中国からの電話(+86)に出てしまった!料金はかかる?詐欺の手口と無視していい理由、正しい対処法

「+86」など中国からの国際電話に出てしまっても、基本的に料金は発生しません。

しかし、その電話は詐欺の可能性が非常に高く、安易な折り返しは高額請求に繋がる危険があります。

相手の目的は、あなたの番号が現在使われているかどうかの確認や、不安を煽ってかけ直させることです。

この記事では、国際電話詐欺の具体的な手口から、iPhone・Android別の詳しい着信拒否設定、無視し続けても良い理由までを解説します。

正しい知識を身につけて、不必要な不安を解消しましょう。

目次

中国からの電話に出てしまった場合、料金は発生するのか

そもそも「+86」から始まる電話の正体とは

「+86」から始まる電話番号は、中国からの国際電話です。

この番号からかかってくる電話の多くは、残念ながら詐欺や悪質な勧誘を目的とした迷惑電話である可能性が高いでしょう。

「+86」というのは、国際電話をかける際に、相手の国を識別するために割り当てられた「国番号」と呼ばれるものです。

日本が「+81」であるように、中国には「+86」が割り当てられています。

そのため、中国にお住まいの知り合いや取引先がいる場合は、その方からの電話である可能性もゼロではありません。

しかし、最近では自動で電話番号を生成し、手当たり次第に電話をかける「オートコール」というシステムを使った詐欺が多発しています。

もし中国に心当たりがないのであれば、安易に出たり、かけ直したりしないのが一番の対策と言えますね。

「でも、もしかしたら大事な電話かも」と不安に感じるかもしれませんが、本当に用事がある相手なら、留守電にメッセージを残したり、別の方法で連絡してきたりするはずです。

電話に出るだけで料金は発生するのか、発生しないのか

かかってきた国際電話に出るだけなら、基本的に料金が発生することはありません。

国際電話の通話料は、原則として電話をかけてきた相手側、つまり発信者が負担する仕組みになっています。

ですから、あなたが「+86」からの電話に出てしまっても、それだけで高額な料金を請求される心配はしなくて大丈夫ですよ。

では、なぜ「知らない国際電話には出るな」とよく言われるのでしょうか。

それは、詐欺グループの目的が別にあるからです。

彼らは、あなたが電話に出ることで「この電話番号は現在使われている」と確認しています。

また、通話中に何か言葉を交わしてしまうと、その音声データを悪用される危険性も考えられます。

一番の狙いは、ワン切りなどで着信を残し、あなたに不安をあおって「折り返し電話」をさせることなのです。

うっかり出てしまっても焦らず、すぐに電話を切れば実害はないケースがほとんど。

料金の心配よりも、かけ直さないこと、そしてすぐに着信拒否の設定をすることを心がけてください。

折り返し電話をするときの具体的な料金体系

もし「+86」からの電話に折り返してしまうと、高額な国際通話料が発生する可能性が非常に高いです。

絶対にかけ直さないようにしてくださいね。

日本の主要な携帯電話会社から中国へ電話をかけた場合の通話料金は、おおよそ以下のようになっています。

携帯電話会社通話料金(30秒あたり)
NTTドコモ68円(平日昼間)
au65円
ソフトバンク99円
楽天モバイル34.5円

※上記は2024年時点の一般的なプランの料金例であり、プランや時間帯によって変動する場合があります。

例えば、ソフトバンクのスマホからうっかり5分間折り返し電話をしてしまうと、単純計算で99円×10(5分=30秒×10)=990円もの通話料がかかってしまいます。

さらに怖いのは、詐欺グループが用意した特殊な番号につながるケースです。

この場合、通常の国際通話料に加えて高額な情報料が上乗せされ、数万円といった法外な料金を請求される「国際的なプレミアムレートサービス」の被害に遭う危険性もあります。

着信履歴が残っていると気になってしまうかもしれませんが、その好奇心が大きな損害につながることを覚えておいてください。

なぜワン切りで何度もかかってくるのか

ワン切りで何度も電話がかかってくる主な目的は、あなたに「折り返し電話」をさせるためです。

一度呼び出しただけですぐに切ることで、「誰からの電話だろう?」「何か緊急の用事だったのかな?」と相手の不安や好奇心をあおります。

そして、その心理を利用して、高額な通話料が発生する番号へかけ直させようと誘導しているのです。

この手口には、他にもいくつかの目的が隠されています。

  • その電話番号が現在使われているかどうかの確認
  • 応答した番号を「生きているリスト」として登録
  • 登録したリストを別の詐欺グループに売買する
  • 今後の詐欺電話やSMS(ショートメッセージ)のターゲットにする

