パソコンを操作するたびに表示される「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」というメッセージは、設定を変更することで毎回は表示されなくなります。
このメッセージの正体は、Windowsの「ユーザーアカウント制御(UAC)」というセキュリティ機能です。
これは、アプリがパソコンの重要な設定を変更しようとする際に、本当に許可してよいかを確認するために表示されています。
この記事では、メッセージが毎回表示される原因から、Windows 11/10で安全に非表示にする設定手順まで分かりやすく紹介します。
全体のセキュリティレベルを下げずに、特定のアプリだけを非表示にする応用テクニックも解説するので、もうこの表示に悩まされることはありません。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」が毎回表示される原因と今すぐできる対処法
- この警告メッセージが表示される理由と正体
- 毎回表示されるのを完全に停止させる設定手順(Windows 11/10対応)
- 「許可」と「許可しない」はどちらを選択すべき?
- 「許可しない」を選択するとどうなる?
- なぜこの警告メッセージは必要なのか
この警告メッセージが表示される理由と正体
このメッセージは、Windowsに標準で備わっている「ユーザーアカウント制御(UAC)」というセキュリティ機能からの確認なんです。
決してウイルスやエラーではなく、むしろパソコンを悪意のあるプログラムから守ってくれる、大切な門番のような存在ですよ。
なぜこの確認が必要かというと、アプリがパソコンのシステム設定のような重要な部分に変更を加えようとする際に、「本当に許可して大丈夫ですか?」と持ち主であるあなたに最終確認を求めているんですね。
例えば、新しいソフトをインストールしたり、パソコンの動作に関わる設定を変更したりする時に表示されます。
もしこの機能がなければ、知らないうちにウイルスが侵入して、勝手にパソコンの設定を変えてしまうかもしれません。
少し面倒に感じるかもしれませんが、これはあなたのパソコンを守るための重要なステップなので、安心してくださいね。
毎回表示されるのを完全に停止させる設定手順(Windows 11/10対応)
毎回表示されるこのメッセージは、ユーザーアカウント制御(UAC)の設定レベルを変更することで、表示されなくすることが可能です。
ただし、この設定はパソコンのセキュリティレベルを直接下げることになるので、リスクを理解した上で慎重に行ってくださいね。
Windows 11でも10でも、手順はほとんど同じです。
- まず、画面下の検索ボックスに「UAC」または「ユーザーアカウント制御」と入力します。
- 検索結果に「ユーザーアカウント制御設定の変更」が表示されるので、それをクリックしてください。
- 画面の左側に、上下に動かせるスライダーが表示されるはずです。
- このスライダーが、現在のセキュリティレベルを示しています。
- スライダーを一番下の「通知しない」の位置まで下げて、「OK」ボタンを押すと、メッセージは表示されなくなります。
この設定を行うと、どんなアプリでも許可なくパソコンの設定を変更できるようになってしまいます。
便利になる反面、ウイルスなどの危険に無防備になることを忘れないでくださいね。
「許可」と「許可しない」はどちらを選択すべき?
どちらを選ぶべきかは、そのメッセージが表示された時の状況によって決まります。
基本的には、自分でやろうとした操作で、なおかつ信頼できるアプリだと分かっている場合は「はい(許可)」を選びましょう。
一方で、少しでも「あれ?」と思ったら、迷わず「いいえ(許可しない)」を選ぶのが正解です。
具体的に「はい」を選ぶのは、次のようなケースですね。
- 自分でダウンロードした有名な会社のソフトをインストールする時
- プリンターなど、周辺機器のドライバーを公式サイトから入手して設定する時
- Windowsのアップデートなど、明らかに正規の操作だと分かる時
逆に、次のような場合は「いいえ」を選んで、一度立ち止まるのが賢明です。
- インターネットを見ていたら、突然予期せず表示された時
- アプリの名前や、発行元が「不明な発行元」となっていて怪しいと感じる時
- 自分が何も操作していないのに、勝手に表示された時
判断に迷った時は、まず「いいえ」を選んでおけば、パソコンに悪い影響はありません。
その後で、そのアプリが本当に安全なものか、ネットで検索するなどして調べてから判断しても遅くはないですよ。
「許可しない」を選択するとどうなる?
