Apple Payの支払い時にパスコードを求められて、めんどくさいと感じていませんか。
残念ながら、セキュリティのため決済時の認証は原則オフにできません。
しかし、SuicaやPASMOなら「エクスプレスカード」に設定することで、パスコード不要で支払いが可能になります。
この記事では、その具体的な設定方法や、Face IDの認証精度を上げてパスコード入力を減らすコツを紹介します。
この記事を読めば、あなたのApple Pay決済がもっとスムーズで快適になります。
Apple Payのパスコードがめんどくさい時の対処法
- 結論:決済時のパスコード入力は原則オフにできない
- Suica/PASMOならエクスプレスカード設定でパスコード不要に
- エクスプレスカードの具体的な設定方法と使い方
- Face IDやTouch IDの認証精度を上げるコツ
- マスク着用時にFace IDをパスコードなしで使う設定
- Apple Watchでの支払いでiPhoneの認証を省略する方法
- サイドボタンのダブルクリック設定をオフにできる?
結論:決済時のパスコード入力は原則オフにできない
Apple Payでの支払い時に、毎回パスコードの入力を求められて「めんどくさい」と感じている方は多いと思います。
しかし、残念ながら、この決済時の本人認証を完全にオフにすることは、セキュリティ上の理由からできません。
Apple Payは、あなたのクレジットカード情報や個人情報を守るために、非常に高いセキュリティレベルを保つように設計されています。
支払い時にFace ID(顔認証)やTouch ID(指紋認証)、そしてそれらが失敗した際の最終手段であるパスコード入力を求めるのは、そのセキュリティの根幹をなす仕組みなのです。
もし、この認証をオフにできてしまったら、万が一iPhoneを落としたり、盗まれたりした時に、第三者があなたのクレジットカードを使い放題になってしまいますよね。
それを防ぐために、支払いには必ず持ち主本人による認証が必要、と定められているのです。
ただし、全く対処法がないわけではありません。
SuicaやPASMOといった交通系ICカードに限っては、「エクスプレスカード」という特別な設定をすることで、認証プロセスを省略することが可能です。
また、クレジットカード決済の場合でも、Face IDやTouch IDの認証精度を上げることで、パスコードを入力する機会をぐっと減らすことができます。
この記事では、そういった「めんどくさい」を解消するための、具体的な方法を一つずつ解説していきます。
Suica/PASMOならエクスプレスカード設定でパスコード不要に
Apple Payのパスコード入力がめんどくさい、と感じる方にとって、最も効果的な解決策が「エクスプレスカード」の設定です。
この設定は、SuicaやPASMOといった交通系ICカードで利用でき、Face IDやTouch ID、パスコードでの認証を一切行わずに、iPhoneを決済端末にかざすだけで支払いが完了する、非常に便利な機能です。
まさに、物理的なプラスチックのSuicaカードを使っているのと同じような感覚で、スピーディーに決済ができます。
駅の改札で前の人が詰まっている時や、コンビニのレジで急いでいる時でも、iPhoneのスリープを解除したり、アプリを起動したりする必要さえありません。
ただiPhoneをリーダーにかざすだけで「ピピッ」と支払いが完了します。
このエクスプレスカード機能は、セキュリティと利便性のバランスを考慮して、交通機関での利用を想定して作られました。
そのため、クレジットカードとは違い、毎回の認証が不要になっているのです。
もしあなたが、普段の買い物や移動でSuicaやPASMOをメインに使っているのであれば、このエクスプレスカード設定は必須と言ってもいいでしょう。
パスコード入力のストレスから、完全に解放されますよ。
エクスプレスカードの具体的な設定方法と使い方
SuicaやPASMOをエクスプレスカードに設定して、めんどくさいパスコード認証から解放されましょう。
設定は「ウォレット」アプリではなく、「設定」アプリから行います。
一度設定してしまえば、あとは驚くほど快適になりますよ。
具体的な設定手順は以下の通りです。
- iPhoneのホーム画面から「設定」アプリ(歯車のアイコン)を開きます。
- 下にスクロールし、「ウォレットとApple Pay」という項目をタップしてください。
- 「支払い設定」のセクションにある「エクスプレスカード」というメニューを選択します。
- ウォレットに登録されているSuicaやPASMOなどの交通系ICカードが表示されます。
- エクスプレスカードとして設定したいカード(例えば、Suica)をタップして、チェックマークを付けます。
- この時、Face IDやTouch ID、またはパスコードでの認証が求められる場合があります。
これで設定は完了です。
使い方はとても簡単。
駅の自動改札や、コンビニ・自販機のリーダーに、iPhoneの上部をかざすだけです。
画面をつけたり、ウォレットアプリを開いたりする必要は一切ありません。
