Apple Watchのマナーモードは、コントロールセンターのアイコンをタップするだけで簡単に設定できます。
マナーモードには音だけを消す「消音モード」、光も抑える「シアターモード」、通知を完全に遮断する「おやすみモード」といった種類があります。
それぞれのモードでアラームや通知、電話の着信がどうなるかを理解し、正しく使い分けることが重要です。
この記事では、各モードの具体的な設定手順と解除方法、シーン別の効果的な使い方を詳しく説明します。
これを読めば、あらゆる状況でスマートにApple Watchを使いこなせるようになります。
アップルウォッチのマナーモードはコントロールセンターから簡単に設定
- コントロールセンターからの基本的な設定方法
- 消音モードとの違いは何?
- 映画館で役立つシアターモードの機能
- 睡眠を妨げないおやすみモード(集中モード)の使い方
- 3つのモードの効果的な使い分けシーン
- 設定した各モードの簡単な解除手順
コントロールセンターからの基本的な設定方法
Apple Watchのマナーモード(消音モード)は、コントロールセンターからワンタップで簡単に設定できます。
一番基本的な方法は、文字盤の画面を下から上にスワイプしてコントロールセンターを表示させるやり方です。
具体的な手順は以下の通りです。
- まず、時刻が表示されている文字盤の画面にします。
- 画面の下の端から、指でそっと上に向かってスワイプします。
- いくつかのアイコンが並んだ「コントロールセンター」が表示されます。
- その中から「ベル」の形をしたアイコンを探してください。
- このベルのアイコンをポンと軽くタップします。
- アイコンの色が赤色に変わり、画面の上部に一瞬「消音モード:オン」と表示されたら設定完了です。
これで、通知や操作の音が鳴らなくなります。
ちなみに、watchOS 10以降では、サイドボタン(Digital Crownの下にあるボタン)を一度押すことでも、どの画面からでもコントロールセンターを呼び出すことができるようになりました。
文字盤に戻る手間が省けるので、こちらの方法も覚えておくとさらに便利ですよ。
消音モードとの違いは何?
Apple Watchには、音を消すためのモードがいくつかあり、一般的に「マナーモード」と呼ばれる「消音モード」以外にも機能の違うモードが存在します。
それぞれのモードで「音」「振動」「画面の点灯」がどうなるかを知っておくと、場面に応じて正しく使い分けができます。
主な3つのモードの違いを表にまとめました。
| モードの種類 | 通知音 | 振動(バイブ) | 手首を上げて画面点灯 |
|---|---|---|---|
| 消音モード | オフ | オン | オン |
| シアターモード | オフ | オン | オフ |
| おやすみモード | オフ | オフ | オフ |
「消音モード」は、名前の通り音だけを消すモードです。
通知が来た時には、ブルブルっと手首の振動で知らせてくれますし、時間を見ようと手首を上げればいつも通り画面が点灯します。
一方で「シアターモード」は、音に加えて、手首を上げても画面が光らないようにするモードです。
映画館などで意図せず画面が光るのを防ぎます。
そして「おやすみモード」は最も強力で、音も振動も、画面の点灯もすべてオフにします。
睡眠中など、完全に通知を遮断したい時に使うモードです。
この違いを理解することが、Apple Watchをスマートに使いこなす第一歩になります。
映画館で役立つシアターモードの機能
映画館や会議中など、音だけでなく画面の光も気になってしまう場面で大活躍するのが「シアターモード」です。
このモードをオンにすると、Apple Watchの通知音や操作音が消えるのはもちろんのこと、一番の特徴である「手首を上げた時の自動的な画面点灯」もオフになります。
これにより、腕を動かした拍子に画面がパッと明るくなって、周りの人の迷惑になるのを防ぐことができます。
シアターモード中に時間などを確認したい場合は、画面を直接タップするか、横にあるDigital Crown(ギザギザのリューズ)を少し回す必要があります。
この「意図的な操作」をしない限り画面は暗いままなので、とても安心です。
設定方法は、コントロールセンターを開き、「2つの仮面」が描かれたアイコンをタップするだけです。