「いいえ(許可しない)」を選んだ場合、パソコンには何も悪いことは起こらないので安心してください。
具体的には、アプリが実行しようとしていた「パソコンの設定変更」が、シンプルにキャンセルされるだけです。
ユーザーアカウント制御(UAC)が、そのアプリの動作をしっかりとブロックしてくれたということですね。
例えば、新しいソフトをインストールしようとしている時に「いいえ」を押すと、インストールのプロセスがそこで中断されます。
ソフトがインストールされることはありませんし、パソコンのどこかが変わってしまうこともありませんよ。
もし、やっぱりそのソフトが必要だったなと思ったら、もう一度インストーラーを起動して、今度は「はい(許可)」を選べば問題なく進められます。
つまり、「いいえ」は、あなたの意図しない変更からパソコンを守るための安全な選択肢なんです。
少しでも怪しいと感じたら、ためらわずに「いいえ」を選ぶのが、パソコンを安全に使い続けるためのコツですよ。
なぜこの警告メッセージは必要なのか
このメッセージがなぜ必要かというと、これがウイルスや悪意のあるソフトによるパソコンの乗っ取りを防ぐための、とても重要な「最後の砦」だからなんです。
実は、昔のパソコンでは、ユーザーが気づかないうちに怪しいプログラムがシステム設定を勝手に書き換えてしまうことがありました。
その結果、個人情報が盗まれたり、パソコンが遠隔操作されたりといった被害が起こりやすかったんですね。
その反省から、Windowsではシステムの根幹に関わるような重要な変更を行う前には、必ず持ち主であるユーザーに許可を求める、この仕組みが導入されました。
もしこの警告メッセージの機能がなかったら、どうなるでしょうか。
例えば、怪しいメールの添付ファイルを開いたり、危険なWebサイトを閲覧したりしただけで、警告なしにウイルスがインストールされてしまうかもしれません。
そうなると、あなたの知らないところでパソコンが犯罪に使われてしまう可能性だってあるんです。
毎回表示されるのは少し手間に感じるかもしれませんが、この一手間が、私たちのパソコンと大切な個人情報を守ってくれている、なくてはならない存在なんですよ。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」の表示を毎回オフに設定するデメリットと応用テクニック
- ユーザーアカウント制御(UAC)を無効化する危険性とデメリット
- セキュリティリスクを避けるための推奨設定レベル
- 特定のアプリだけを許可してメッセージを非表示にするやり方
- タスクスケジューラを利用した応用的な非表示設定
- 信頼できるのに「不明な発行元」と表示される場合の対処法
- 誤って許可してしまった場合の確認事項
- 設定を初期状態(推奨)へ戻す全手順
ユーザーアカウント制御(UAC)を無効化する危険性とデメリット
ユーザーアカウント制御(UAC)を完全に無効にすると、ウイルスやマルウェアといった悪意のあるプログラムが、何の警告もなしにパソコンへ侵入できてしまうようになります。
これは、家の玄関に鍵をかけずに、誰でも自由に出入りできる状態にしてしまうのと同じくらい危険なことなんです。
UACはパソコンを守る「門番」の役割を果たしています。
この門番がいなくなると、悪意のあるプログラムが好き勝手に活動できるようになってしまいますよ。
具体的には、以下のようなデメリットや危険性が考えられます。
- ウイルス感染のリスクが大幅に高まる
- あなたの意図しないところで、パソコンの設定が勝手に変更される
- IDやパスワードなどの個人情報が盗まれる危険性が増す
- システムファイルが破壊され、パソコンが不安定になったり起動しなくなったりする
便利な操作と引き換えに、パソコンを非常に無防備な状態にさらしてしまうことになります。
特別な理由がない限り、UACを完全に無効にすることは、絶対に避けるべきだと覚えておいてくださいね。
セキュリティリスクを避けるための推奨設定レベル
セキュリティと使いやすさのバランスを考えると、Windowsが最初に設定している「推奨」レベルで使うのが一番おすすめです。
具体的には、UAC設定画面のスライダーで「上から2番目」の位置がそれにあたります。