iPhoneがロックされたままでも、バッテリーが切れて予備電力モードになっていても、リーダーにかざせば支払いができます。
この手軽さは、一度体験すると元には戻れないほど。
毎日の通勤・通学や、ちょっとした買い物が、ぐっとスムーズになりますよ。
Face IDやTouch IDの認証精度を上げるコツ
Apple Payでパスコード入力を求められるのは、多くの場合、Face IDやTouch IDでの生体認証がうまくいかなかった時です。
つまり、この生体認証の成功率を上げることができれば、パスコードを入力する「めんどくさい」場面を大幅に減らすことができます。
ここでは、それぞれの認証精度を上げるための簡単なコツを紹介します。
Face IDの精度を上げるコツ:
- 「もう一つの容姿」を設定する:
普段メガネをかけている方は、メガネを外した顔を「もう一つの容姿」として登録したり、仕事用のマスク姿を登録したりすることで、認識率が向上します。「設定」→「Face IDとパスコード」→「もう一つの容姿をセットアップ」から設定できます。 - 顔をしっかりカメラに向ける:
歩きながらや、斜めからの認証は失敗しやすいです。できるだけiPhoneを正面から、目・鼻・口がしっかりTrueDepthカメラに収まるように意識しましょう。
Touch IDの精度を上げるコツ:
- 同じ指を複数登録する:
指紋の登録は最大5つまで可能です。ここに、普段よく使う指(例えば、右手親指)を、角度を少しずつ変えながら2〜3個登録しておくことで、どの角度で触れても認証されやすくなります。 - 指を清潔で乾いた状態に保つ:
指が濡れていたり、汚れていたりすると、指紋の読み取り精度は大きく低下します。認証する前に、指の状態を確認する癖をつけましょう。
これらの小さな工夫で、生体認証の成功率は大きく改善します。
スムーズな支払いのために、ぜひ一度試してみてください。
マスク着用時にFace IDをパスコードなしで使う設定
コロナ禍以降、マスクを着用したままだとFace IDがうまく機能せず、結局パスコードを入力する羽目になってめんどくさい、という経験をした方は多いと思います。
しかし、iOS 15.4以降のiPhone(iPhone 12以降のモデル)では、マスクを着けたままでも顔認証ができる機能が追加されました。
この設定をオンにすれば、マスク生活での支払いが格段にスムーズになります。
設定方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開き、「Face IDとパスコード」をタップします。
- パスコードを入力して、設定画面に入ります。
- 下にスクロールし、「マスク着用時Face ID」という項目を見つけます。
- このスイッチをタップして、オン(緑色)に切り替えてください。
- 顔のスキャンが求められるので、画面の指示に従って、マスクを着けていない状態で顔を登録します。
この設定では、顔の上半分、特に目の周りの特徴をより精密に認識することで、マスクをしていても本人を識別します。
また、Apple Watchをお持ちの方は、もう一つの便利な方法があります。
「設定」→「Face IDとパスcode」の中にある「Apple Watchでロック解除」をオンにしておけば、Face IDがマスクで顔を認識できない時に、ロックが解除された状態のApple Watchが近くにあれば、自動でiPhoneのロックも解除してくれます。
これらの機能を活用して、マスク時のパスコード入力の手間をなくしましょう。
Apple Watchでの支払いでiPhoneの認証を省略する方法
Apple Payのパスコード入力がめんどくさいと感じるなら、Apple Watchを使った支払いに切り替えるのが、最もスマートで快適な解決策かもしれません。
Apple Watchをお持ちであれば、iPhoneをカバンやポケットから一切取り出すことなく、手首のデバイスだけで支払いを完結させることができます。
使い方は非常に簡単です。
- まず、Apple Watchのサイドボタン(デジタルクラウンの下にある、平らなボタン)を素早く2回ダブルクリックします。
- すると、Apple Watchの画面に、メインカードとして設定しているクレジットカードやSuicaが表示されます。
- そのまま、Apple Watchのディスプレイを、お店の決済端末(リーダー)に数センチの距離まで近づけます。
- 「ピピッ」という音と、手首への軽い振動があれば、支払い完了です。
この間、iPhoneを取り出したり、Face IDやTouch IDで認証したり、パスコードを入力したりといった操作は一切不要です。
Apple Watchは、手首に装着されていて、かつロックが解除されている状態であれば、持ち主本人が利用していると見なされるため、毎回改めて認証する必要がないのです。
レジ前で、スマートフォンをごそごそと取り出して認証する手間がなくなるだけで、支払いの体験は劇的に向上します。
特に、両手が塞がっている時や、急いでいる時には、その便利さを実感できるでしょう。
サイドボタンのダブルクリック設定をオフにできる?
