アプリに顔認証で入れるには、まずお使いのスマートフォン本体に顔を登録し、次に対象のアプリごとに生体認証設定を有効にする必要があります。
iPhone(Face ID)とAndroidでは設定画面が少し異なりますが、基本的な流れは同じです。
この方法は、パスワード入力の手間を省くだけでなく、セキュリティも向上させます。
この記事では、具体的な設定手順から、LINEや銀行アプリでの活用法、認証できない時の対処法までを分かりやすく紹介します。
マスクをしたまま認証させるためのコツも解説します。
アプリに顔認証で入れる方法はiPhone・Android別に解説
- そもそもスマホの顔認証はどんな仕組み?
- iPhone(Face ID)でアプリに顔認証を設定する手順
- Androidでアプリに顔認証を設定する具体的な手順
- 顔認証に対応しているアプリか見分けるポイント
- LINEアプリで顔認証ログインを設定するには?
- 銀行アプリで顔認証を利用するメリットと設定
そもそもスマホの顔認証はどんな仕組み?
スマートフォンの顔認証は、内蔵されたカメラであなたの顔の特徴を読み取り、事前に登録しておいた顔のデータと見比べることで本人かどうかを判断する仕組みです。
特にiPhoneに搭載されている「Face ID」は、非常に高度な技術を使っています。
これは、目には見えない3万以上の光の点(ドット)を顔に当てて、その凹凸を赤外線カメラで立体的に読み取ることで、顔の3Dマップを作成します。
そのため、写真や寝顔ではロックを解除できないようになっており、高い安全性を実現しています。
一方、Androidの顔認証は、インカメラで顔の2D画像(平面の画像)を認識するタイプが主流です。
こちらもAI技術によって目や鼻、口の位置などの特徴点を捉えて認証しますが、機種によってはiPhoneほどの立体認識は行わないため、セキュリティレベルが若干異なると言われています。
どちらの方式でも、登録された顔のデータはスマホ内の安全な場所に暗号化して保存されており、AppleやGoogle、アプリ開発者に送られることはありません。
顔を向けるだけでロック解除やアプリへのログインができる手軽さと、パスワード漏洩のリスクの低さを両立させた、便利な本人確認技術と言えるでしょう。
iPhone(Face ID)でアプリに顔認証を設定する手順
iPhoneでアプリに顔認証(Face ID)を設定するには、大きく分けて2つのステップが必要です。
まずiPhone本体で自分の顔を登録し、その後、顔認証を使いたいアプリごとに設定を有効にする、という流れになります。
【ステップ1:iPhone本体でFace IDを設定する】
まだ顔を登録していない方は、ここから始めましょう。
- ホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- 「Face IDとパスコード」という項目をタップします。
- iPhoneのロックを解除する時と同じパスコードを入力します。
- 「Face IDを設定」をタップし、画面の指示に従って、顔をゆっくりと円を描くように動かしてスキャンを完了させます。
【ステップ2:アプリごとにFace IDを有効にする】
次に、顔認証でログインしたいアプリの設定を行います。
- 顔認証を使いたいアプリ(銀行アプリやLINEなど)を開き、ログインします。
- アプリ内の「設定」や「アカウント」、「セキュリティ」といったメニューを探します。
- 「Face IDでログイン」や「生体認証を利用する」といった項目があるので、そのスイッチをオンにします。
これだけで設定は完了です。
次回からそのアプリを開くと、自動的にFace IDが起動し、顔を向けるだけでスッとログインできるようになります。
Androidでアプリに顔認証を設定する具体的な手順
Androidスマートフォンでアプリの顔認証を設定する場合も、iPhoneと同じように、まず端末本体に顔を登録し、その後に各アプリで設定をオンにするという2段階の手順で進めます。
ただし、Androidはメーカーによって設定画面のメニュー名が少し異なることがあるので注意してくださいね。
【ステップ1:Android端末本体で顔認証を登録する】
- ホーム画面やアプリ一覧から「設定」アプリを開きます。
- 「セキュリティ」や「生体認証とセキュリティ」といった項目を探してタップします。(Galaxyなら「生体認証とセキュリティ」、Pixelなら「セキュリティとプライバシー」など)
- 「顔認証」や「顔認識」というメニューを選択します。
- 画面ロックに設定しているPINコードやパターンを入力します。
- 画面の指示に従って、インカメラに顔を写し、登録を完了させます。
【ステップ2:アプリごとに顔認証を有効にする】
次に、使いたいアプリ側での設定です。