この設定レベルがなぜ良いのかというと、アプリがパソコンに大きな変更を加えようとする時だけ警告してくれるからです。
一方で、壁紙の変更や音量調整など、あなた自身がWindowsの設定を変更するような日常的な操作では、いちいち警告が出てきません。
おかげで、セキュリティを保ちながらも、操作が煩わしくなりすぎない、ちょうど良いバランスが取れているんですね。
UACの設定レベルは、全部で4段階あります。
スライダーの位置 | 説明 |
---|---|
一番上 | 常に通知(最も安全ですが、操作のたびに警告が出て少し面倒です) |
上から2番目 | アプリによる変更時のみ通知(セキュリティと利便性のバランスが良い推奨設定) |
上から3番目 | 通知はするが、画面は暗転しない(少しセキュリティが下がります) |
一番下 | 通知しない(非推奨。ウイルスなどの侵入に気づけなくなります) |
もし自分で設定を変更して分からなくなってしまったら、この「上から2番目」の推奨レベルに戻しておけば安心ですよ。
特定のアプリだけを許可してメッセージを非表示にするやり方
全体のセキュリティレベルは下げたくないけれど、毎回使う信頼できるアプリの警告だけを消したい、という場合に使えるテクニックがあります。
それは、Windowsの「タスクスケジューラ」という機能を使って、特定のアプリだけをUACの警告なしで起動できるように設定する方法です。
少し手順は複雑ですが、安全性を保ったまま利便性を上げられるので、覚えておくと便利ですよ。
以下に大まかな手順を紹介しますね。
- まず、検索ボックスで「タスクスケジューラ」と検索して起動します。
- 右側の操作メニューから「タスクの作成」を選びます。
- 「全般」タブで、分かりやすい名前(例:「〇〇(アプリ名)のショートカット」)をつけ、「最上位の特権で実行する」にチェックを入れてください。
- 次に「操作」タブへ移動し、「新規」ボタンを押します。
- 「参照」ボタンから、警告を非表示にしたいアプリの実行可能ファイル(.exeファイル)を探して指定し、「OK」を押します。
- 最後に、デスクトップなどで右クリックし、「新規作成」から「ショートカット」を選びます。
- 項目の場所に schtasks /run /tn “先ほど付けたタスク名” と入力すれば、警告なしで起動できるショートカットが完成します。
この方法なら、UAC機能は有効なままなので、他の怪しいアプリからはしっかりパソコンを守ってくれますよ。
タスクスケジューラを利用した応用的な非表示設定
先ほど紹介したタスクスケジューラは、実はもっと色々な応用ができる便利なツールなんです。
特定のアプリの警告を非表示にするだけでなく、パソコンの操作を自動化するのにも役立ちますよ。
タスクスケジューラは、「トリガー」と呼ばれる、何かのきっかけをもとにしてプログラムを自動で動かすのが本来の役割です。
例えば、こんな使い方が考えられます。
- 応用例1:パソコンを起動した時に、必ず管理者権限で使いたいお気に入りのツールを、自動で起動させておく。
- 応用例2:毎日や毎週の決まった時間に、管理者権限が必要なバックアップソフトを自動で実行させて、バックアップの取り忘れを防ぐ。
また、先ほど作成したショートカットは、初期設定だと地味なアイコンになっています。
そのショートカットを右クリックして「プロパティ」を選び、「アイコンの変更」ボタンから元のアプリと同じアイコンに設定し直すと、見た目も分かりやすくなって使い勝手がさらに良くなります。
面倒な警告表示を回避するだけでなく、日々のパソコン作業を効率化するためにも使える機能です。
少し上級者向けのテクニックですが、挑戦してみる価値は十分にありますよ。
信頼できるのに「不明な発行元」と表示される場合の対処法
警告メッセージに表示されるアプリの発行元が「不明」となっていると、少し不安になりますよね。
でも、「不明な発行元」だからといって、必ずしも危険なアプリというわけではないので安心してください。
この表示は、アプリに「デジタル署名」という、いわば電子的な身分証明書が付けられていない場合に出るものです。
特に、個人の方が開発している便利なフリーソフトなどは、署名にコストがかかるため、付けられていないことがよくあります。
大切なのは、そのアプリを実行する前に、本当に信頼できるものか一手間かけて確認することです。