設定がオンになると、文字盤の上部にオレンジ色の仮面のマークが表示されるので、一目で設定中だとわかります。
ただし、注意点として、このモードでも電話の着信や通知の振動(触覚フィードバック)は作動します。
完全に通知を切りたいわけではなく、光と音だけを抑えたい、というシーンにぴったりの機能です。
睡眠を妨げないおやすみモード(集中モード)の使い方
質の良い睡眠のため、夜中の通知は完全にシャットアウトしたい、という時に最適なのが「おやすみモード」です。
このモードは、Apple Watchの消音機能の中で最も強力で、通知音、振動(バイブレーション)、そして画面の自動点灯のすべてをオフにします。
LINEの通知でブルっと震えて目が覚めてしまう、といったことを防いでくれるので、ぐっすり眠りたい夜には欠かせません。
設定はコントロールセンターの「月のアイコン」をタップするだけでオンになります。
この「おやすみモード」は、実はiPhoneの「集中モード」という機能と連動しています。
そのため、iPhone側で特定の時間(例えば夜23時から朝7時まで)に自動でおやすみモードがオンになるようにスケジュール設定しておけば、Apple Watchも自動で同じモードに入ってくれます。
毎晩手動で設定する手間が省けるので、このスケジュール設定を活用するのが最もおすすめの使い方です。
おやすみモード中は、画面も普段より暗くなり、時刻や日付など最低限の情報だけが表示されるシンプルな表示に切り替わります。
3つのモードの効果的な使い分けシーン
Apple Watchが持つ「消音モード」「シアターモード」「おやすみモード」は、それぞれの特徴を理解し、シーンに応じて使い分けることで、あなたの毎日をより快適にしてくれます。
具体的にどんな場面でどのモードが役立つのか、一覧にしてみました。
| こんなシーンで | おすすめのモード | なぜなら… |
|---|---|---|
| 静かなオフィスでの仕事中 | 消音モード | 音は出せないけど、振動で大切な通知や連絡には気づきたいから。 |
| 映画館やプラネタリウム | シアターモード | 音と画面の光、両方を抑える必要があり、周りへの配慮が最優先だから。 |
| 大事な会議やプレゼン中 | シアターモード | 不意に手元の画面が光ると、集中を妨げたり失礼に見えたりするのを防ぐため。 |
| 電車やバスでの移動中 | 消音モード | 周囲に迷惑をかけずに、乗り換え案内などの通知を手元で確認できるから。 |
| 夜、ベッドに入ってから | おやすみモード | 音も振動も光もすべてオフにして、睡眠の質を最大限に高めたいから。 |
| 読書や勉強に集中したい時 | おやすみモード | 一時的にすべての通知を遮断して、目の前のことに没頭したいから。 |
このように、その場の状況に合わせてモードを切り替える習慣をつけるだけで、Apple Watchの使いこなしレベルがぐっと上がりますよ。
設定した各モードの簡単な解除手順
消音モードやシアターモードなどを設定した後、それを解除する方法はとてもシンプルです。
基本的には、設定した時とまったく同じ操作を繰り返すだけです。
- まず、文字盤の画面で下から上にスワイプするか、サイドボタンを押して「コントロールセンター」を開きます。
- コントロールセンターの中に、現在設定されているモードのアイコンが表示されています。オンになっているアイコンは、背景に色が付いているのですぐに分かります。(消音モードは赤色、シアターモードはオレンジ色など)
- その色が付いているアイコンを、もう一度ポンとタップします。
- アイコンの色が消えて、他のアイコンと同じグレーの状態に戻れば、無事に解除完了です。
また、Apple Watchの文字盤の上部には、モード設定中に小さなアイコンが表示されています。
- 消音モード:ベルに斜線が入ったアイコン
- シアターモード:オレンジ色の2つの仮面アイコン
- おやすみモード:紫色の月のアイコン
これらのアイコンが消えることでも、モードが解除されたことを確認できます。
設定も解除もコントロールセンターのアイコンをタップするだけ、と覚えておけば迷うことはありません。
アップルウォッチのマナーモードで通知やアラームはどうなる?