- 顔認証を使いたいアプリを開いて、ログインします。
- アプリの「設定」メニュー内にある「セキュリティ」や「アカウント情報」などを探します。
- 「生体認証でログイン」や「顔認証を利用」といったスイッチがあるので、それをオンに切り替えます。
これで、次回からパスワードを入力する手間なく、スムーズにアプリにログインできるようになります。
もし設定項目が見つからない場合は、そのアプリが顔認証に対応していない可能性もあります。
顔認証に対応しているアプリか見分けるポイント
「このアプリ、顔認証でログインできたら便利なのに」と思った時、そのアプリが顔認証に対応しているかどうかを簡単に見分ける方法がいくつかあります。
一番わかりやすいのは、アプリのログイン画面を確認することです。
IDやパスワードを入力する欄の近くに、顔のマークのアイコンや、「Face IDでログイン」「生体認証でログイン」といったボタンがあれば、そのアプリは顔認証に対応しています。
また、アプリ内の設定画面をチェックするのも有効な方法です。
- 「設定」メニューの中に「セキュリティ」や「生体認証」という項目があるか。
- 「アカウント」や「ログイン設定」の中に、顔認証をオンにするスイッチがあるか。
これらの項目があれば、対応している証拠です。
もしアプリをインストールする前に知りたい場合は、App StoreやGoogle Playのアプリ紹介ページを確認しましょう。
アプリの説明文や「新機能」の欄に、「Face IDに対応しました」「生体認証で素早くログイン!」といった記載がされていることが多いです。
銀行系のアプリや、主要なSNSアプリ、パスワード管理アプリなどは、セキュリティと利便性の向上のため、ほとんどが顔認証に対応していますよ。
LINEアプリで顔認証ログインを設定するには?
多くの人が毎日使うLINEアプリも、簡単な設定で顔認証ログインが使えるようになります。
設定しておけば、毎回パスワードを入力する手間が省けるだけでなく、他の人に勝手に中身を見られるのを防げるので、セキュリティ面でも安心です。
設定の手順は以下の通りです。
- まず、LINEアプリのホーム画面を開き、右上にある歯車の形をした「設定」アイコンをタップします。
- 次に、「プライバシー管理」という項目を選択してください。(以前は「アカウント」内にありましたが、変更されました)
- その中にある「パスコードロック」のスイッチをオンにします。
- すると、4桁のパスコードを設定する画面になるので、忘れない数字を2回入力して設定してください。
- パスコードロックをオンにすると、そのすぐ下に「顔認証を利用」(iPhoneなら「Face IDを利用」)という項目が現れます。
- このスイッチをオンにすれば、すべての設定は完了です。
これで、次回からLINEを起動するたびに顔認証が求められるようになります。
ちょっとした一手間で、プライバシーと利便性がぐっと向上するので、ぜひ設定してみてください。
銀行アプリで顔認証を利用するメリットと設定
お金を管理する銀行アプリこそ、顔認証のような安全で便利なログイン方法を使いたいですよね。
銀行アプリで顔認証を利用する最大のメリットは、セキュリティと利便性の両立です。
【顔認証のメリット】
- セキュリティの向上:
複雑なパスワードを覚える必要がなく、パスワードが第三者に漏れるリスクを大幅に減らせます。顔は世界に一つだけなので、なりすましも非常に困難です。 - ログインの高速化:
アプリを起動して顔を向けるだけで、残高照会や振り込み画面にすぐにアクセスできます。ATMに並ぶよりずっと早く、ストレスフリーです。 - 入力ミスの防止:
パスワードの打ち間違いでロックがかかってしまう、といったイライラから解放されます。
【一般的な設定方法】
設定方法は銀行によって多少異なりますが、おおむね以下の流れです。
- 利用している銀行のアプリに、IDとパスワードでログインします。
- アプリ内の「各種設定」や「メニュー」、「その他」といった項目を探します。
- 「セキュリティ設定」や「生体認証ログイン設定」といったメニューを選択します。
- 「顔認証を利用する」や「Face IDを登録する」などのスイッチをオンにします。
これだけで、次回のログインから顔認証が使えるようになります。
大切な資産を守りながら、日々の取引をもっとスムーズにするために、ぜひ顔認証設定を活用しましょう。
アプリに顔認証で入れる方法で困った時のQ&A
- 顔認証ができない・反応しない主な原因と対処法
- マスクをしていると認証できない時の解決策
- 顔認証のセキュリティは安全?指紋認証との違い
- パスワード管理アプリと顔認証を連携させる方法
- 顔認証を使わない方が良いケースとは
- アプリの顔認証設定をオフ(解除)にする手順
