iPhoneロック解除の裏ワザは嘘?電卓やSiriの真実とパソコンなしでの対処法

現在のiPhoneにおいて、電卓やSiriなどの裏ワザを使ってパスコードロックを解除することは不可能です。

ネット上で散見されるバグ技の多くは古いOS向けの情報かデマであり、最新のセキュリティ環境では通用しません。

パスコードを忘れた場合に再び端末を使用するには、原則として初期化を行い工場出荷状態に戻す手順が必要です。

パソコンがない環境でも、iOS15.2以降の機能や「探す」アプリを活用することで、ロック解除と初期化を実行できます。

大切なデータを守るためにも、不確実な情報に惑わされず、Appleが推奨する正しい手順で復旧作業を進めましょう。

目次

iPhoneのロック解除の裏ワザとして噂される電卓やSiriの信憑性

電卓を使ったバグ技が現在も通用するのかの検証

残念ながら、電卓を使ってiPhoneのロックを解除する方法は、現在のiOSでは通用しません。

ネット上やSNSでたまに見かけるこの裏ワザは、かなり古いバージョンのiPhoneで起きていたバグを利用したものです。

もし動画などで成功している様子を見たとしても、それは古いOSを使っているか、あるいは動画のトリックである可能性が高いでしょう。

では、なぜこのような噂が広まったのか、少し詳しく見ていきましょう。

噂されていた手順とは

かつて流行した方法は、コントロールセンターから電卓を呼び出して操作するというものでした。

具体的には以下のような手順が噂されていました。

  • ロック画面でコントロールセンターを開く
  • 電卓アプリを起動する
  • 適当な数字を入力して計算を行う
  • 計算結果をコピーするなどの操作をする
  • ホームボタンを押すとロックが外れている

まるで魔法のような手順ですが、これはAppleによってすでに対策されています。

現在のiPhoneで同じことを試しても、電卓は使えますが、そこからホーム画面に戻ろうとすると必ずパスコードを求められます。

セキュリティは常に進化している

iPhoneのOSであるiOSは、頻繁にアップデートが行われています。

その中には新機能の追加だけでなく、こうした「抜け道」を塞ぐためのセキュリティ修正も含まれています。

電卓アプリからロックを回避できるという不具合は、セキュリティ上の大きな欠陥にあたるため、発見され次第すぐに修正されました。

そのため、最新のiOSにアップデートしているiPhoneであれば、この方法でロックが開くことはまずあり得ません。

何度も試して時間を無駄にするよりも、別の現実的な方法を探す方が解決への近道ですよ。

Siriを起動してセキュリティホールを突く手法の真実

Siriを使ったロック解除の方法も、現在は対策済みのため利用できません。

かつてはSiriに話しかけることで、特定の操作を経由して連絡先や写真アプリにアクセスし、そこからホーム画面に入れてしまうという裏ワザが存在しました。

しかし、これも電卓と同様に、過去のiOSバージョンに存在したセキュリティホール(欠陥)です。

現在のiPhoneでは、Siriを使ってもパスコードロックの壁を超えることはできなくなっています。

過去に有効だったSiriの手順

以前話題になったのは、Siriに「今何時?」と聞くところから始まる方法でした。

当時の流れはこのようなものです。

  • ロック画面でSiriを起動し「今何時?」と聞く
  • 表示された世界時計をタップする
  • 時計の設定画面から共有機能などをうまく使う
  • 連絡先などの別アプリを経由してホーム画面に戻る

非常に複雑でテクニカルな方法でしたが、一部のバージョンでは実際に機能していました。

この「抜け道」が見つかった当時、Appleはすぐに対応を行い、OSのアップデートで完全に穴を塞ぎました。

現在のSiriの挙動

今のiPhoneでロック画面からSiriを呼び出しても、個人情報に関わる操作やアプリの起動をしようとすると、必ず「まずはiPhoneのロックを解除してください」と言われます。

Siriはとても賢いアシスタントですが、持ち主のプライバシーを守るために、ロック中は権限が厳しく制限されるようになりました。

また、設定によってはロック中にSiri自体を起動できないようにしている方も多いはずです。

もしネット上で「Siriで解除できる」という記事を見つけても、日付を確認してみてください。

きっと数年前の古い情報であるはずです。

緊急電話ボタンを連打する昔ながらの攻略法の有効性

緊急電話機能を使ってロックを解除するという方法も、現在では不可能です。

ガラケー時代や初期のスマートフォンの頃には、ボタンを連打したり特定の記号を入力したりすることで、システムが誤作動を起こしてロックが外れるというバグが稀にありました。

