iPhoneのガラスコーティングで後悔？しない方がいいと言われる理由と保護フィルムとの賢い選び方

2025-08-22

iPhoneのガラスコーティングを「しない方がいい」と言われるのには、明確な理由があります。

この記事では、画面割れは防げないという事実や、Appleの保証が受けられなくなる可能性など、後悔につながる8つのデメリットを詳しく解説します。

その上で、保護フィルムとどちらがあなたに合っているのかを、比較表を使いながら分かりやすく説明。

施工してから「やめとけばよかった」とならないために、知っておくべき全ての情報をまとめました。

この記事を読めば、あなたにとって最適なiPhoneの保護方法が必ず見つかります。

iPhoneのガラスコーティングをしない方がいいと言われる主な理由

衝撃による「画面割れ」は防げないという事実

ガラスコーティングを「しない方がいい」と言われる最も大きな理由は、落下などの強い衝撃による「画面割れ」を防ぐ効果が、実はあまり期待できない点にあります。

多くのコーティング剤は「硬度9H」といった鉛筆硬度での強さをうたっていますが、これはあくまで表面の「擦り傷」に対する強さのことです。

カバンの中で鍵や硬貨と擦れても傷がつきにくい、というメリットは確かにあります。

しかし、iPhoneをコンクリートやアスファルトに落としてしまった時の、一点に集中する強い衝撃を吸収する能力はほとんどありません。

コーティングは、ガラス表面に薄い膜を塗って硬化させたものなので、衝撃を和らげる「クッション」の役割がないのです。

一方で、ガラスフィルムや衝撃吸収フィルムは、複数の素材を重ねた「層」になっています。

この層が、落下の衝撃を吸収・分散させることで、iPhone本体のガラスが割れるのを防いでくれます。

イメージとしては、コーティングは「硬い鎧」、フィルムは「衝撃吸収マット」のようなものです。

鎧は引っ掻きには強いですが、強い打撃を受ければ中の骨が折れてしまいますよね。

iPhoneを落として画面を割ってしまった経験がある方や、とにかく画面割れのリスクを一番に減らしたいと考えている方にとっては、コーティングは不向きな選択肢と言えるでしょう。

一度施工すると自分では「剥がせない」

ガラスコーティングのもう一つの大きなデメリットは、一度施工してしまうと、保護フィルムのように簡単に自分で剥がすことができない点です。

これは、コーティング剤がガラス表面の目に見えない微細な凹凸に入り込み、化学的に結合して一体化するためです。

つまり、ただの「シール」ではなく、ガラスそのものと一体になった「新しい表面層」を作り出すイメージですね。

そのため、もし専門業者に施工してもらった際に、ホコリが一つ混入してしまったり、塗りムラができてしまったりしても、「気に入らないから剥がしてやり直す」という選択ができません。

その小さな失敗と、数年間ずっと付き合っていくことになります。

また、数年使って効果が薄れてきたと感じた時や、気分を変えてフィルムにしたくなった時も、自分で元に戻すことは不可能です。

無理に剥がそうと研磨剤などでこすれば、iPhone本体のガラスを傷つけてしまい、本末転倒な結果になってしまいます。

この「後戻りできない」という特性は、ガラスコーティングを選ぶ上で最も慎重に考えるべきポイントです。

保護フィルムであれば、たとえ貼るのに失敗しても、数千円で新しいものを買って貼り直せば済みますが、コーティングの失敗は取り返しがつかないリスクを伴います。

Appleの保証や修理が受けられなくなる可能性

iPhoneにガラスコーティングを施工すると、Appleの公式保証や、AppleCare+による修理サービスが受けられなくなる可能性がある、という点は必ず知っておくべきです。

Appleの保証規定では、製品に対する「改造」が加えられた場合、保証の対象外となることが定められています。

ガラスコーティングは、iPhoneの画面に化学的な液体を塗布して表面を変化させる行為なので、この「改造」にあたると判断されるリスクがあるのです。

実際に、Apple Storeや正規サービスプロバイダに画面修理を依頼した際、「コーティングが施工されているため、修理をお受けできません」と断られたり、保証期間内にもかかわらず通常より高額な保証対象外の修理料金を請求されたりした、という事例が報告されています。

もちろん、店舗や担当者の判断によって対応が異なる場合もありますが、少なくとも「正規のサービスを問題なく受けられる」とは断言できない状況です。

特に、万が一の故障に備えて月々の料金を支払ってAppleCare+に加入している方にとっては、いざという時にその権利が使えなくなるかもしれない、というのは非常に大きなデメリットになります。