顔認証ができない・反応しない主な原因と対処法
便利なはずの顔認証が急に反応しなくなると、焦ってしまいますよね。
でも、その原因は意外と簡単なことかもしれません。故障を疑う前に、まずは以下の点を確認してみてください。
- カメラレンズの汚れや障害物
インカメラのレンズ部分が、指紋や皮脂で汚れていたり、保護フィルムやケースが少しだけかぶっていたりすると、正しく顔を認識できません。まずは柔らかい布で優しく拭いてみましょう。 - 顔の位置や角度、距離
スマートフォンに対して顔が近すぎたり、遠すぎたり、斜めすぎたりすると認証に失敗します。スマホを顔の正面に、25cmから50cmほど離して持ってみてください。 - 周囲の明るさ
暗すぎる場所や、逆に太陽光などが直接当たる逆光の状態では、カメラが顔の特徴をうまく捉えきれません。少し場所を移動して、顔がはっきりと見える明るさで試してみましょう。 - 顔の変化
メガネをかけたり外したり、帽子をかぶったり、いつもと違う濃いメイクをしたりすると、登録したデータとの違いが大きくて認証されないことがあります。iPhoneなら「もう一つの容姿」を追加で登録するか、一度顔データをリセットして再登録するのがおすすめです。
これらの基本的なことをチェックするだけで、ほとんどの場合は改善します。
それでもダメな場合は、一度スマートフォンを再起動してみるのも有効な手段ですよ。
マスクをしていると認証できない時の解決策
マスク生活が当たり前になった今、マスクをしたまま顔認証ができず、不便に感じている方も多いのではないでしょうか。
この問題の解決策は、お使いのスマートフォンの機種によって異なります。
【iPhoneの場合】
iPhone 12以降の機種で、OSがiOS 15.4以降にアップデートされていれば、「マスク着用時Face ID」という便利な機能が使えます。
この機能は、顔全体ではなく、目やその周りの特徴をより精密に読み取ることで認証する仕組みです。
設定方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開き、「Face IDとパスコード」をタップします。
- パスコードを入力します。
- 「マスク着用時Face ID」というスイッチがあるので、これをオンにします。
- 画面の指示に従って、再度顔をスキャンすれば設定完了です。
【Androidの場合】
Androidの顔認証は機種によって性能がさまざまで、マスク着用時の認証に対応しているモデルはまだ限られています。
一つの対処法として、一度顔の登録を削除し、マスクを着用した状態で新しく顔を登録し直してみる、という方法があります。
ただし、顔の大部分が隠れるため、認証の精度が落ちたり、セキュリティレベルが低下したりする可能性がある点は理解しておく必要があります。
もしうまくいかない場合は、無理に顔認証にこだわらず、指紋認証やPINコード、パターン認証といった別の方法を使うのが現実的で安全な解決策と言えるでしょう。
顔認証のセキュリティは安全?指紋認証との違い
顔認証のセキュリティは、特にiPhoneのFace IDのような3Dスキャン方式の場合、非常に高いレベルで安全だと言えます。
顔認証も指紋認証も、あなただけの身体的特徴を使う「生体認証」の一種ですが、認証方法や利便性にいくつかの違いがあります。
| 認証方法 | 顔認証(Face ID) | 指紋認証 |
|---|---|---|
| 仕組み | 顔の立体的な形状を認識 | 指紋の模様(凹凸)を認識 |
| 長所 | ・顔を向けるだけで自然に認証<br>・手袋をしていてもOK<br>・非接触で衛生的 | ・マスク着用時も関係なく使える<br>・画面を見ずに手探りで解除できる |
| 短所 | ・マスク着用時は一部機種のみ対応<br>・暗い場所で認識しにくい場合がある | ・指が濡れていたり汚れていたりするとNG<br>・画面保護フィルムによっては精度が落ちる |
| 安全性 | 写真や寝顔では突破されにくい(3Dの場合) | 他人が突破するのは極めて困難 |
顔認証(特にFace ID)は、顔の凹凸までデータ化しているため、写真などでのなりすましはほぼ不可能です。
一方、指紋認証も、同じ指紋を持つ人はいないため、セキュリティレベルは非常に高いです。
どちらもパスワードのように盗み見られたり、推測されたりするリスクがないため、従来の認証方法よりずっと安全です。
どちらが優れているということではなく、それぞれの長所と短所を理解し、自分のライフスタイルに合った方、あるいは両方をシーンによって使い分けるのが最も賢い選択と言えるでしょう。
パスワード管理アプリと顔認証を連携させる方法
たくさんのWebサイトやサービスのID・パスワードを覚えるのは大変ですよね。
そんな時に役立つのが「パスワード管理アプリ」ですが、これと顔認証を連携させると、セキュリティと利便性が飛躍的に向上します。
