてあげる
たとえ仲の良い友達でも、お金を払って買ったデータを丸ごとあげるのは、デジタルの万引きと同じになってしまいます。
友人に読ませたい時は、今回紹介した「プレゼント機能」を使って正規に贈るか、端末ごと貸してあげるのが安全です。
便利な機能だからこそ、作家さんや出版社さんを応援する気持ちを忘れずに、正しく楽しみたいですね。
ルールを守って使えば、iPhoneの読書ライフはもっと快適で楽しいものになりますよ。
iPhoneのブック共有まとめ
- 家族間ならファミリー共有機能を使うと購入済みの本を無料でシェアできます。
- PDFファイルや自作の資料は、LINEやAirDropを使って簡単に送信可能です。
- 購入した電子書籍は著作権保護があるため、ファイル自体の転送はできません。
- 友人におすすめしたい時は、本そのものを贈れるプレゼント機能が役立ちます。
- 共有できない原因の多くは、非表示設定やiCloudの同期ミスによるものです。
- 見られたくない本は購入履歴から非表示にすることでプライバシーを守れます。
- Android端末とは互換性がないため、基本的にPDF以外の共有はできません。