安心して公式のサポートを受けたいと考えるなら、簡単に剥がすことができて現状復帰が可能な保護フィルムを選ぶ方が賢明な判断と言えるでしょう。

下取りや買取で査定額が下がるリスクとは

新しいiPhoneに買い替える際、古い端末を下取りに出したり、中古ショップに買い取ってもらったりすることを考えている方は多いと思います。

その際、ガラスコーティングが施工されていると、査定額が下がってしまう可能性があることも「しない方がいい」と言われる理由の一つです。

なぜなら、中古品として次に購入する人から見れば、コーティングは付加価値ではなく、むしろ「元の状態ではない」と見なされることが多いからです。

買い取る側のお店としては、次に販売する商品の状態を均一に保ちたいと考えています。

コーティングが施工されていると、その効果がどれくらい残っているのか、ムラなく綺麗に施工されているのかを判断するのが難しくなります。

また、コーティングは剥がせないため、購入者が「コーティングは要らない、フィルムを貼りたい」と思っても、その希望を叶えることができません。

このような理由から、中古市場ではコーティングされていない「素の状態」の端末の方が好まれる傾向にあります。

結果として、「画面に改造が加えられている」と判断され、減額査定の対象になったり、場合によっては買取自体を断られたりするケースも考えられます。

将来的にiPhoneを売却する予定がある方は、たとえ画面を綺麗に保つためであっても、資産価値を下げてしまう可能性のあるコーティングは避けた方が無難かもしれません。

永久的な効果はなく経年劣化で塗り直しが必要

ガラスコーティングは、一度施工すればiPhoneを使い終わるまで効果が永久に続く魔法のようなものではありません。

車のコーティングと同じように、日々の使用によって少しずつ摩耗し、時間とともにその効果は薄れていきます。

一般的に、ガラスコーティングの寿命は1年から3年程度と言われています。

指で画面をスワイプする摩擦や、ポケットやカバンの中での擦れ、紫外線などの影響で、徐々にコーティング層が削れていってしまうのです。

効果が薄れてくると、購入当初のツルツルとした指滑りが失われたり、指紋や汚れが付きやすくなったり、細かな傷がつき始めたりします。

もし新品の時のような状態を維持したいのであれば、この寿命に合わせて、専門業者に依頼して再度コーティングを塗り直してもらう必要があります。

もちろん、再施工には初回と同じように数千円の費用がかかります。

これを2、3年ごとに行うと考えると、トータルコストはかなり高額になりますよね。

保護フィルムであれば、傷が目立ってきたら数千円で新しいものに自分で貼り替えるだけで、いつでも新品同様の綺麗な画面を取り戻せます。

「一度やれば終わり」ではないという点は、コーティングを検討する上で見落としがちなポイントなので、長期的な視点で考えることが大切です。

施工料金が保護フィルムより高額

ガラスコーティングを選ばない理由として、単純に「価格が高い」という点も挙げられます。

iPhoneの画面を保護するという同じ目的でありながら、ガラスコーティングは保護フィルムに比べて初期費用が高額になるケースがほとんどです。

例えば、高品質なガラスフィルムであれば、家電量販店やオンラインストアで2,000円から3,000円程度で購入できます。

貼り付けサービスを利用したとしても、プラス1,000円程度でしょう。

一方で、専門の業者にガラスコーティングを依頼する場合、料金相場は安くても4,000円前後から、高いところでは1万円を超えることも珍しくありません。

画面だけでなく、背面やカメラレンズなど、iPhone全体をコーティングするとなると、さらに料金は上がります。

もちろん、プロによる丁寧な施工や、フィルムにはない仕上がりの美しさといった価値はありますが、数千円の差は決して小さくありません。

さらに、先ほど説明したように、コーティングは経年劣化するため、効果を維持するには数年ごとの再施工が必要です。

そのたびに数千円の出費がかかることを考えると、トータルコストの差はさらに広がっていきます。

コストパフォーマンスを重視する方や、画面保護になるべくお金をかけたくないと考えている方にとっては、気軽に貼り替えられる保護フィルムの方が、はるかに経済的な選択と言えるでしょう。