連携させることで、パスワード管理アプリ自体を開く時のマスターパスワードの入力が不要になり、顔認証だけで安全にアクセスできるようになります。
さらに、Webサイトや他のアプリにログインする際も、顔認証一つでIDとパスワードを自動入力してくれるようになるのです。
設定方法は、お使いのパスワード管理アプリ(1Password、Keeper、LastPassなど)によって多少異なりますが、基本的な流れは同じです。
- まず、パスワード管理アプリを開き、マスターパスワードを入力してログインします。
- アプリ内の「設定」メニューを探します。
- 「セキュリティ」という項目を選択します。
- 「Face IDでロック解除」や「生体認証を有効にする」といったスイッチがあるので、これをオンにします。
たったこれだけで設定は完了です。
例えば、Safariでショッピングサイトにログインする時、ID欄をタップするとキーボードの上にパスワードの候補が表示されます。
そこをタップするとFace IDが起動し、認証が成功すれば一瞬でIDとパスワードが入力されます。
この快適さを一度体験すると、もう元には戻れませんよ。
顔認証を使わない方が良いケースとは
顔認証は非常に便利で安全な機能ですが、いくつかの特定の状況下では、あえて使わない方が良い、あるいは注意が必要なケースも存在します。
一番よく言われるのが、自分とそっくりな双子や兄弟がいる場合です。
特に、Androidの一部の機種で採用されている2D(平面的)な顔認証では、特徴が酷似していると誤って認証してしまう可能性がゼロではありません。
また、セキュリティの観点から、以下のようなケースも考慮しておくと良いでしょう。
- 古い機種や安価な機種を使っている場合:
搭載されている顔認証の精度やセキュリティレベルが低い可能性があり、より安全なパスコードや指紋認証を使った方が安心な場合があります。 - 睡眠中に無断でロック解除されるリスクを避けたい場合:
Face IDは目を閉じていると認証しませんが、機種によっては寝顔で認証される可能性も否定できません。絶対に他人に見られたくない情報が入っている場合は、一時的に顔認証をオフにすることも検討しましょう。 - 顔のデータを登録すること自体に心理的な抵抗がある場合:
生体情報がスマホ内に安全に保管されると分かっていても、なんとなく気持ち悪いと感じる方もいるかもしれません。その場合は、無理に使う必要はまったくありません。
基本的には非常に優れた機能ですが、こうした特定のケースでは、ご自身の状況に合わせて利用するかどうかを判断することが大切です。
アプリの顔認証設定をオフ(解除)にする手順
一度設定したアプリの顔認証も、不要になったり、別の認証方法に変えたいと思ったりした時には、いつでも簡単にオフ(解除)することができます。
解除の手順は、基本的に設定をオンにした時と逆の操作を行うだけです。
特定のアプリの顔認証だけを解除したい場合、以下の手順で進めてください。
- まず、顔認証の設定を解除したいアプリを開き、通常通りログインします。(この時点では顔認証でログインしてOKです)
- アプリ内にある「設定」や「メニュー」、「アカウント情報」といった項目を探します。
- 「セキュリティ設定」や「ログイン設定」といったメニューに進みます。
- そこに「Face IDでログイン」や「生体認証を利用する」というスイッチがオンになっているはずなので、これをタップしてオフに切り替えます。
これだけで、そのアプリの顔認証は解除され、次回からはIDとパスワードでのログインが求められるようになります。
この操作は、あくまで「アプリごと」の設定です。
この設定をオフにしても、iPhoneやAndroid本体に登録したあなたの顔のデータが消えるわけではありません。
他のアプリでは、引き続き顔認証を使い続けることができます。
もし、スマートフォン本体の顔認証機能そのものをやめたい場合は、端末の「設定」アプリから顔の登録データ自体を削除する必要があります。
アプリ顔認証で入れる方法まとめ
- アプリに顔認証で入れるには、まずiPhoneやAndroid本体の「設定」で顔を登録します。
- 次に、LINEや銀行など、利用したいアプリそれぞれの設定画面で「生体認証」をオンにします。
- 顔認証ができない原因の多くは、カメラの汚れや顔との距離、周囲の明るさです。
- iPhone 12以降なら「マスク着用時Face ID」を設定すると認証しやすくなります。
- 顔認証のセキュリティは高く、パスワードのように漏洩するリスクが低いのがメリットです。
- パスワード管理アプリと連携させると、様々なサイトへのログインが顔認証一つで可能になります。
- 不要になった場合は、各アプリの設定からいつでも顔認証をオフ(解除)できます。