ファイル転送サービス「ファイルなう」は現在サービスを終了しており、利用することはできません。
過去に指摘されていた危険性として、ウイルス感染のリスクや、誰でもファイルにアクセスできる仕組みによる情報漏洩の問題がありました。
この記事では、ファイルなうが閉鎖された理由を考察し、その危険性を具体的に解説します。
また、代わりのサービスとして多くの人が利用しているギガファイル便の安全性や、他の代替サービスも紹介します。
安全なファイル共有の方法を知り、安心してデータをやり取りしましょう。
ファイルなうの危険性として過去に指摘されていた問題点
- ファイルなうは現在サービスを終了(閉鎖)している?
- ダウンロードファイルにウイルスが混入するリスク
- 違法にアップロードされたファイルの温床となる可能性
- URLを知っていれば誰でもダウンロードできる仕組みの問題点
- 運営会社の情報が少なくセキュリティ面に残る不安
- 個人情報や機密情報が漏洩する使い方とは
- サービスが閉鎖された明確な理由の考察
ファイルなうは現在サービスを終了(閉鎖)している?
はい、結論からお伝えすると、ファイル共有サービス「ファイルなう」は現在サービスを終了しており、利用することはできません。
公式サイトにアクセスしようとしても、「404 Not Found」などのエラーページが表示されるだけで、ファイルをアップロードすることもダウンロードすることも不可能な状態です。
いつ頃からサービスが停止したのか、明確なアナウンスはありませんでした。
しかし、2022年頃から「使えなくなった」「サイトが消えた」といった声がSNSなどで見られるようになり、現在に至るまで復旧はしていません。
サービス終了の告知がなかったため、多くの利用者が「危険性があって閉鎖されたのでは?」と不安に感じ、情報を探している状況のようです。
そのため、これからファイルなうの危険性について解説しますが、それはあくまで「過去に運営されていたサービスに、どのようなリスクがあったか」という視点での話になります。
現在利用できるサービスではありませんので、その点をまずご理解ください。
代替サービスを探している方は、この記事の後半で安全な選択肢を紹介していますので、そちらを参考にしてくださいね。
ダウンロードファイルにウイルスが混入するリスク
ファイルなうのような誰でも匿名でファイルをアップロードできるサービスには、ダウンロードしたファイルにウイルスが混入している危険性が常にありました。
アップロードされたファイルが、サービス側でウイルスチェックされていたかどうかは定かではありません。
そのため、ファイルをダウンロードする側の自己責任で、セキュリティ対策を行う必要がありました。
もし、悪意のある第三者がウイルスを仕込んだファイルをアップロードし、あなたがそれを知らずにダウンロード・実行してしまった場合、次のような被害に遭う可能性が考えられます。
- ランサムウェアに感染する
パソコン内のファイルが全て暗号化され、元に戻すために身代金を要求されます。 - 個人情報を盗まれる
パソコンに保存されているID、パスワード、クレジットカード情報などが盗み出されてしまいます。 - パソコンを乗っ取られる
あなたのパソコンが、迷惑メールの送信元にされたり、他のサーバーへの攻撃の踏み台にされたりします。
ファイルなうに限らず、提供元がはっきりしないファイルをインターネット上からダウンロードする行為には、常にこうしたリスクが伴います。
安易な気持ちでのダウンロードは非常に危険な行為だったと言えるでしょう。
違法にアップロードされたファイルの温床となる可能性
ファイルなうは、その手軽さと匿名性の高さから、著作権を無視して違法にアップロードされたコンテンツのやり取り(温床)に使われてしまう危険性をはらんでいました。
会員登録が不要で、誰でも大容量のファイルを共有できるため、以下のようなファイルが違法に交換されていた可能性があります。
- 市販の漫画や雑誌をスキャンしたデータ
- 映画館で盗撮された映像や、テレビ番組を録画した動画
- 市販の音楽CDからコピーしたMP3ファイル
- 有料のパソコンソフトやゲーム
もちろん、サービス運営側が違法行為を推奨していたわけではありません。
しかし、結果的にそうした行為に利用されやすい環境であったことは事実です。
そして、重要なのはアップロードする側だけでなく、ダウンロードする側にもリスクがあるという点です。
著作権を侵害していると知りながら、そうしたコンテンツをダウンロードする行為は、私的使用が目的であっても法律で禁止されています。
軽い気持ちでダウンロードしたファイルが原因で、法的なトラブルに巻き込まれてしまう危険性も、ファイルなうのようなサービスには潜んでいたのです。