自分でやると失敗してムラになる危険性

専門業者に頼むと料金が高いからといって、市販されているガラスコーティング剤を使って自分で施工しようと考える方もいるかもしれません。

しかし、これは「しない方がいい」と言われる理由の中でも、特にリスクの高い行為です。

なぜなら、素人が行うと、塗りムラができてしまったり、ホコリが混入してしまったりする失敗の可能性が非常に高いからです。

専門業者は、専用のクリーンな環境で、適切な量の液剤を均一に塗り広げるための専門知識と技術を持っています。

しかし、自宅のリビングなどで行うと、空気中に舞っている目に見えない小さなホコリが画面とコーティング剤の間に入り込んでしまうことがあります。

一度硬化が始まってしまうと、そのホコリを取り除くことはできません。

また、液剤を均一に塗り広げるのも意外と難しく、一部分だけ厚くなってしまったり、逆に薄くなってしまったりして、光の反射で見るとムラが目立ってしまうこともあります。

このムラは、画面の視認性を損なうだけでなく、見た目も非常に悪くなります。

そして一番の問題は、これらの失敗が「取り返しがつかない」ということです。

フィルムであれば失敗しても剥がせますが、コーティングは剥がせません。

大切なiPhoneに、自らの手で永久に残る傷やムラを作ってしまうリスクを考えると、安易なDIYは避けるべきだと言えるでしょう。

コーティングが剥がれてきた時の見た目の問題

ガラスコーティングは経年劣化するとお伝えしましたが、その劣化がまだらに進んだ場合、かえってiPhoneの見た目を損ねてしまうという問題があります。

新品のコーティングは均一な膜ですが、指でよく触る画面の中央部分や、ポケットで擦れやすい角の部分などから、少しずつコーティングが剥がれてくることがあります。

すると、コーティングが残っている部分と、剥がれてしまった部分とで、光の反射具合や指紋の付き方が変わってしまい、まるで画面にシミができたかのように見えてしまうのです。

特に、指紋防止や撥水効果をうたっているコーティングの場合、効果が残っている部分は指紋が付きにくいのに、剥がれた部分はベタベタと指紋が残る、といった状態になり、非常にみすぼらしい印象を与えかねません。

この「まだら剥がれ」の状態になってしまうと、対処法はほとんどありません。

自分で綺麗に全てを剥がすことは不可能ですし、かといってこのまま使い続けるのもストレスが溜まります。

唯一の解決策は、専門業者に依頼して再度コーティングを上塗りしてもらうことですが、もちろんそれにはまた費用がかかります。

保護フィルムであれば、古くなったり汚れたりしたら、いつでも自分で剥がして新品に交換できます。

劣化してきた時の出口戦略がほとんどない、という点も、ガラスコーティングの大きなデメリットの一つと言えるでしょう。

iPhoneにガラスコーティングをしない方がいいか迷った時の判断基準

保護フィルムとの違いを比較表で分かりやすく解説

ガラスコーティングと保護フィルム、どちらを選ぶべきか迷った時は、それぞれの特徴を客観的に比較してみるのが一番です。

あなたが何を重視するかによって、最適な選択は変わってきます。

ここでは、両者の違いを分かりやすい比較表にまとめてみました。

項目	ガラスコーティング	保護フィルム（ガラスタイプ）
主な目的	擦り傷防止、指滑り向上	画面割れ防止（耐衝撃）
耐衝撃性	△ (ほとんどない)	◎ (衝撃を吸収・分散)
傷への強さ	◎ (硬度が高く擦り傷に強い)	◯ (製品によるが傷はつく)
貼り直し	× (一度施工すると剥がせない)	◯ (気に入らなければ貼り直せる)
施工の難易度	△ (自分でやると失敗リスク大)	◯ (貼り付けキットで比較的簡単)
価格相場	4,000円〜10,000円程度	2,000円〜4,000円程度
見た目	◎ (段差がなく一体感がある)	△ (フチに段差や厚みが出る)
Appleの保証	× (対象外になるリスクあり)	◯ (剥がせば問題なし)
効果の持続性	1年〜3年で劣化	傷や割れがなければ半永久的

この表を見ると、両者には明確な得意・不得意があることが分かりますね。

コーティングは「見た目の美しさと、日常的な擦り傷への強さ」を追求するものであり、フィルムは「万が一の落下から画面を守る実用性」を重視するものです。

この根本的な違いを理解することが、後悔しない選択への第一歩となります。

結局どっちを選ぶべき？目的別のおすすめな人

コーティングとフィルムの違いが分かったところで、結局自分はどちらを選べば良いのか、目的別に具体的なおすすめを提案します。

以下のどれが自分の考えに近いか、チェックしてみてください。

とにかくiPhoneの画面を割りたくない人 → 保護フィルム
「過去に何度も画面を割った経験がある」「絶対に修理費用を払いたくない」という方には、迷わず耐衝撃性の高い保護フィルムをおすすめします。コーティングでは落下の衝撃は防げません。

iPhone本来の美しいデザインを損ないたくない人 → ガラスコーティング
「フィルムの厚みやフチの段差がどうしても気になる」「裸で持っているかのような一体感が欲しい」という方には、ガラスコーティングが向いています。指滑りの良さも魅力です。

コストをできるだけ抑えたい人 → 保護フィルム
初期費用も安く、貼り替えも手軽にできる保護フィルムは、コストパフォーマンスに優れています。数千円で安心が買えると考えれば、非常に経済的です。

