「何度かお電話を差し上げましたが…」失礼にならない手紙の書き方と状況別例文集

2025-07-29

何度かお電話をしてもつながらない相手には、手紙で連絡するのが有効な手段です。

この記事では、ビジネスやプライベートなど、様々な状況でそのまま使える手紙の書き方を例文付きで紹介します。

基本的な構成やマナー、相手にプレッシャーを与えないための配慮も分かります。

失礼のない丁寧な手紙で、あなたの要件を確実に伝えましょう。

何度かお電話を差し上げましたが、つながらないようですので手紙をお送りする際の書き方

すぐに使える状況別の例文一覧

何度かお電話してもつながらない時、手紙でどう伝えたら良いか悩みますよね。

そんな時にすぐ使えるように、ビジネスや個人間の連絡など、状況別の例文をまとめました。

ご自身の状況に近いものを選んで、名前や具体的な要件を書き換えるだけで、すぐに丁寧な手紙が完成しますよ。

以下に具体的な例文を3つのシーンに分けて紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね

ビジネス（取引先へ）

拝啓時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、先日より〇〇の件で何度かお電話を差し上げましたが、ご多忙のようでしたので、お手紙にて失礼いたします。

つきましては、〇〇の件で一度お打ち合わせをさせていただきたく、ご都合のよろしい日時をいくつかお教えいただけますでしょうか。

ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。敬具

個人（友人・知人へ）

こんにちは、〇〇です。お変わりありませんか？

実は、〇〇の件で少し話したいことがあって、何度か電話したんだけど、忙しいみたいだったので手紙を書きました。

急ぎではないので、また都合の良い時に連絡をもらえると嬉しいです。

季節の変わり目なので、体調に気をつけてね。それでは、また。

安否確認（ご高齢の方へ）

拝啓暑さの厳しい日が続いておりますが、〇〇様におかれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか。

先日、お声が聞きたくなり何度かお電話を差し上げたのですが、お留守のようでしたので、筆をとりました。

特にご用件があるわけではございませんが、お元気にされているか少し気になっております。

また改めてお電話させていただきますね。

時節柄、どうぞご自愛ください。敬具

これらの例文をベースにして、伝えたい内容や相手との関係性に合わせて言葉を調整してみてください。

手紙の基本的な構成と書き方のポイント

手紙には基本的な構成、いわゆる「型」があります。

この型に沿って書くことで、相手に失礼なく、内容が伝わりやすい手紙になりますよ。

手紙は、大きく分けて「前文（ぜんぶん）」「主文（しゅぶん）」「末文（まつぶん）」「後付（あとづけ）」の4つの要素で成り立っています。

それぞれのパートで何を書くのか、ポイントを見ていきましょう。

前文
ここはいわば手紙の導入部分です。
「拝啓」などの頭語から始め、時候の挨拶、相手の安否を気遣う言葉などを続けます。
親しい間柄なら、少しカジュアルな挨拶でも大丈夫です。
主文
手紙の本題となる部分で、「さて」「つきましては」といった言葉で書き始めます。
「何度かお電話を差し上げましたが、つながらないようですのでお手紙を差し上げました」という経緯をまず伝えます。
その上で、本来の用件（アポイントのお願い、安否確認など）を分かりやすく簡潔に書きましょう。
末文
手紙の結びの部分です。
相手の健康や繁栄を祈る言葉で締めくくります。
「ご多忙の折、恐縮ですが」「季節の変わり目ですのでご自愛ください」といった一言を添えると、より丁寧な印象を与えられます。
後付
最後に日付、自分の氏名、相手の氏名を書く部分です。
「敬具」などの結語、日付、署名、宛名の順で記載します。
会社として出す場合は、会社名、部署名、役職、氏名、連絡先を忘れずに書きましょう。