彼らは「オートコール」というプログラムを使い、コンピューターで無作為に生成した電話番号へ自動的に発信しています。

そのため、人の手で一件一件かけているわけではなく、非常に効率的に、そして執拗に電話をかけ続けることができるのです。

「しつこいな」と感じるかもしれませんが、それは機械が自動で行っているだけ。

ワン切り電話に対しては、一切反応せずに無視を貫くのが最も安全で効果的な対策と言えるでしょう。

中国からの電話に出てしまったときの料金と正しい対処法

考えられる国際電話詐欺の具体的な手口一覧

「+86」からの電話に出てしまった場合、いくつかの詐欺の手口が考えられます。

相手が日本語を話し始めても、決して信用しないでください。

よくある手口を知っておくだけで、冷静に対処できるようになりますよ。

代表的な詐欺の手口は以下の通りです。

  • 大使館・領事館の職員を名乗る手口
    「重要書類が届いている」「在留資格に問題がある」などと偽り、個人情報を聞き出そうとします。公的機関が電話で個人情報や金銭を要求することは絶対にありません。
  • 国際郵便の配達員や税関職員を装う手口
    「荷物が税関で止まっている」「関税の支払いが必要」などと言って、支払いを要求したり、偽サイトに誘導したりします。
  • 警察や国際警察を名乗る手口
    「あなたの銀行口座が犯罪に使われた」「マネーロンダリングの疑いがある」などと不安をあおり、資産を確認するなどと称して口座情報を聞き出そうとします。
  • 通信会社やプロバイダをかたる手口
    「未納料金がある」などと偽の請求をし、支払いを要求してきます。

これらの手口に共通しているのは、不安をあおって冷静な判断をできなくさせることです。

少しでも「怪しい」と感じたら、すぐに電話を切ることが大切です。

身に覚えのない電話に出てしまった際の正しい対応

万が一、身に覚えのない「+86」からの電話に出てしまったとしても、落ち着いて対処すれば大丈夫です。

パニックにならず、以下の3つの行動を徹底してください。

  1. 何も話さずに、すぐに電話を切る
    相手が何か話してきても、応答する必要はありません。「もしもし」などの言葉も言わずに、すぐに通話終了ボタンを押しましょう。詐欺グループは、応答した人間の声を録音し、悪用する可能性も指摘されています。
  2. 絶対に個人情報は言わない
    名前や住所、生年月日、家族構成、勤務先など、自分に関する情報は一切話さないでください。相手は巧みな話術で情報を引き出そうとしてきますが、どんな質問にも答えてはいけません。
  3. 絶対に折り返し電話をしない
    これが最も重要です。着信履歴が残っていても、絶対にかけ直さないでください。前述の通り、高額な国際通話料や情報料を請求される原因になります。

うっかり出てしまった自分を責める必要はありません。

大切なのは、その後の行動です。

「すぐに切る」「話さない」「かけ直さない」。

この3つを鉄則として覚えておけば、被害に遭うリスクを大幅に減らすことができますよ。

今すぐできるiPhoneでの詳しい着信拒否の設定手順

しつこくかかってくる迷惑電話は、iPhoneの機能を使って着信拒否するのが一番です。

設定はとても簡単なので、すぐに試してみてくださいね。

主な設定方法は2つあります。

  1. 特定の番号だけを着信拒否する方法
    すでに着信履歴に残っている番号を拒否するやり方です。
    • 「電話」アプリを開き、画面下の「履歴」をタップします。
    • 拒否したい「+86」から始まる電話番号の右側にある「i」マークをタップします。
    • 画面を一番下までスクロールし、「この発信者を着信拒否」をタップします。
    • 確認画面が出るので、「連絡先を着信拒否」を選べば完了です。
  2. 知らない番号からの電話をまとめて消音する方法
    連絡先に登録していない番号からの着信を、すべてサイレントにする機能です。着信音は鳴りませんが、履歴には残ります。
    • 「設定」アプリを開きます。
    • 「電話」の項目までスクロールしてタップします。
    • 「不明な発信者を消音」という項目をタップします。
    • スイッチをオン(緑色)にすれば設定完了です。