Appleの保証や下取りを安心して利用したい人 → 保護フィルム
コーティングは「改造」と見なされるリスクがあるため、Appleの正規サービスや、将来の売却を考えているなら、剥がして元に戻せる保護フィルムが絶対的に安全です。

傷にも強く、割れからも守りたい欲張りな人 → 後述する「併用」も選択肢
どちらのメリットも捨てがたい、という方は、コーティングとフィルムを両方使う「併用」という方法もあります。

このように、何を最優先するかで答えは変わります。自分の使い方や価値観と照らし合わせて、最適な選択をしてくださいね。

コーティングの上からフィルムを貼る併用は意味ある？

「コーティングの傷への強さ」と「フィルムの耐衝撃性」、両方のメリットを得たいと考えた時に浮かぶのが、「コーティングを施工した上から、さらに保護フィルムを貼る」という併用ワザです。

この方法は、意味があるのでしょうか。

結論から言うと、保護としては「最強」に近い状態になるため、意味はあります。

まず、ベースとなるiPhoneの画面をガラスコーティングで保護することで、細かな擦り傷を防ぎ、指滑りを良くします。

そして、その上から衝撃吸収性能の高いガラスフィルムを貼ることで、万が一の落下による画面割れのリスクを大幅に軽減できます。

フィルムに傷が入ったり、割れたりした場合は、フィルムだけを貼り替えれば、下のコーティング層は綺麗なままです。

まさに、両者の「いいとこ取り」と言えるでしょう。

ただし、この方法にもデメリットは存在します。

まず、費用が最も高額になる点です。

コーティングの施工料金（数千円〜）と、高品質な保護フィルムの代金（数千円）の両方がかかります。

また、フィルムを貼るため、コーティングのメリットである「段差のない一体感」や「最高の指触り」は少し失われてしまいます。

さらに、タッチ感度や画面のクリアさが、層が厚くなることで若干損なわれる可能性もゼロではありません。

「コストはかかってもいいから、考えられる最高の保護をしたい」という、安心感を最優先する方にとっては、非常に有効な選択肢の一つと言えるでしょう。

それでもコーティングをしたい人向けのメリットとは

ここまで「しない方がいい」理由を多く説明してきましたが、もちろんガラスコーティングには、保護フィルムにはない優れたメリットもたくさん存在します。

デメリットを理解した上で、それでもコーティングを選びたい、という方のために、その魅力を改めて紹介しますね。

最大のメリットは、やはり「仕上がりの美しさ」です。

コーティングは液体を塗り込むため、フィルムのようにフチに段差ができたり、気泡が入ったりする心配がありません。

まるで何も貼っていないかのような一体感で、iPhone本来の美しいデザインを全く損なわないのです。

次に、「指触りと操作性の向上」が挙げられます。

高品質なコーティングを施した画面は、驚くほどツルツルになり、指の滑りが非常になめらかになります。

これにより、スワイプ操作が快適になるだけでなく、指紋や皮脂などの汚れが付きにくく、付いてもサッと拭き取りやすくなるという効果もあります。

また、フィルムという異物を一枚挟まないため、画面の透過率が非常に高く、ディスプレイの色合いや鮮やかさを損なうことなく、クリアな視界を保てるのも魅力です。

「画面割れのリスクよりも、毎日の使い心地や見た目の美しさを重視したい」と考える方にとっては、ガラスコーティングは非常に満足度の高い選択肢となるでしょう。

どこで施工できる？ヨドバシ・ドコモなど店舗別の料金相場

実際にガラスコーティングをやってみたい、と考えた時に気になるのが、「どこでやってもらえるのか」そして「いくらくらいかかるのか」ですよね。

現在、様々な店舗でコーティングサービスが提供されています。

ここでは、代表的な店舗とその料金相場、特徴をまとめました。

店舗名	料金相場（片面）	特徴
ヨドバシカメラ、ビックカメラなど大手家電量販店	3,000円〜5,000円程度	買い物ついでに気軽に依頼できる。ポイントが使える・貯まることも。施工時間は30分〜1時間程度。
ドコモ、au、ソフトバンクなどキャリアショップ	4,000円〜6,000円程度	機種変更や契約のついでに案内されることが多い。安心感があるが、店舗によってサービスの有無が異なる。
スマホ修理専門店（iCrackedなど）	4,000円〜7,000円程度	修理のプロが施工してくれる安心感。背面やカメラなど、細かい部分のコーティングにも対応していることが多い。
デパート内の特設カウンターなど	5,000円〜10,000円以上	高品質な液剤や、複数回の重ね塗りを特徴とする高級志向のサービス。価格は高めだが、持続性などをうたうものも。