この構成を意識するだけで、手紙の書き方がぐっと楽になります。

ビジネスシーンで使える丁寧な表現とは？

ビジネスシーンで手紙を送る際は、相手への敬意と配慮が伝わる丁寧な表現を心がけることが大切です。

特に、電話に出てもらえなかったという少しデリケートな状況では、「クッション言葉」と「相手を気遣う一言」がとても重要な役割を果たします。

これらをうまく使うことで、決して相手を責めているわけではないという気持ちが伝わり、柔らかい印象を与えられますよ。

具体的にどのような言葉を使えば良いか、いくつかご紹介しますね。

【便利なクッション言葉の例】

「ご多忙のところ大変恐縮ですが」
「お忙しいところ申し訳ございませんが」
「差し支えなければ」
「誠に勝手ながら」

これらの言葉を文頭につけるだけで、お願いやお断りの表現がぐっと丁寧になります。

【相手を気遣う一言の例】

「〇〇様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」（時候の挨拶の後に）
「ご多忙とは存じますが、ご検討いただけますと幸いです。」（お願い事の後に）
「時節柄、どうぞご自愛ください。」（手紙の結びに）

例えば、「ご多忙のようでしたので、お手紙にて失礼いたします」という一文は、電話に出られなかった相手の状況を察しているという配慮を示すことができます。

また、用件を伝える際も「〜してください」という直接的な表現は避け、「〜していただけますと幸いです」「〜いただけないでしょうか」といった依頼の形にするのがおすすめです。

こうした小さな配慮の積み重ねが、相手との良好な関係を築く上でとても大切になります。

個人間の連絡で使える自然な文面

親しい友人や知人に対して、電話がつながらないからと手紙を書く場合、ビジネスのような堅苦しい表現だと少し不自然に感じさせてしまうかもしれません。

大切なのは、相手に心配をかけすぎず、用件を伝えることです。

ポイントは、普段の会話に近い、やわらかくて自然な言葉を選ぶことですよ。

かしこまった時候の挨拶は不要ですが、相手の状況を気遣う一言を入れると、温かい気持ちが伝わります。

個人間の連絡で使える、自然な文面のポイントは以下の3つです。

カジュアルな書き出し
「こんにちは、〇〇です。元気にしてるかな？」のように、いつも話しているような雰囲気で書き始めましょう。
「拝啓」などの頭語は使わなくて大丈夫です。
電話した理由と相手への配慮
「〇〇のことで話したくて何度か電話したんだけど、忙しそうだったから手紙にしました」と、正直に、でも軽く伝えるのがおすすめです。
「出れなくてごめんね」と相手に思わせないような、「急ぎじゃないから大丈夫だよ」というニュアンスを添えると、さらに親切ですね。
簡単な結びの言葉
「また近いうちに連絡するね」「返事は時間があるときでいいよ」といった言葉で締めくくりましょう。
「体に気をつけてね」「また会えるのを楽しみにしているね」など、相手を思う一言をプラスすると、より気持ちが伝わります。

例えば、「この間の〇〇の件で、どうなったかなと思って電話したんだ。もし落ち着いたら、都合のいい時にでも連絡くれると嬉しいな。」といった具体的な表現も良いでしょう。

相手にプレッシャーを与えず、思いやりが伝わるような手紙を心がけてみてください。

ご高齢の方への安否確認で使える文例

ご高齢の親族や知人に電話をしてもつながらないと、何かあったのではないかと心配になりますよね。

そんな時に手紙で安否を確認する場合、相手を驚かせたり、不安にさせたりしないような、温かい配慮のこもった文章を心がけることが何よりも大切です。

用件を伝えることよりも、まずはこちらが気にかけているという気持ちを伝えることを第一に考えましょう。

安否確認の手紙で使える、思いやりの伝わる文例のポイントをご紹介します。

季節の挨拶で書き出す
時候の挨拶から入ることで、手紙全体が柔らかい雰囲気になります。
「暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか」「朝晩は冷え込むようになりましたが、お変わりありませんか」など、相手の体調を気遣う言葉を選びましょう。
電話した意図を優しく伝える
「お声が聞きたくなり、何度かお電話いたしました」「お元気にされているかと思い、ご連絡しました」といった表現がおすすめです。
「電話に出ない」という直接的な言い方ではなく、「お留守のようでしたので」と書くと、相手に余計な気を遣わせません。
用件はなくても良いことを伝える
「特に急なご用件というわけではないのですが、お変わりないか少し気になりまして」という一文を入れることで、相手は安心して手紙を読むことができます。
「また改めてお電話させていただきますね」と添えて、相手からの返信を急かさない配慮も大切です。
結びは健康を気遣う言葉で
「季節の変わり目ですので、どうぞ暖かくしてお過ごしください」「くれぐれもご無理なさらないでくださいね」など、最後まで相手を思いやる言葉で締めくくりましょう。

