バッテリーセーバーのデメリットとは？通知が来ない？寿命への影響は？iPhone/Android別に機能制限を紹介

2025-09-10

バッテリーセーバーのデメリットは、バッテリー消費を抑える代わりに、スマホの動作が遅くなったり、LINEなどの通知が遅れたりする機能制限が発生することです。

これは故障ではなく、省電力のための正常な動作なので安心してください。

この記事では、バッテリーセーバーの具体的なデメリットや、バッテリー寿命への影響、オンとオフの最適な使い方を解説します。

iPhoneの低電力モードやAndroidの省電力モードで制限される機能も紹介します。

ぜひ参考にして、バッテリーセーバーを賢く使いこなしましょう。

バッテリーセーバーのデメリットとは？知っておくべき機能制限と注意点

バッテリーセーバーの主な欠点とは？

バッテリーセーバーの主な欠点は、バッテリーを長持ちさせる代わりに、スマホやパソコンが持つ便利な機能の一部が制限されてしまうことです。

これは故障ではなく、消費電力を抑えるために意図的に性能をセーブしている状態なんです。

具体的には、以下のようなデメリット（機能制限）が起こります。

スマホ全体の動作が遅くなる
LINEやメールなどの通知が遅れて届く
画面が自動的に暗くなる
アプリが裏側で自動更新されなくなる
位置情報サービス（GPS）の精度が落ちることがある

バッテリーセーバーは、いわば「省エネモード」。

人間で例えるなら、フルマラソンを走り切るために、序盤はペースを落として体力を温存しているようなイメージです。

そのため、普段通りの快適な操作は少し難しくなります。

「いざという時にバッテリー切れになるよりはマシ」という緊急時のための機能なので、これらの欠点は仕方ない部分とも言えます。

デメリットを正しく理解して、必要な時だけオンにするのが賢い使い方ですよ。

処理速度が遅くなる？パフォーマンスへの影響

はい、バッテリーセーバーをオンにすると、デバイスの処理速度、つまりパフォーマンスは意図的に抑えられ、動作が普段より遅く感じることがあります。

これは、スマホやパソコンの頭脳にあたる「CPU」の性能を制限して、電力消費を少なくしているためです。

CPUがたくさん働くと、それだけ電気もたくさん使ってしまいますからね。

パフォーマンスが低下すると、具体的には次のような体感が現れます。

アプリをタップしてから起動するまで時間がかかる
画面をスワイプした時の動きがカクカクする
Webサイトの画像や動画の読み込みが遅くなる
文字入力の反応が少し鈍くなる

特に、高い性能を必要とする3Dゲームをしたり、動画を編集したりするような作業には全く向いていません。

いつもサクサク動いていたスマホが急に重くなったように感じるかもしれませんが、これはバッテリーを節約するための正常な動作なので、故障の心配はいりません。

ただ、快適な操作とは言えないので、急いで何かを調べたい時や、サクサク作業したい時には、一時的にバッテリーセーバーをオフにすることをおすすめします。

LINEなどの通知が来ない・遅れる理由

バッテリーセーバーを使っているとLINEやメールの通知が遅れるのは、スマホがバックグラウンドでのデータ通信を制限するためです。

「バックグラウンド通信」というのは、私たちがアプリを直接操作していない間も、アプリが裏側でインターネットに接続して、新しい情報がないかチェックしている働きのことを指します。

バッテリーセーバーはこの裏側の働きを「今は節約が優先だから、少し休んでいてね」と、お休みさせてしまうのです。

そのため、以下のようなことが起こります。

LINEでメッセージが届いても、すぐに通知音が鳴らない
メールを受信しても、リアルタイムで通知が来ない
アプリを開いた瞬間に、溜まっていた通知が一気に届く

つまり、アプリが新しい情報をチェックしに行く頻度が極端に少なくなるため、通知にタイムラグが生まれてしまうというわけです。

これはバッテリーを長持ちさせるためには仕方ない仕組みですが、大事な連絡を待っている時や、すぐに返信が必要な場面では困ってしまいますよね。

リアルタイムでのやり取りが必要な時は、一時的にバッテリーセーバーをオフにするなど、状況に応じた使い分けが大切になります。

画面の明るさが自動で暗くなる仕組み

バッテリーセーバーをオンにすると画面がいつもより暗くなるのは、スマートフォンの部品の中で、ディスプレイが最も多くの電力を消費するパーツの一つだからです。

画面を明るく光らせるためには、たくさんの電気が必要になります。

そのため、バッテリーセーバーは、このディスプレイの消費電力を抑えることを最優先事項の一つとしています。

具体的には、以下のような方法で節電を図っています。

画面の最大輝度を通常より低く抑える
操作していない時に画面が自動で消える（スリープする）までの時間を短くする
画面の色合いを少し変えて、消費電力を抑える（有機ELディスプレイの場合）