支払い時ではありませんが、「iPhoneのサイドボタンを意図せずダブルクリックしてしまい、ウォレット(Apple Pay)が勝手に起動するのがめんどくさい」と感じる方もいるでしょう。
特に、スクリーンショットを撮ろうとした時や、カバンの中でボタンが押されてしまった時などに、この現象が起こりがちです。
このサイドボタンをダブルクリックしてウォレットを呼び出すショートカット機能は、設定でオフにすることが可能です。
設定手順は以下の通りです。
- iPhoneの「設定」アプリを開きます。
- 下にスクロールし、「ウォレットとApple Pay」という項目をタップしてください。
- 「支払い設定」というセクションの中に、「サイドボタンをダブルクリック」という項目があります。
- この右側にあるスイッチをタップして、オフ(白色)に切り替えてください。
これで、サイドボタンをダブルクリックしても、ウォレットは起動しなくなります。
じゃあ、どうやってApple Payを使うの?と疑問に思うかもしれません。
この設定をオフにした場合は、支払い時にiPhoneを決済端末に近づけると、自動的にApple Payの画面が起動するようになります。
あるいは、ホーム画面からウォレットアプリを手動で開いて、使うカードを選択することも可能です。
誤作動に悩まされている方は、この設定をオフにしてみると、ストレスが一つ減るかもしれませんね。
Apple Payのパスコードがめんどくさい理由とセキュリティの仕組み
- なぜ支払い時にパスコードを毎回要求されるの?
- パスコードを求められる時と求められない時の違い
- パスコードはあなたの情報を守る重要なセキュリティ機能
- クレジットカード決済でパスコードが必要になる仕組み
- ロック解除のパスコード自体をオフにできない理由
なぜ支払い時にパスコードを毎回要求されるの?
Apple Payで支払いをする際に、Face IDやTouch IDの認証に失敗すると、必ずパスコードの入力を求められますよね。
「一度失敗しただけなのに、めんどくさいな」と感じるかもしれませんが、これはあなたのiPhoneとお金を守るための、非常に重要なセキュリティステップなのです。
Face IDやTouch IDといった生体認証は、とても便利で安全ですが、100%完璧ではありません。
例えば、寝起きの顔や、指が濡れている時、あるいは双子の兄弟など、認証がうまくいかない、または誤って認証されてしまう可能性がゼロではないのです。
そこで、生体認証が失敗した際の「最後の砦」として機能するのが、あなただけが知っている「パスコード」です。
もし、パスコードというバックアップ手段がなければ、生体認証に失敗したらずっと支払いができなくなってしまいますし、逆に、もしパスコードなしで何度も生体認証を試みることができたら、悪意のある第三者にロックを突破されるリスクが高まります。
つまり、パスコードの入力要求は、「本当に持ち主本人ですか?」という最終確認なのです。
これは、iPhoneを紛失したり、盗難に遭ったりした時に、他人に不正利用されるのを防ぐための、最低限かつ最も重要な防衛ライン。
少しめんどくさいと感じるかもしれませんが、その一手間が、あなたの資産とプライバシーを強力に保護してくれている、と考えてくださいね。
パスコードを求められる時と求められない時の違い
Apple Payでパスコードを求められるのは、Face IDやTouch IDに失敗した時だけではありません。
iPhoneのシステムが「セキュリティ上のリスクが通常より高い」と判断した場合にも、意図的にパスコードの入力を要求してくることがあります。
では、どのような時にパスコードが求められるのでしょうか。
主なケースは以下の通りです。
- iPhoneを再起動した直後
電源を入れ直した後は、セキュリティをリセットするため、最初のロック解除は必ずパスコードの入力が必要です。 - 48時間以上、ロックを解除していない場合
長期間操作されていないiPhoneは、紛失や盗難の可能性があると見なされ、本人確認が厳しくなります。 - パスコードを6回連続で間違えた後
不正なアクセスが試みられていると判断され、一時的にiPhoneが使用できなくなり、復旧にはパスコードが必要になります。 - 生体認証(Face ID/Touch ID)に5回連続で失敗した場合
これも不正アクセス対策の一環で、一度パスコードでロックを解除するまで、生体認証は使えなくなります。 - 「緊急SOS」機能を使用した直後
緊急事態の後は、本人の安全確認のため、パスコードが要求されます。
このように、iPhoneは常に状況を監視し、必要に応じてセキュリティレベルを自動で引き上げています。
パスコード入力は、そうした安全機能が正常に作動している証拠でもあるのです。
パスコードはあなたの情報を守る重要なセキュリティ機能
私たちが普段何気なく使っているiPhoneのパスコードですが、これはApple Payだけでなく、あなたの個人情報を守るための、最も基本的で最も重要なセキュリティ機能です。