手紙を受け取った相手が、温かい気持ちになるような、優しい言葉選びを意識してみてくださいね。

営業先へのアポイントで好印象を与える書き方

営業活動で、お電話をしても担当者の方となかなかつながらないことはよくありますよね。

そんな時、手紙は一方的な印象を与えずにアポイントをお願いできる有効な手段になります。

ポイントは、相手の時間を尊重する姿勢を見せつつ、こちらの提案がいかに相手のメリットになるかを簡潔に伝えることです。

ただ「会ってください」とお願いするのではなく、「会う価値がある」と感じてもらえるような書き方を心がけましょう。

好印象を与えるアポイントの手紙には、以下の要素を盛り込むのがおすすめです。

電話した経緯と配慮
「〇〇様にご挨拶と弊社サービスのご説明をさせていただきたく、先日より何度かお電話を差し上げましたが、ご多忙のようでしたので、お手紙にて失礼いたします。」
このように、まずは電話をした経緯と、相手の忙しさを気遣う一文を入れましょう。
具体的なメリットの提示
なぜ会いたいのか、その理由を明確に伝えます。
「弊社の新サービス『〇〇』は、貴社の〇〇という課題解決に必ずお役立ていただけると確信しております。」
「導入事例として、〇〇業界の企業様で〇〇％のコスト削減に成功した実績がございます。」
このように、具体的なサービス名や数値、事例を挙げることで、話を聞いてみたいと思ってもらいやすくなります。
相手に選択肢を委ねる
一方的に日時を指定するのではなく、相手の都合を優先する姿勢を見せることが大切です。
「つきましては、一度、サービスのご説明の機会を5分ほど頂戴できないでしょうか。」
「もしご興味をお持ちいただけましたら、ご都合のよろしい日時をいくつかお教えいただけますと幸いです。」
短い時間で済むことを伝えたり、複数の候補を相手に委ねることで、心理的な負担を減らすことができます。

資料を同封するのも良い方法です。

手紙で全てを伝えようとせず、「詳しいお話をさせてほしい」というきっかけ作りに徹するのが成功のコツですよ。

督促・催促で相手を不快にさせない伝え方

お支払いの約束などが守られない時、電話がつながらないと本当に困ってしまいますよね。

手紙で催促をする必要が出てきた場合、最も気をつけたいのは、相手を不快にさせず、事務的に、かつ冷静に事実を伝えることです。

感情的な言葉は避け、あくまで「ご確認のお願い」というスタンスで書くことが、トラブルを防ぎ、穏便な解決につながります。

相手を追い詰めるのではなく、相手が行動しやすくなるような手紙を心がけましょう。

相手を不快にさせない督促の手紙のポイントは、次の3つです。

丁寧な前置きと行き違いの可能性に触れる
まずは「拝啓平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」など、丁寧な挨拶から始めます。
そして、「さて、〇月〇日付でご請求いたしました〇〇（請求額〇〇円）の件ですが、〇月〇日現在、ご入金の確認ができておりません。」と事実を記載します。
その後に、「本状と行き違いにご入金いただいておりましたら、何卒ご容赦ください」という一文を必ず入れましょう。これにより、高圧的な印象を和らげることができます。
具体的な内容を明確に記載する
何の件での連絡なのかが一目で分かるように、請求日、請求内容、金額、支払期限などを正確に記載してください。
曖昧な表現は、「忘れていた」「何の件か分からなかった」という言い訳の余地を与えてしまう可能性があります。
表などを使って分かりやすく示すのも効果的です。
今後の対応をお願いする形で締める
「お忙しいところ恐縮ですが、ご確認の上、お手続きいただけますようお願い申し上げます」というように、命令ではなくお願いの形で締めくくります。
連絡が欲しい場合は、「何かご事情がございましたら、担当の〇〇までご一報いただけますと幸いです」と付け加えると良いでしょう。