URLを知っていれば誰でもダウンロードできる仕組みの問題点
ファイルなうの最も大きな危険性の一つは、アップロード後に生成されるURLさえ知っていれば、誰でもファイルにアクセスできてしまうという仕組みそのものでした。
このシンプルな仕組みは手軽さというメリットがある反面、セキュリティ面では非常に脆弱だったと言えます。
例えば、以下のようなケースで情報漏洩が発生する可能性があります。
- URLの誤送信
送る相手を間違えて、関係のない第三者にURLを送ってしまった場合、その第三者はファイルを自由にダウンロードできてしまいます。 - SNSなどでのURL流出
チャットやSNSの非公開グループでURLを共有したつもりが、設定ミスなどで誰でも見られる場所に公開してしまった場合、ファイルの中身が世界中に晒されることになります。 - URLの推測
もしURLの文字列が単純なものであった場合、悪意のある人がURLを推測して、他人のファイルに不正にアクセスしようとする可能性もゼロではありませんでした。
ファイルなうにはパスワードを設定する機能もありましたが、利用者がその機能を使わなければ、URLだけが唯一の鍵となります。
この「URLが鍵」という仕組みは、たった一つの鍵をなくしたり、コピーされたりすると、簡単に扉が開いてしまうようなものだったのです。
運営会社の情報が少なくセキュリティ面に残る不安
ファイルなうが危険だと言われた理由の一つに、サービスの運営元に関する情報が極端に少なかったという点があります。
信頼できるファイル転送サービスは、通常、公式サイトに以下の情報を明記しています。
- 運営会社の正式名称、所在地、連絡先
- プライバシーポリシー(個人情報の取り扱い方針)
- セキュリティ対策に関する具体的な説明(通信の暗号化など)
しかし、ファイルなうのサイトには、こうした情報がほとんど掲載されていませんでした。
運営者が誰なのか、どこの国の企業なのかがはっきりしないため、利用者としては以下のような不安を抱えることになります。
- アップロードしたデータは、どんなサーバーで、どのように管理されているのか?
- データが運営者によって不正に閲覧されたり、第三者に提供されたりする心配はないのか?
- 万が一、情報漏洩などのトラブルが起きた時に、誰が責任を取ってくれるのか?
特に、仕事で使うような機密情報や、大切な個人データを取り扱う上で、運営元の信頼性は非常に重要です。
その点で、ファイルなうは安心して大切なデータを預けられるサービスとは言いがたい状況だったのです。
個人情報や機密情報が漏洩する使い方とは
ファイルなうの危険性は、サービス自体の仕組みだけでなく、利用者の使い方によってさらに高まっていました。
特に、個人情報や会社の機密情報を含むファイルを、セキュリティ意識の低いままアップロードしてしまう行為が、最も危険な使い方でした。
具体的には、以下のようなファイルを扱う際に、情報漏洩のリスクが非常に高まります。
- 名前、住所、電話番号などが記載されたファイル
例:履歴書、契約書、名簿など - 顔がはっきり写っている写真や動画
例:家族写真、イベントの写真など - 身分証明書のコピー
例:運転免許証、パスポート、保険証のスキャンデータ - 会社の内部資料
例:顧客リスト、未公開の企画書、財務データなど
これらの重要なファイルを、パスワードを設定せずにアップロードし、そのダウンロードURLをメールやLINEで送るという行為は、情報漏洩に直結します。
もしメールアカウントが乗っ取られたり、URLを送った相手のパソコンがウイルスに感染していたりしたら、そこからファイルの中身が第三者の手に渡ってしまうからです。
手軽さゆえに、こうした危険な使い方をしてしまう人がいた可能性は否定できません。
サービスが閉鎖された明確な理由の考察
ファイルなうがなぜ閉鎖されてしまったのか、その明確な理由は公式に発表されていません。
しかし、同様の無料ファイル共有サービスが抱える課題や、ファイルなうが持っていた危険性から、いくつかの理由が推測できます。
考えられる主な理由は以下の通りです。
- 運営コストの問題
大量のファイルを保存・転送するためのサーバー維持費や回線費用は膨大です。広告収入だけでは、そのコストをまかないきれなくなった可能性があります。 - 違法アップロードへの対応困難
著作権侵害のファイルが大量にアップロードされ、その削除対応や、当局からの調査依頼などに追われ、サービスの継続が困難になったのかもしれません。 - 法的リスクの増大
違法コンテンツの温床となっていると判断された場合、運営者が法的な責任を問われるリスクがあります。そのリスクを回避するために、サービスを閉鎖したという見方もできます。 - セキュリティ問題の発生