今のiPhoneには、連絡先や写真、メッセージ、様々なアプリのログイン情報など、まさに個人情報の塊が詰まっています。
もし、パスコードを設定せずにiPhoneを使っていたら、どうなるでしょうか。
万が一、iPhoneを紛失したり、盗まれたりした場合、それを手にした第三者は、何の障害もなくあなたの全ての情報にアクセスできてしまいます。
友人にいたずらでメッセージを送られたり、SNSアカウントを乗っ取られたりするかもしれません。
さらに、Apple Payに登録されたクレジットカード情報を使われ、勝手に高額な買い物をされてしまう危険性もあります。
パスコードは、こうした最悪の事態を防ぐための「玄関の鍵」です。
この鍵があるおかげで、たとえiPhone本体が他人の手に渡ってしまっても、中の大切な情報や資産は守られるのです。
Appleは、ユーザーのプライバシー保護を非常に重視しており、パスコードで暗号化されたデータを、Apple自身ですら解除できないほど、強固なセキュリティを構築しています。
支払いの度に認証するのが「めんどくさい」と感じる気持ちも分かりますが、その一手間が、あなたの生活全体を守ってくれている、ということを忘れないでくださいね。
クレジットカード決済でパスコードが必要になる仕組み
「どうしてSuicaのエクスプレスカードは認証なしで使えるのに、クレジットカードは毎回認証がめんどくさいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
この違いは、それぞれの決済の性質にあります。
Suicaのような交通系ICカードの決済は、あらかじめチャージした金額(前払いした自分のお金)から支払う「プリペイド方式」です。
取引の上限額も比較的低く、スピーディーさが求められる交通機関での利用が主なため、利便性を優先して毎回の認証が省略されています。
一方、クレジットカードでの決済は、カード会社が一時的にお金を立て替えて支払い、後日あなたに請求する「ポストペイ(後払い)方式」です。
これは、カード会社とあなたとの「信用の取引」であり、高額な決済も可能になります。
そのため、万が一不正利用された場合の被害額が大きくなる可能性があり、決済ごとにより厳格な本人確認が求められるのです。
Face IDやTouch ID、そしてパスコードによる認証は、カード会社に対して「この支払いを行っているのは、間違いなくカードの持ち主本人です」と証明するための、非常に重要な手続きです。
この認証があるからこそ、私たちは安全にクレジットカード決済の利便性を享受できるわけです。
Suicaとクレジットカードの認証方法の違いは、それぞれのサービスの仕組みに基づいた、合理的な理由があるのです。
ロック解除のパスコード自体をオフにできない理由
「Apple Payだけでなく、iPhoneのロックを解除する時のパスコード入力そのものがめんどくさいから、いっそオフにしてしまいたい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、現在のiPhone(iOS)では、Face IDやTouch IDを設定している場合、パスコードを完全にオフにすることはできなくなっています。
これは、Appleがユーザーのプライバシーとセキュリティを最優先に考えているためです。
もしパスコードをオフにできてしまったら、あなたが寝ている間に、他人があなたの指を使ってTouch IDでロックを解除し、iPhoneの中身を覗き見ることができてしまいます。
Face IDの場合も同様のリスクが考えられます。
パスコードは、こうした生体認証が突破されたり、機能しなかったりした場合の、最後の砦として設定が必須となっているのです。
過去の古いiOSではパスコードをオフにすることも可能でしたが、スマートフォンに保存される情報の重要性が増すにつれて、セキュリティポリシーが強化されてきました。
Apple Payにクレジットカードを登録したり、様々な個人情報を取り扱う上で、パスコードによる最低限の保護は、もはやユーザーの「義務」とも言えるかもしれません。
少し不便に感じるかもしれませんが、それはあなたのiPhoneという「小さな金庫」の鍵のようなもの。
安全のためには、なくてはならない存在なのです。
Apple Payのパスコードがめんどくさい問題のまとめ
- Apple Payの決済時に求められるパスコード認証は、セキュリティ上、原則オフにできません。
- SuicaやPASMOを「エクスプレスカード」に設定すれば、パスコード不要で支払いが可能です。
- Face IDやTouch IDの認証精度を上げることで、パスコードを入力する機会を減らせます。
- マスク着用時の顔認証は、「マスク着用時Face ID」を設定すればパスコードなしで利用できます。
- パスコード入力がめんどくさいなら、iPhoneを取り出す必要がないApple Watchでの支払いがおすすめです。
- 支払い時のパスコード要求は、あなたの個人情報とお金を守るための重要なセキュリティ機能です。
- 意図せずウォレットが起動するのが嫌な場合、サイドボタンのダブルクリック設定はオフにできます。