例えばiPhoneの「低電力モード」では、何もしないと画面がオフになるまでの時間が、強制的に30秒に設定されます。

普段は1分や2分に設定している方にとっては、少し不便に感じるかもしれません。

屋外などの明るい場所でスマホを見ようとすると、「画面が暗くて見えにくい…」と感じるのも、この機能制限が理由です。

もちろん手動で明るさを調整することはできますが、バッテリーセーバー中は調整できる最大の明るさにも上限が設けられていることが多いです。

バックグラウンドでのアプリ更新が停止する

バッテリーセーバーを有効にしている間は、アプリの自動更新やデータの同期といった、バックグラウンドでの動作がほとんど停止します。

これは、ユーザーが直接見ていないところでの通信や処理を止めることで、徹底的に電力消費をカットするためです。

「バックグラウンド更新」とは、例えばニュースアプリが常に最新の記事を読み込んでおいたり、SNSアプリが新しい投稿を自動で取得したりする機能のことです。

この機能が停止すると、次のような影響が出ます。

メールアプリを開かないと、新しいメールが受信されない
天気予報のウィジェットが、最新の情報に更新されない
写真や動画のクラウドへの自動バックアップが一時停止する
音楽のストリーミング再生で、次の曲の読み込みが遅れることがある

つまり、アプリを開いたその瞬間に、初めて情報の読み込みが開始されるようになります。

普段はアプリを開けばすぐに最新の状態になっている便利さに慣れていると、少し待たされる感覚にストレスを感じるかもしれません。

常に最新情報をチェックしたい方や、データの自動バックアップを重要視している方は、バッテリーセーバー利用中のこの点を覚えておくと良いでしょう。

バッテリーの寿命を縮める可能性はある？

バッテリーセーバー機能を使うこと自体が、バッテリーの寿命を直接的に縮めてしまうことはありませんので、安心してください。

むしろ、使い方によってはバッテリーへの負担を軽くし、寿命を延ばす助けになる可能性もあります。

バッテリーの寿命、つまり劣化が進む主な原因は、以下の3つです。

充電と放電の繰り返し回数（サイクル数）
バッテリーが高温になること
満充電や完全放電の状態で放置されること

バッテリーセーバーは、消費電力を抑えることで、充電が必要になるまでの時間を延ばしてくれます。

その結果、充電の回数を減らすことにつながるため、バッテリーの劣化を緩やかにする効果が期待できるのです。

「バッテリーセーバーを使い続けるとバッテリーに悪い」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、それは少し誤解です。

問題なのは機能そのものではなく、バッテリー残量が常に少ない状態でスマホを使い続けるという「使い方」のほうです。

バッテリーセーバーはあくまで緊急避難的な機能。

この機能に頼らなくても良いように、普段からこまめに充電する習慣をつけることが、バッテリーを長持ちさせる一番の秘訣ですよ。

バッテリーセーバーを常にオンにするのは問題ない？

バッテリーセーバーを常にオンにしておくこと自体が、スマホやパソコンを直接的に壊す原因になることはありません。

しかし、そのデバイスが持つ本来の性能や利便性を大きく損なってしまうため、常時オンで使い続けることは全くおすすめできません。

バッテリーセーバーは、あくまで「緊急時」にバッテリーを少しでも長持ちさせるための「応急処置」のような機能です。

常にオンにしていると、以下のようなデメリットを常に受け入れなければなりません。

アプリの起動や動作がいつもモッサリしている
大事なLINEやメールの通知がリアルタイムで届かない
画面が常に少し暗くて見づらい
アプリを開くたびに、情報の読み込みを待たされる

これでは、せっかく高性能なスマホを持っていても、その良さを全く活かせず、ストレスが溜まってしまいますよね。

もし、「バッテリーセーバーを常にオンにしていないと、一日バッテリーが持たない」という状況なのであれば、それはバッテリー自体が劣化しているサインかもしれません。

その場合は、バッテリーセーバーに頼るのではなく、バッテリー交換を検討するのが根本的な解決策になります。

普段はオフにしておき、本当に必要な時だけオンにする。それがバッテリーセーバーとの一番上手な付き合い方です。

バッテリーセーバーのデメリットを理解して賢く使う！デバイス別の違いと設定方法

iPhoneの低電力モードで制限される機能一覧

iPhoneのバッテリーセーバー機能である「低電力モード」をオンにすると、バッテリーを長持ちさせるために、いくつかの機能が制限されたり、一時的に停止したりします。