外部からのサイバー攻撃を受けたり、重大な情報漏洩事故が発生したりしたことで、サービスの継続が不可能になったという可能性も考えられます。
おそらく、これらの要因が一つではなく、複合的に絡み合ってサービス終了という決断に至ったのではないでしょうか。
ファイルなうの危険性を踏まえて知っておきたい安全な代替策
- 代わりのサービス筆頭「ギガファイル便」の安全性
- ファイルなうの代わりとして使える無料ファイル転送サービス一覧
- 安全なファイル転送サービスを見極める3つのチェック項目
- ファイルをダウンロードする際の基本的なウイルス対策
- ファイル共有で絶対にやってはいけないことのまとめ
代わりのサービス筆頭「ギガファイル便」の安全性
ファイルなうが使えなくなった今、代わりのサービスとして最も多くの人が利用しているのが「ギガファイル便」です。
ギガファイル便は、ファイルなうと同様に会員登録不要で大容量のファイルを無料で転送でき、多くの点でファイルなうよりも安全性が高いと考えられています。
ギガファイル便が比較的安全だと言える理由は以下の通りです。
- 運営会社が明確である
日本の株式会社ギガファイルが運営しており、会社の所在地や連絡先も公式サイトに明記されています。何かトラブルがあった際の責任の所在がはっきりしています。 - SSL暗号化通信に対応している
ファイルのアップロード・ダウンロード時の通信が暗号化されているため、第三者に通信内容を盗み見されるリスクが低いです。 - パスワード設定が標準で推奨されている
ファイルをアップロードすると、ダウンロード用のパスワード(4桁の英数字)が自動で設定されます。URLとパスワードの両方がなければファイルを開けないため、URLだけの時よりも安全です。 - ウイルスチェック機能がある
アップロードされたファイルは、サーバー上でウイルスチェックが行われます。これにより、ウイルス感染のリスクをある程度低減できます。
もちろん、ギガファイル便も100%安全というわけではありません。
使い方を誤れば情報漏洩のリスクはあります。
しかし、運営元がはっきりしていて、基本的なセキュリティ対策が施されている点で、ファイルなうの代替としてまず検討すべきサービスと言えるでしょう。
ファイルなうの代わりとして使える無料ファイル転送サービス一覧
ファイルなうの代わりを探しているなら、ギガファイル便以外にも、信頼できる無料のファイル転送サービスはいくつか存在します。
それぞれに特徴があるので、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。
ここでは、安心して使える代表的なサービスをいくつか紹介します。
| サービス名 | 最大容量 | 保存期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ギガファイル便 | 300GB/1ファイル | 最大100日 | 登録不要で大容量。パスワード設定が標準。国産サービス。 |
| firestorage | 2GB/1ファイル | 最大7日 | 登録不要で使いやすい。セキュリティを強化した有料プランもあり。国産サービス。 |
| データ便 | 500MB(無料会員) | 最大3日 | 会員登録制(無料)。ビジネス利用にも対応。セキュリティオプションが豊富。国産サービス。 |
| WeTransfer | 2GB(無料版) | 7日 | デザインがおしゃれで操作がシンプル。海外サービスだが世界中で利用されている。 |
これらのサービスを選ぶ際のポイントは、「国産サービスであること」や「ビジネス用途での利用実績があること」です。
国産サービスは日本の法律に基づいて運営されており、サポートも日本語で受けられるため安心感があります。
また、多くの企業が利用しているサービスは、それだけセキュリティ面での信頼性が高いと判断できます。
自分の送りたいファイルの容量や、求めるセキュリティレベルに合わせて、最適なサービスを選んでみてください。
安全なファイル転送サービスを見極める3つのチェック項目
どのファイル転送サービスを使えばいいか迷った時に、そのサービスが安全かどうかを自分自身で見極めるためのチェック項目が3つあります。
この基準を知っておけば、今後新しいサービスが出てきた時にも応用できます。
- 運営会社の情報が明記されているか
これが最も重要なポイントです。公式サイトの「会社概要」や「プライバシーポリシー」のページを確認し、運営会社の正式名称、住所、連絡先がきちんと書かれているかを見ましょう。ここが曖昧なサービスは、絶対に利用してはいけません。 - 通信が暗号化(SSL/TLS化)されているか