以下のステップで確認してみてください。
- どこからダウンロードしましたか?必ず公式サイトや、信頼性の高い有名なダウンロードサイトから入手するようにしましょう。
- アプリの名前でネット検索してみてください。他の人の評判や、ウイルスではないかといった情報を確認できます。
- 念のため、お使いのウイルス対策ソフトで、ダウンロードしたファイルをスキャンしてみるのも有効な手段です。
これらの確認をして、安全だと判断できたのであれば、「はい(許可)」を押して実行しても大丈夫なケースがほとんどです。
表示だけで判断せず、入手元をしっかり確認するクセをつけることが重要ですね。
誤って許可してしまった場合の確認事項
もし、少しでも怪しいと感じたアプリを、間違って「はい(許可)」してしまったら、慌てずにいくつかの点を確認することが大切です。
一度許可してしまうと、プログラムがすでにパソコンに何らかの変更を加えた可能性があるため、その影響をチェックしましょう。
まずは、以下の点を確認してみてください。
- コントロールパネルを開き、「プログラムのアンインストール」や「アプリと機能」の一覧に、見慣れないソフトが勝手に追加されていないか確認します。もしあれば、すぐにアンインストールしましょう。
- お使いのウイルス対策ソフトを最新の状態に更新してから、パソコン全体をスキャン(フルスキャン)してみてください。
- いつも使っているWebブラウザ(EdgeやChromeなど)を開いて、トップページや検索エンジンが見知らぬサイトに勝手に変更されていないか確認します。
- パソコンの動作が急に重くなったり、頻繁にフリーズしたりするなど、不安定になっていないか注意深く様子を見ましょう。
もし何か異変を感じて不安な場合は、Windowsの「システムの復元」機能を使って、アプリを許可する前の状態にパソコンを戻すのも有効な手段です。
早めの対処が、被害を最小限に食い止めるカギになりますよ。
設定を初期状態(推奨)へ戻す全手順
ユーザーアカウント制御(UAC)の設定を自分で変更してみて、やっぱり元に戻したいなと思った時でも、簡単な手順ですぐにWindowsが推奨する安全な初期状態に戻せます。
設定を変えるのも簡単でしたが、元に戻すのも同じくらいシンプルなので、安心してくださいね。
Windows 11でもWindows 10でも、手順は共通です。
- まず、画面下の検索ボックスに「UAC」と入力し、検索結果から「ユーザーアカウント制御設定の変更」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御の設定画面が開いたら、左側にあるスライダーに注目してください。
- このスライダーを、上から2番目の位置まで動かします。ここがWindowsの推奨する初期設定(既定)の場所です。
- 位置を合わせると、「アプリがコンピューターに変更を加えようとする場合にのみ通知する」と表示されるはずです。
- 最後に「OK」ボタンを押せば、設定は完了です。
色々と設定を試してみて、どれが最適なレベルか分からなくなってしまったり、セキュリティが不安になったりしたら、いつでもこの手順で初期状態に戻せます。
この方法を知っておけば、安心してパソコンの設定を試すことができますね。
このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか 毎回のまとめ
- このメッセージは、Windowsの「ユーザーアカウント制御(UAC)」という正常なセキュリティ機能です。
- 毎回表示されるのを停止するには、UAC設定のスライダーを下げますが、セキュリティが低下するため非推奨です。
- 「許可」の選択は、自分で操作している信頼できるアプリの場合のみにしましょう。
- 「許可しない」を選んでも、パソコンに不具合は起きないので、迷ったらこちらを選んでください。
- 「不明な発行元」と表示されても、公式サイトなど信頼できる場所から入手したアプリなら安全な場合があります。
- 特定のアプリだけ警告を非表示にしたい場合は、「タスクスケジューラ」を利用した設定が安全でおすすめです。
- 設定に迷ったら、UACレベルをWindows推奨の初期状態(上から2番目)に戻しておけば安心です。