あくまで事務連絡として、冷静かつ丁寧な言葉遣いを徹底することが、最も大切なポイントです。

失礼にあたらないための書き出しと結びの言葉

手紙は、最初の「書き出し」と最後の「結び」で全体の印象が大きく決まります。

特に、電話がつながらないという少し特殊な状況で手紙を出す場合は、この書き出しと結びを丁寧に行うことで、相手に誠実な気持ちが伝わります。

失礼にあたらないためには、相手との関係性（ビジネスかプライベートか）と手紙の目的（お礼、依頼、お詫びなど）に合わせて、適切な言葉を選ぶことが重要です。

ここでは、様々なシーンで使える書き出しと結びの言葉の組み合わせをご紹介します。

【ビジネスシーンでの丁寧な組み合わせ】

書き出し：「拝啓」
時候の挨拶：「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
結びの挨拶：「今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」
結びの言葉：「敬具」

【プライベート（目上の方へ）の組み合わせ】

書き出し：「拝啓」
時候の挨拶：「〇〇の候、〇〇様におかれましては、お変わりなくお過ごしのことと存じます。」
結びの挨拶：「季節の変わり目、くれぐれもご自愛ください。」
結びの言葉：「敬具」

【プライベート（親しい友人へ）の組み合わせ】

書き出し：「〇〇さん、こんにちは。お元気ですか？」
結びの挨拶：「また近いうちに会えるのを楽しみにしています。」
結びの言葉：「それでは、また。」や「〇〇より」

書き出しの「拝啓」と結びの「敬具」はセットで使うのが基本ルールです。

また、「前略」で始めた場合は、「草々」で結びます。

これは時候の挨拶を省略する際に使いますが、少しカジュアルな印象になるため、相手を選ぶ必要があります。

電話がつながらなかった経緯を伝える手紙では、相手への配慮が大切なので、できるだけ丁寧な「拝啓・敬具」の組み合わせを使うのが無難でおすすめですよ。

何度かお電話を差し上げましたが、つながらないようですので手紙を出す前に知っておきたい注意点

相手にプレッシャーを与えないための配慮

電話に出ない相手に手紙を書くとき、一番気をつけたいのが「相手にプレッシャーを与えないこと」です。

良かれと思って書いた手紙が、相手を追い詰めたり、不快な気持ちにさせてしまっては元も子もありませんよね。

大切なのは、「あなたを責めているわけではない」という気持ちが伝わるような、思いやりのある言葉を選ぶことです。

相手にプレッシャーを与えないためには、これからご紹介する3つのポイントを意識してみてください。

相手の状況を気遣う言葉を入れる
「ご多忙のことと存じます」「お忙しいところ恐縮です」といった一言を添えるだけで、相手の状況を理解しようとしている姿勢が伝わります。
電話に出られなかったことを、相手のせいにするのではなく、「きっと忙しいのだろう」と気遣う気持ちを見せることが大切です。
返事を急かさない
「お時間のある時に」「ご都合のよろしい時に」といった言葉を使い、返信のタイミングを相手に委ねましょう。
「〇日までに返信してください」といった期限を設けるのは、督促など特別な場合を除いて避けた方が賢明です。
相手に考える時間や余裕を与えることで、結果的に良い返事がもらえる可能性も高まります。
用件は簡潔に、分かりやすく
手紙が長々と書いてあると、読むだけで疲れてしまい、相手にとって負担になります。
伝えたいことは何か、何をしてほしいのかを、できるだけ簡潔にまとめましょう。
特に、何かをお願いする場合は、相手が「何をすれば良いか」がすぐに分かるように書いてあげることが、一種の思いやりになります。