具体的にどのような影響があるのか、一覧で見てみましょう。

項目	制限される内容
パフォーマンス	一部の処理速度が遅くなる
ディスプレイ	画面の明るさが少し暗くなる
	ProMotionディスプレイの仕様機種で、リフレッシュレートが最大60Hzに制限される
自動ロック	操作しないと画面がオフになるまでの時間が30秒に固定される
iCloud写真	iCloudとの写真の同期が一時的に停止する
自動ダウンロード	アプリの自動アップデートや、購入したコンテンツの自動ダウンロードが停止する
メールの取得	設定しているメールアカウントの自動受信が停止する（アプリを開くと手動で受信）
バックグラウンド更新	アプリがバックグラウンドでコンテンツを更新する動作が停止する
5G通信	ビデオストリーミングなどを除く、ほとんどの場面で5G通信がオフになる（一部機種）
アニメーション効果	一部の画面切り替えなどのアニメーションが簡略化される

このように、低電力モードは私たちが気づかないような細かい部分から、体感できる部分まで、様々な機能を調整してバッテリー消費を抑えています。

特に通知が重要なメールの自動取得が止まる点や、自動ロックが30秒になる点は、使い方によっては不便に感じるかもしれませんね。

Androidの省電力モードでできなくなること

Androidスマートフォンのバッテリーセーバー（省電力モード）は、iPhoneの低電力モードと似ていますが、メーカーや機種によって制限される機能に少し違いがあります。

また、Androidには通常の「バッテリーセーバー」に加えて、機能をさらに絞り込んだ「スーパーバッテリーセーバー」や「ウルトラ省電力モード」といった、より強力なモードが搭載されている機種もあります。

ここでは、標準的なバッテリーセーバーで一般的に制限される機能を紹介します。

パフォーマンスの制限： CPUのクロック数を抑え、処理速度を低下させます。
バックグラウンド動作の制限： アプリのデータ同期や更新、位置情報の取得などが制限されます。
通知の遅延： アプリからのリアルタイム通知が遅れることがあります。
画面の明るさ低下： ディスプレイの輝度が抑えられます。
ダークテーマの強制適用： 画面を黒基調の表示（ダークテーマ）に切り替えて、消費電力を抑える機種もあります。
ネットワーク接続の制限： Wi-FiやBluetoothのスキャンなどが制限されることがあります。
バイブレーションの停止： タッチ操作時の振動フィードバックなどがオフになります。

さらに強力な「ウルトラ省電力モード」などでは、使えるアプリが電話やSMSなど数個だけに限定され、ホーム画面もシンプルなものに切り替わります。
災害時など、通話機能を最優先で確保したい場合に非常に役立つ機能です。

お使いの機種によって設定項目が違うので、一度ご自身のスマホの設定画面を確認してみるのがおすすめです。

Windows11のバッテリー節約機能で起こる変化

ノートパソコン向けのWindows11にも、スマホと同じように「バッテリー節約機能」が搭載されています。

この機能をオンにすると、バッテリー駆動時間を延ばすために、いくつかの設定が自動的に変更されます。

スマホと似ている部分も多いですが、パソコンならではの変更点もあります。

主に、以下のような変化が起こります。

画面の明るさが下がる： 設定にもよりますが、通常は画面の輝度が30%程度下がります。
一部の通知が届かなくなる： Windowsからの通知や、一部のアプリからの通知がブロックされます。
バックグラウンドアプリの同期停止： メールやカレンダー、Peopleアプリなどがバックグラウンドで同期しなくなります。アプリを開いた時に手動で同期する必要があります。
Windows Updateの停止： 自動更新のためのダウンロードやインストールが一時的に停止します。