サイトのURLが「http://」ではなく、「https://」で始まっているかを確認してください。ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されていれば、通信が暗号化されている証拠です。これにより、ファイルの送受信中にデータを盗み見られるのを防ぎます。 - セキュリティ機能が充実しているか
安全性を高めるための機能が提供されているかも重要です。- ダウンロードパスワードの設定機能
- ダウンロード回数の制限機能
- ウイルスチェック機能
- ファイルの自動削除機能
これらの機能が充実しているほど、万が一のヒューマンエラー(URLの誤送信など)が起きても、被害を最小限に食い止めることができます。
この3つの項目をクリアしているサービスなら、比較的安心して利用できると考えて良いでしょう。
ファイルをダウンロードする際の基本的なウイルス対策
安全なファイル転送サービスを選んだとしても、ファイルをダウンロードする側のセキュリティ対策を怠ってはいけません。
自分のパソコンをウイルスから守るためには、日頃からの基本的な対策が不可欠です。
最低限、以下の3つの対策は必ず実行するようにしましょう。
- セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)を必ず導入する
パソコンにセキュリティソフトをインストールし、常に最新の状態に保っておくことが最も重要です。多くのセキュリティソフトには、ダウンロードしたファイルを自動でスキャンして、ウイルスがいないかチェックしてくれる機能がついています。 - OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ
WindowsやmacOS、あるいはブラウザ(ChromeやSafariなど)のアップデート通知が来たら、面倒くさがらずにすぐ適用しましょう。これらのアップデートには、セキュリティ上の弱点を修正する重要なプログラムが含まれています。 - 心当たりのないファイルは絶対に開かない
たとえ友人から送られてきたファイルであっても、ファイル名が不自然だったり、事前に何の連絡もなく送られてきたりした場合は、すぐに開かないようにしてください。友人のアカウントが乗っ取られて、ウイルス付きのファイルが送られてきている可能性も考えられます。一度、本人に「このファイルは何?」と確認する慎重さが必要です。
これらの対策は、ファイル転送サービスを利用する時だけでなく、インターネットを利用する上での基本中の基本です。
ファイル共有で絶対にやってはいけないことのまとめ
ファイル転送サービスは非常に便利ですが、その手軽さゆえに、ついやってしまいがちな危険な行為があります。
情報漏洩などのトラブルを避けるために、「これだけは絶対にやってはいけない」という注意点を改めてまとめます。
- 個人情報や機密情報を安易にアップロードしない
自分の住所や電話番号、クレジットカード情報、会社の内部資料など、漏洩したら困るデータは、無料のファイル転送サービスでやり取りするべきではありません。 - パスワードを設定せずにファイルを共有しない
ほとんどのサービスにはパスワード設定機能があります。一手間を惜しまず、必ず推測されにくい複雑なパスワードを設定しましょう。そして、URLとパスワードは別々の手段(例:URLはメール、パスワードはチャット)で送るのが理想です。 - ダウンロードURLをSNSなどの公開の場に貼らない
URLが第三者に見られてしまうと、誰でもファイルをダウンロードできてしまいます。共有範囲の設定には細心の注意を払いましょう。 - 著作権を侵害したファイルをやり取りしない
市販の映画や音楽、漫画などを違法にアップロード・ダウンロードする行為は、法律で罰せられる犯罪です。絶対にやめましょう。 - 提供元不明の怪しいサービスを利用しない
運営会社がどこか分からないようなサービスは、データを盗む目的で作られている可能性もあります。
これらのルールを守ることが、自分自身と、ファイルを送る相手を守ることにつながります。
ファイルなうの危険性まとめ
- ファイル共有サービス「ファイルなう」は現在閉鎖されており、利用できません。
- 危険性として、ダウンロードファイルにウイルスが混入しているリスクが常にありました。
- 違法にアップロードされた漫画や映画などのファイルの温床となり、ダウンロード側にも法的なリスクがありました。
- URLさえ知っていれば誰でもアクセスできる仕組みは、情報漏洩の危険性が高いものでした。
- 運営会社が不明であったため、セキュリティやデータ管理の面で大きな不安がありました。
- 代わりのサービスとしては、運営元が明確で安全性の高い「ギガファイル便」がおすすめです。
- 安全なサービスを利用する場合でも、パスワード設定やウイルス対策ソフトの導入は必須です。