- マナーモードにしてもアラーム音は鳴る?
- マナーモード中の電話の着信はどう通知される?
- LINEやメールの通知をバイブも含めてオフにするには
- iPhoneと連動させないで設定する方法
- シアターモードで手首を上げても画面がつかない理由
- 意図せず勝手にマナーモードになる原因と対処法
マナーモードにしてもアラーム音は鳴る?
Apple Watchは「消音モード」に設定していても、アラームやタイマーの音はちゃんと鳴るように設計されています。
これは、消音モードがあくまで「不意な通知音」を消すためのものであり、ユーザーが意図して設定した「時間を知らせるための音」は重要な役割を持つと考えられているからです。
例えば、会議のために消音モードにしていても、次の予定を知らせるアラームはしっかり鳴ってほしいですよね。
また、電車で少し仮眠したい時に、乗り過ごさないようアラームをセットする、といった場面でも安心です。
このように、アラームやタイマーは消音モードの影響を受けないため、音を鳴らしたくない場合は、アラーム設定そのものをオフにするか、アラームの音量をゼロにしておく必要があります。
ただし、一つ注意点があります。
音も振動もオフにする「おやすみモード」中は、アラームも音ではなく振動で通知されるようになります。
「消音モード」と「おやすみモード」ではアラームの挙動が異なる、という点を覚えておくと、混乱せずに済みますよ。
マナーモード中の電話の着信はどう通知される?
Apple Watchを「消音モード」に設定している時に電話がかかってくると、音は鳴らず、手首への心地よい振動(触覚フィードバック)で着信を知らせてくれます。
これにより、会議中や図書館といった静かな場所にいても、周りに気づかれることなく、大切な電話があったことを知ることができます。
画面には誰からの着信かが表示され、緑の電話マークをタップすれば応答、赤のマークをタップすれば着信を拒否することが可能です。
もし、すぐに電話に出られないけれど、振動だけでも止めたい、という場合には、Apple Watchの画面を手で覆ってみてください。
「カバーして消音」という機能が働き、3秒以上覆うと着信の振動が止まり、着信音もオフになります。(着信自体は続いています)
この機能は、とっさの時にスマートに対応できるので非常に便利です。
ちなみに、映画館などで使う「シアターモード」中でも、電話の着信は同じように振動で通知されます。
一方で、睡眠時などに使う「おやすみモード」中は、電話の着信があっても振動すらしません。
ただし、事前に許可した連絡先からの着信は通知されるように設定することも可能です。
LINEやメールの通知をバイブも含めてオフにするには
LINEやメールの通知を、音だけでなく振動(バイブ)も含めて完全にオフにしたい場合は、「おやすみモード」を使うのが最も手軽で確実な方法です。
コントロールセンターにある「月のマーク」をタップして「おやすみモード」をオンにするだけで、すべての通知音と振動がストップします。
これにより、仕事や勉強、読書など、何かに集中したい時間を誰にも邪魔されずに過ごすことができます。
もし、特定のアプリの通知だけを恒久的に止めたいのであれば、iPhoneの「Watch」アプリから個別に設定することも可能です。
手順は以下の通りです。
- iPhoneで「Watch」アプリを開きます。
- 「通知」という項目をタップします。
- 下にスクロールして、通知をオフにしたいアプリ(例:LINE、メール)を探してタップします。
- 「通知をオフ」を選択します。
この設定をしておけば、そのアプリからの通知はApple Watchには一切届かなくなります。
一時的にすべての通知を止めたいなら「おやすみモード」、特定のアプリだけをずっと止めたいなら「個別設定」と、目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。
iPhoneと連動させないで設定する方法
通常、Apple Watchで「おやすみモード」などの集中モードを設定すると、お持ちのiPhoneも自動的に同じモードに入ります。
これは「デバイス間で共有」という設定がデフォルトでオンになっているためで、非常に便利な機能です。
しかし、「iPhoneの通知は受け取りたいけど、手元のApple Watchだけは静かにしておきたい」といった場面もありますよね。