例えば、「何かご事情がおありかと案じております」といった表現は、相手を心配している気持ちは伝わりますが、受け取る側にとっては少し重く感じられることもあります。

それよりも、「また改めてご連絡しますね」と伝える方が、相手の負担は軽くなるでしょう。

電話に出ない相手の心理とは？

何度電話しても出てくれないと、「嫌われているのかな？」「何か怒らせるようなことをしたかな？」と不安になってしまいますよね。

でも、相手が電話に出ない理由は、必ずしもあなたに原因があるとは限りません。

相手には相手の事情があるのかもしれない、と一度立ち止まって考えてみることが大切です。

電話に出ない相手の心理として、考えられる主な理由をいくつかご紹介します。

単に忙しい
仕事や家事、育児などで手が離せず、電話に出る余裕がまったくないのかもしれません。
後でかけ直そうと思っているうちに、忘れてしまっているというケースもよくあります。
電話に出られない状況にいる
会議中、移動中の電車やバスの中、病院など、物理的に電話に出られない場所にいる可能性も考えられます。
スマートフォンの電源が切れていたり、故障していることもあり得ます。
知らない番号からの着信を警戒している
もし相手があなたの電話番号を登録していない場合、知らない番号からの着信を不審に思い、あえて出ないようにしているのかもしれません。
これは特に、セールスや勧誘の電話が多い現代では自然な防衛反応とも言えます。
体調が優れない
病気や怪我で寝込んでいて、電話に出られる状態ではないということも考えられます。
精神的に落ち込んでいて、誰とも話したくない気分の時もあるでしょう。
電話自体が苦手
人によっては、電話で話すことに強いストレスを感じる場合があります。
メッセージのやり取りは平気でも、突然かかってくる電話にはどう対応していいか分からず、つい避けてしまうという人もいます。

このように、理由は様々です。

一方的に悪く捉えるのではなく、相手の状況を想像してみることで、少し気持ちが楽になるかもしれませんよ。

手紙を送るタイミングの最適な見極め方

電話がつながらないからといって、すぐに手紙を送るのがベストな選択とは限りません。

手紙を送るタイミングを間違えると、相手を驚かせてしまったり、「せっかちな人だな」という印象を与えてしまう可能性もあります。

最適なタイミングを見極めるポイントは、「相手との関係性」と「用件の緊急度」を冷静に考えることです。

焦らず、一度立ち止まって状況を整理してみましょう。

タイミングを見極めるための具体的なステップは以下の通りです。

まずは数日間、時間をあけて電話してみる
一度や二度つながらなかっただけで手紙を送るのは、少し早いかもしれません。
相手が忙しいだけの可能性も考えて、最低でも2〜3日、時間帯を変えながら何度か電話をかけてみましょう。
平日の昼間がダメなら、夕方や週末にかけてみるなど、相手のライフスタイルを想像して工夫することが大切です。
用件の緊急度を判断する
「明日までに回答が必要な契約の件」と、「来月の同窓会の相談」では、緊急度が全く違います。
もし本当に急ぎの用件であれば、電話をかけたその日のうちに手紙を出す、あるいはメールなど他の手段を試すのが適切です。
一方で、急ぎでなければ、1週間程度は様子を見ても良いでしょう。
相手との関係性を考慮する
普段から頻繁に連絡を取り合っている親しい友人であれば、数日連絡がつかなければ「どうしたのかな？」と手紙を書いても自然です。
しかし、まだ関係性が深くないビジネスの相手や、久しぶりに連絡を取る相手の場合は、少し慎重になった方が良いでしょう。
あまり急かすと、相手に警戒心を与えてしまうかもしれません。

一般的な目安として、急ぎの用件でなければ、3〜4回ほど、数日にわたって時間帯を変えても電話がつながらない場合に、手紙を送ることを検討し始めるのが良いタイミングと言えるでしょう。

封筒の選び方と宛名の書き方マナー

心を込めて書いた手紙も、封筒の選び方や宛名の書き方で印象が大きく変わってしまうことがあります。

特に、電話がつながらないという少しデリケートな状況で送る手紙だからこそ、相手に失礼のないよう、基本的なマナーはしっかり押さえておきたいですよね。

封筒と宛名書きは、手紙の「顔」とも言える部分。

ちょっとしたポイントを知っておくだけで、相手に与える印象がぐっと良くなりますよ。

【封筒の選び方】

色と形
ビジネスや目上の方への手紙の場合は、白無地の和封筒（縦長のもの）か洋封筒（横長のもの）を選ぶのが最も丁寧で無難です。
親しい友人など、プライベートな手紙であれば、少し色や柄の入ったおしゃれな封筒でも構いません。
サイズ
中に入れる便箋のサイズに合わせます。便箋を三つ折りか四つ折りにして、ちょうどよく収まるサイズを選びましょう。
A4サイズの書類を送る場合は、折らずに入る「角形2号」という封筒が一般的です。