この機能は、バッテリー残量が指定した割合（デフォルトでは20%）を下回ると自動的にオンになるように設定できます。

もちろん、手動でいつでもオン・オフの切り替えが可能です。

タスクバーのバッテリーアイコンをクリックするだけで簡単にオンにできるので、外出先でACアダプターがない時に重宝します。

ただし、大事なメールを待っている時などは、同期が止まってしまう点に注意が必要ですね。

結局バッテリーセーバーはオンとオフどっちがいい？

結論として、バッテリーセーバーは「普段はオフ、いざという時にオン」にするのが、最も賢く、快適な使い方です。

バッテリーセーバーは、あくまでバッテリー残量が心もとなくなった時の「緊急手段」として設計されています。

それぞれのメリット・デメリットを考えると、どちらの状態で使うべきかが見えてきます。

【オフの状態（通常時）】

メリット：スマホやPCの性能を100%発揮でき、すべての機能が快適に使える。
デメリット：バッテリーの消費は早くなる。

【オンの状態（節約時）】

メリット：バッテリーの持ちが良くなり、充電できない状況でも安心感が増す。
デメリット：動作が遅くなったり、通知が遅れたりと、利便性が大きく損なわれる。

このように、常にオンにしておくのは、せっかくのデバイスの性能をわざわざ落として使っていることになり、非常にもったいないです。

普段は便利な機能をフル活用し、外出先で充電ができそうにない時や、災害への備えとしてバッテリーを温存したい時など、ここぞという場面でオンにする。

このように状況に応じてオンとオフを使い分けるのが、ストレスなくデバイスと付き合っていくためのベストな方法と言えるでしょう。

バッテリーセーバーが必要になるタイミングの見極め方

バッテリーセーバーをオンにすべき最適なタイミングは、「この後すぐに充電できる見込みがないのに、バッテリー残量が少なくなってきた時」です。

具体的にどんな場面が考えられるか、いくつか例を挙げてみましょう。

外出先で長時間過ごすことが分かっている時：
モバイルバッテリーを忘れてしまった日の外出時や、旅行・出張中で、次の充電ポイントまで時間が空いてしまう場合。残量が50%を切ったあたりでオンにしておくと安心です。
災害時や停電時：
いつ電力が復旧するかわからない状況では、情報収集や連絡手段としてスマホのバッテリーを1%でも多く温存することが重要です。すぐにオンにしましょう。
イベントやライブに参加する時：
写真を撮ったり、連絡を取り合ったりとバッテリー消費が激しくなりがちな場面。開演前にオンにしておくことで、終演後の連絡手段を確保できます。
寝る前に充電を忘れた朝：
起きたら残量が20%…なんていう絶望的な状況。家を出る時にオンにしておけば、職場に着くまでバッテリーを持たせられる可能性が高まります。

このように、「これからバッテリーが減る一方なのに、充電できる環境がない」という状況を予測して、早めにオンにすることが上手な使い方です。

バッテリーセーバーが勝手にオンになる時の設定変更

「特に何もしていないのに、バッテリーセーバーが勝手にオンになってしまう」という場合、それは故障ではなく、デバイスの自動設定によるものです。

多くのスマホやパソコンでは、「バッテリー残量が〇%になったら、自動でバッテリーセーバーをオンにする」という便利な機能が、あらかじめ設定されています。

この設定自体はバッテリー切れを防ぐために役立ちますが、パーセンテージの設定が自分の使い方に合っていなかったり、毎回通知が来るのが煩わしかったりする場合は、設定を変更することができます。

【Androidの場合】

「設定」アプリを開き、「バッテリー」をタップします。
「バッテリーセーバー」を選択します。
「スケジュールの設定」や「自動的にON」といった項目をタップします。
「OFFにする」、「指定しない」などを選ぶか、自動でオンになるバッテリー残量のパーセンテージを自分好みに変更します。

【Windows11の場合】

「設定」を開き、「システム」→「電源とバッテリー」をクリックします。
「バッテリー節約機能」の項目をクリックします。
「バッテリー節約機能を次のバッテリー残量で自動的にオンにする」という設定があるので、これをオフにするか、パーセンテージを変更します。

iPhoneの低電力モードには、特定の残量で自動的にオンになる常設の機能はありませんが、残量が20%と10%になった時にオンにするか尋ねる通知が表示されます。

バッテリーセーバーを解除する具体的な手順

バッテリーセーバー（低電力モード）を解除して、通常のモードに戻す方法はとても簡単です。

充電ができる状況になったり、パフォーマンスを優先したくなったりした時は、いつでも手動でオフにできますよ。
デバイス別に手順を紹介します。

【iPhoneの場合】

コントロールセンターから： 画面の右上隅から下にスワイプ（ホームボタンがある機種は下から上にスワイプ）してコントロールセンターを開き、バッテリーの形をしたアイコンをタップしてオフにします。
設定アプリから： 「設定」→「バッテリー」と進み、「低電力モード」のスイッチをオフにします。
充電する： iPhoneはバッテリー残量が80%以上まで充電されると、自動的に低電力モードが解除されます。