そんな時は、iPhoneの設定を一つ変更するだけで、Apple WatchとiPhoneの連動を解除できます。
手順は以下の通りです。
- iPhoneのホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- 「集中モード」という項目をタップします。
- 画面を少し下にスクロールすると、「デバイス間で共有」というスイッチがあります。
- このスイッチをタップしてオフ(白色の状態)にします。
たったこれだけで、連動が解除されます。
この設定をしておけば、Apple Watchでコントロールセンターから「おやすみモード」をオンにしても、iPhoneには影響がなく、通常通り通知が届くようになります。
もちろん、逆のパターンでiPhoneだけをおやすみモードにすることも可能です。
自分の使い方に合わせて、連動させるかどうかを選んでみてください。
シアターモードで手首を上げても画面がつかない理由
シアターモード中に手首を上げても画面が点灯しないのは、故障ではなく、それがこのモードの最も重要な機能だからです。
シアターモードは、その名の通り、映画館や劇場、プラネタリウムといった暗い場所で使うことを想定して作られています。
こうした場所で、ふとした拍子に腕を動かして画面がパッと光ってしまうと、周りの人の鑑賞の妨げになってしまいますよね。
それを防ぐために、シアターモードでは「手首を上げるジェスチャーによる自動点灯」の機能を一時的にオフにしているのです。
このモード中に時間を確認したい場合は、意図的な操作が必要になります。
- 画面を指で優しくタップする
- Digital Crown(ギザギザのリューズ)を少し上に回す
- サイドボタンを押す
これらのいずれかの操作をすることで、画面が静かに点灯します。
そして何もしなければ、またすぐに画面は暗い状態に戻ります。
あくまで「意図しない点灯を防ぐ」ための機能であり、Apple Watchのスマートな気配りの一つと理解しておくと良いでしょう。
意図せず勝手にマナーモードになる原因と対処法
「何もしていないのに、気づいたらApple Watchがマナーモード(消音モードやおやすみモード)になっていた」という場合、いくつかの原因が考えられます。
最もよくある原因は、iPhoneの「集中モード」との連動設定です。
【原因1】集中モードのスケジュール設定
iPhone側で「睡眠」や「仕事」などの集中モードが、特定の時間になると自動でオンになるよう設定されていると、Apple Watchもそれに連動してしまいます。
→対処法:iPhoneの「設定」→「集中モード」で、各モードのスケジュール設定を見直しましょう。
【原因2】ワークアウトアプリとの連動
ウォーキングやランニングなどのワークアウトを開始すると、自動的に「フィットネス集中モード」がオンになる設定があります。
→対処法:iPhoneの「設定」→「集中モード」→「フィットネス」を開き、「ワークアウトを開始したときにオンにする」のスイッチをオフにします。
【原因3】「カバーして消音」機能の誤作動
意図せず手のひらなどでApple Watchの画面を3秒以上覆ってしまい、この機能が作動して消音モードに入ってしまうことがあります。
→対処法:iPhoneの「Watch」アプリ→「サウンドと触覚」と進み、「カバーして消音」のスイッチをオフにすることで誤作動を防げます。
これらの設定を確認することで、意図しないモード切り替えはほとんど解決するはずです。
アップルウォッチのマナーモードまとめ
- Apple Watchのマナーモード(消音モード)設定は、コントロールセンターの「ベル」のアイコンから行います。
- 音だけを消す「消音モード」、光も抑える「シアターモード」、通知も振動も止める「おやすみモード」の違いを理解するのが重要です。
- 映画館では、手首を上げても画面が点灯しないシアターモードが最適です。
- マナーモード中でも、設定したアラームやタイマーは通常通り音で知らせてくれます。
- LINEなどの通知を振動も含めてオフにしたい場合は、「おやすみモード」を使用します。
- iPhoneと連動させず、Apple Watch単体でマナーモードを設定することも可能です。
- 意図せずモードが変わる場合は、iPhoneの集中モードやワークアウトとの連動設定を見直しましょう。