【宛名の書き方マナー】

筆記用具
黒色のペン（ボールペン、万年筆、サインペンなど）ではっきりと書きましょう。宛名書きに筆ペンを使うと、より丁寧な印象になります。
鉛筆や消せるボールペン、また宛名が目立たなくなるような薄い色のペンは避けてください。
宛名の敬称
個人宛の場合は「様」を使うのが基本です。会社や部署など、組織全体に送る場合は「御中」を使います。
「〇〇株式会社御中人事部部長〇〇様」のように、「御中」と「様」を同時に使うのは間違いなので注意しましょう。
先生や医師など特定の職業の方には「先生」という敬称も使えます。
切手
切手は、封筒の表面の左上に貼ります。複数枚貼る場合は、見た目がごちゃごちゃしないよう、できるだけ少ない枚数で、まっすぐに貼りましょう。
料金不足は相手に失礼にあたるので、郵便局の窓口で重さを測ってもらうか、事前に料金をしっかり確認してくださいね。

手紙以外の連絡手段（メール・SMS）の例文

電話がつながらない時、手紙を送る前に、メールやSMS（ショートメッセージサービス）で連絡してみるのも非常に有効な手段です。

手紙よりも早く相手に届きますし、相手も自分の都合の良いタイミングで確認・返信できるため、双方にとって負担が少ない場合があります。

大切なのは、件名で用件が分かるようにし、本文は簡潔にまとめることです。

ここでは、ビジネスシーンとプライベートシーンで使える、メールとSMSの例文をご紹介します。

【メールの例文（ビジネス）】

件名：【株式会社〇〇〇〇より】〇〇の件でのご連絡

株式会社〇〇
営業部部長〇〇様

平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。

先ほど、〇〇の件でいくつかご相談したくお電話を差し上げたのですが、ご多忙のようでしたのでメールにて失礼いたします。

つきましては、〇〇の件で、来週あたりに5分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。

お忙しいところ恐縮ですが、〇〇様のご都合のよろしい日時をいくつかお教えいただけますと幸いです。

ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。

【SMSの例文（プライベート）】

件名：〇〇です

〇〇ちゃん、こんにちは！〇〇だよ。
この間の〇〇のことでちょっと聞きたいことがあって電話したんだけど、忙しかったかな？
急ぎじゃないから、また時間があるときにでも連絡もらえると嬉しいな。

これらの例文のように、メールやSMSでも「電話をしたけれど、つながらなかったので連絡した」という経緯を伝えることが大切です。

相手のメールアドレスや電話番号を知っている場合は、手紙を送る前のワンクッションとして、ぜひ試してみてください。

手紙よりもスピーディーに返信がもらえるかもしれませんよ。

どうしても連絡が取れない場合の最終手段

何度電話しても、手紙やメールを送っても、まったく連絡が取れない…。

そんな状況になると、相手の安否が心配になったり、ビジネス上の手続きが進まずに途方に暮れてしまったりしますよね。

あらゆる手段を尽くしても連絡がつかない場合は、最終手段として、もう少し踏み込んだ方法を検討する必要があります。

ただし、これらの方法は相手のプライバシーに関わる可能性もあるため、実行する際は慎重な判断が求められます。

どうしても連絡が取れない場合に考えられる、3つの最終手段をご紹介します。

共通の知人や友人に相談する
もし相手とあなたに共通の知人や友人がいる場合、その人に連絡を取って、相手の状況を知らないか尋ねてみるのが最も穏便な方法です。
「最近〇〇さんと連絡が取れなくて少し心配しているのだけど、何か知らない？」と、あくまで相手を気遣う形で相談してみましょう。
思わぬところから、相手の状況が分かるかもしれません。
勤務先や所属団体に連絡する（ビジネスの場合）
ビジネスの相手と連絡が取れない場合は、その人が所属する会社の代表電話に連絡し、事情を説明して担当者の方に取り次いでもらう、あるいは伝言をお願いするという方法があります。
「〇〇部の〇〇様と〇〇の件でご連絡を取りたいのですが、お電話がつながらず大変恐縮なのですが…」と丁寧に伝えましょう。
直接訪問する
これは最も慎重になるべき方法ですが、相手の自宅や勤務先が分かり、かつ緊急性が非常に高い場合に限り、最終手段として考えられます。
約束なしに訪問するのは、相手に大きな驚きや警戒心を与えてしまう可能性があります。
安否確認が目的の場合でも、まずはインターホン越しに声をかける、置き手紙を残すなど、相手のプライバシーに最大限配慮した行動を心がけてください。

どの方法を取るにしても、まずは「なぜ連絡が必要なのか」という目的を明確にし、相手を尊重する気持ちを忘れないことが何よりも大切です。