この「不明な発信者を消音」機能は、国際電話だけでなく、国内からの迷惑電話や営業電話対策にもなるので、とても便利ですよ。

今すぐできるAndroidでの詳しい着信拒否の設定手順

Androidのスマートフォンでも、もちろん着信拒否の設定ができます。

お使いの機種やOSのバージョンによって少し表示が違うかもしれませんが、基本的な操作は同じなので、ぜひ試してみてください。

主な設定方法は、iPhoneと同じく2つあります。

  1. 特定の電話番号を着信拒否する方法
    着信履歴から、迷惑な番号を個別にブロックするやり方です。
    • 「電話」アプリを開き、「履歴」や「通話履歴」のタブを選択します。
    • 拒否したい「+86」の番号をタップ、または長押しします。
    • メニューが表示されたら、「ブロック」や「着信拒否」、「ブロックして迷惑電話として報告」といった項目を選びます。
    • 確認画面で「ブロック」などをタップすれば完了です。
  2. 不明な番号からの着信をまとめてブロックする方法
    電話帳に登録されていない番号からの電話を、一括で拒否する機能です。
    • 「電話」アプリを開き、右上のメニューボタン(点が3つ並んだアイコンなど)をタップします。
    • 「設定」→「ブロック中の電話番号」や「通話設定」→「着信拒否設定」といった項目に進みます。
    • 「不明な発信者からの着信をブロック」や「非通知設定」などのスイッチをオンにすれば設定完了です。

もし操作方法がわからない場合は、「(お使いの機種名) 着信拒否」で検索すると、より詳しい手順が見つかりますよ。

無視し続けても問題ないのか、危険性はないのか

結論から言うと、「+86」から始まる心当たりのない電話は、無視し続けるのが最も安全で正しい対処法です。

無視すること自体に、直接的な危険性はほとんどありません。

むしろ、下手に反応してしまう方がリスクを高めてしまいます。

電話に出たり、折り返したりすることで、「この番号は使われている」「反応がある」と相手に教えてしまうことになり、さらに多くの迷惑電話を呼び寄せる原因になりかねません。

ただし、無視し続けることによる間接的な「危険性」や「デメリット」も知っておくとよいでしょう。

  • 着信が続くことによる精神的なストレス
  • 「自分の番号が流出している」という事実
  • ごく稀に、知り合いからの電話である可能性

とはいえ、詐欺のリスクと比較すれば、これらは無視できるレベルです。

本当に大切な用件であれば、電話以外の手段(メールやSNSなど)で必ず連絡が来るはずです。

「無視しても大丈夫かな?」と不安に思う気持ちはよく分かりますが、迷惑電話に対しては「徹底的に無視」が鉄則です。

着信がしつこい場合は、前述した着信拒否設定を積極的に活用してくださいね。

なぜ自分の電話番号が流出しているのか

「どうして私の番号を知っているの?」と、不気味に感じますよね。

自分の電話番号が、知らないうちに詐欺グループの手に渡ってしまう原因は、いくつか考えられます。

主な流出経路としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 名簿業者からの購入
    残念ながら、世の中には個人情報を売買する悪質な「名簿業者」が存在します。過去に登録した何らかのサービスから情報が漏れ、それが売買されている可能性があります。
  2. 企業やサービスからの情報漏洩
    利用したネットショップやアプリなどのサーバーが攻撃を受け、登録していた個人情報が丸ごと盗み出されてしまうケースです。これは自分では防ぎようがなく、非常に厄介です。
  3. ランダムな番号生成(オートコール)
    特定のリストを使わず、コンピューターが電話番号を自動で生成して手当たり次第に発信している場合もあります。この場合は、番号が流出したわけではなく、偶然かかってきただけということになります。
  4. SNSやウェブサイトでの公開
    自分自身が、ブログやSNSのプロフィールなどに電話番号を公開していると、それを収集されてしまうことがあります。

このように、流出経路は様々で、原因を特定するのは非常に困難です。

自分の番号が流出してしまった可能性を前提に、知らない番号には出ない、安易に電話番号を登録しない、といった自衛策を普段から心がけることが大切になります。

高額請求が届いた場合に相談できる窓口一覧

万が一、詐欺に遭ってしまい、身に覚えのない高額な請求が届いてしまった場合は、一人で抱え込まずに専門の窓口へ相談してください。

焦って支払ってしまう前に、まずは専門家のアドバイスを求めましょう。

信頼できる主な相談窓口は以下の通りです。

相談窓口名電話番号概要
消費者ホットライン188(いやや!)契約トラブルや悪質商法など、消費生活全般に関する相談ができます。どこに相談して良いか分からない場合にまずかけると、最寄りの消費生活センターなど適切な窓口を案内してくれます。
警察相談専用電話#9110犯罪にあたるか分からないけれど不安なこと、ストーカーやDV、悪質商法など、緊急性の低い相談に対応してくれます。専門の相談員がアドバイスをくれたり、必要に応じて担当部署へつないでくれたりします。
各携帯電話会社の相談窓口各社ウェブサイト参照架空請求や不審なSMSなどについて相談できます。迷惑電話の着信拒否サービスや、フィルター設定などの具体的な対策方法も教えてもらえます。
法テラス(日本司法支援センター)各地域で異なる経済的な理由などで弁護士への相談が難しい場合に、無料の法律相談や、弁護士費用の立て替え制度などを利用できます。法的な解決が必要になった場合の心強い味方です。

請求書が届くとパニックになってしまいますが、慌てないことが重要です。

これらの窓口はあなたの味方なので、安心して連絡してみてください。

LINEにかかってくる不審な電話の危険性とは

最近では、スマートフォンの電話機能だけでなく、LINEの通話機能を使った詐欺も増えています。

知らないアカウントから突然LINE電話がかかってきた場合も、安易に出るのは危険です。

LINE電話を使った詐欺には、以下のようなリスクが潜んでいます。

  • 個人情報を聞き出すフィッシング詐欺
    宅配業者や友人になりすまして、「荷物を届けるので住所を教えて」「電話番号を登録し直したいから教えて」などと、巧みに個人情報を聞き出そうとします。
  • アカウントの乗っ取り
    通話中に「認証番号を送ったので教えて」などと言って、LINEアカウントを乗っ取るために必要な4桁の認証番号を聞き出そうとする手口です。絶対に教えてはいけません。
  • 有料サービスへの誘導
    「儲かる話がある」などと言って、怪しい投資グループや有料のオンラインサロンなどに誘導されるケースもあります。

対策としては、LINEの設定を見直すことが有効です。
「設定」→「プライバシー管理」から、「IDによる友だち追加を許可」をオフにしたり、「設定」→「友だち」から、「友だちへの追加を許可」をオフにしたりすることで、知らない人から勝手に友だち追加されるのを防げます。

見知らぬアカウントからの着信は、電話と同様に無視またはブロックするのが一番です。

今後の国際電話詐欺を防ぐための予防策

一度迷惑電話がかかってくると、またかかってくるのではないかと不安になりますよね。

今後の被害を防ぐために、今日からできる予防策をいくつかご紹介します。

普段のちょっとした心がけで、リスクは大きく減らせますよ。

  1. 携帯電話会社の「国際電話着信拒否サービス」を利用する
    ドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアでは、海外からの電話を一括で拒否できる無料のサービスを提供している場合があります。海外とのやり取りが全くないのであれば、申し込んでおくと安心です。詳しくは各社のウェブサイトを確認したり、ショップで相談してみてください。
  2. 安易に電話番号を登録・公開しない
    信頼性の低いウェブサイトやアプリに、安易に自分の電話番号を登録するのはやめましょう。懸賞応募やアンケートなども、情報収集が目的の場合があるので注意が必要です。
  3. 留守番電話サービスを活用する
    知らない番号からの電話には出ずに、一度留守番電話にまわす癖をつけましょう。本当に用事がある相手なら、必ずメッセージを残してくれるはずです。メッセージがない電話は、迷惑電話だと判断できます。
  4. 定期的にパスワードを変更する
    電話番号が流出する原因の一つに、サービスからの情報漏洩があります。各種ウェブサービスのパスワードを定期的に変更し、使いまわしを避けることで、不正アクセスのリスクを減らせます。

自分の情報は自分で守るという意識を持つことが、何よりの予防策になります。

中国からの電話に出てしまった際の料金と対処法まとめ

  • 「+86」は中国からの国際電話で、その多くは詐欺を目的としています。
  • 中国からの電話にうっかり出てしまっただけでは、通話料金は発生しません。
  • 最も危険なのは折り返し電話で、高額な国際通話料金を請求される可能性があります。
  • ワン切りで何度もかかってくるのは、折り返し電話をさせるための手口なので無視してください。
  • 最適な対処法は、iPhoneやAndroidの機能を使い、すぐに着信拒否設定をすることです。
  • 自分の電話番号は、過去に利用したサービスからの情報漏洩などで流出しているケースが考えられます。
  • 万が一、高額請求などのトラブルに巻き込まれたら、一人で悩まず消費者ホットライン「188」へ相談しましょう。
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