しかし、今のiPhoneは非常に高度なプログラムで動いており、そうした単純な攻撃には屈しません。

それどころか、むやみにこの方法を試すことには大きなリスクが伴います。

緊急電話のリスク

「緊急電話」ボタンは、その名の通り、命に関わる緊急事態に警察や救急車を呼ぶための大切な機能です。

ロック解除の裏ワザとして適当な番号を入力したり、発信ボタンを押したりすると、誤って本当に110番や119番に繋がってしまう可能性があります。

これは緊急通報受理機関の方々に大変な迷惑をかける行為です。

絶対に遊び半分や試し行為で行ってはいけません。

噂の出どころ

なぜこのような話があるかというと、iOS6.1など非常に古いバージョンにおいて、緊急電話画面で特定の操作をすると電話アプリの中身が見えてしまうというバグが実際にあったからです。

しかし、これは10年以上も前の話です。

Appleはこの問題を深刻に受け止め、その後のアップデートで徹底的に修正しました。

現代のiPhoneの反応

現在のiPhoneで緊急電話画面を開き、めちゃくちゃにボタンを連打したとしても、何も起きません。

画面が切り替わることもなければ、ホーム画面に行けることもありません。

ただ「パスコード入力画面」に戻るか、最悪の場合は誤発信してしまうだけです。

この方法は効果がないだけでなく、社会的にも迷惑をかける危険な行為なので、選択肢から外しましょう。

コントロールセンターを経由して端末に侵入する手口の現状

コントロールセンターを操作してロック解除を試みる方法も、今のiPhoneでは通用しません。

コントロールセンターとは、画面の右上(または下)からスワイプして出てくる、Wi-Fiや明るさ調整などができるパネルのことです。

ここにある「カメラ」や「タイマー」、「機内モード」などを操作しているうちに、システムの隙をついてロックが外れるのではないか、と考える方もいるかもしれません。

しかし、ここにもAppleの堅牢なセキュリティ対策が施されています。

ロック中の機能制限

iPhoneの設定には「ロック中にアクセスを許可」という項目があります。

ここでコントロールセンターの使用を許可していたとしても、使える機能は表面的なものに限られます。

例えば、以下のような操作をした時の挙動を見てみましょう。

  • 機内モードの切り替え: 通信は切れますが、ロック画面はそのままです。
  • ライトの点灯: ライトはつきますが、それ以上の操作はできません。
  • タイマーの設定: タイマーはセットできますが、時計アプリの他の機能には移動できません。

どの操作を行っても、そこからさらに深い階層(写真や連絡先、ホーム画面など)に進もうとした瞬間に、パスコードの入力を求められます。

バグ技を探すのは難しい

YouTubeやTikTokなどの動画サイトでは、コントロールセンターをガチャガチャと操作してロックを解除するような映像が出回ることがあります。

しかし、その多くは映像編集によるフェイクか、視聴数を稼ぐための演出です。

あるいは、Touch ID(指紋認証)やFace ID(顔認証)がこっそりと認証されていることに気づかずに、あたかも裏ワザで開いたかのように見えているケースもあります。

自分の指紋や顔が登録されていないiPhoneで同じことを試しても、残念ながら何も起こりません。

コントロールセンターは便利な機能ですが、セキュリティを突破するための入り口にはなり得ないのが現状です。

写真フォルダへアクセスしてパスワードを回避する噂

ロック画面からカメラを起動し、そこから写真フォルダ(カメラロール)へ移動してロックを回避するという噂も、現在の仕様では不可能です。

iPhoneには、ロックしたままでも素早く写真が撮れるように、ロック画面からカメラを直接起動する機能があります。

「カメラが使えるなら、そのまま左下の写真アイコンをタップすれば、過去の写真も見られるのでは?」と思うかもしれません。

しかし、Appleはそのあたりの対策も完璧に行っています。

撮影直後の写真しか見られない

ロック画面から起動したカメラモードでは、セキュリティの観点から閲覧できるデータが厳しく制限されています。

具体的に言うと、見ることができるのは「今、そのロック中の状態で撮影した写真」だけです。

左下のサムネイルをタップしても、過去に撮った写真や保存されている画像は一切表示されません。

「すべての写真を表示するにはデバイスのロックを解除してください」といったメッセージが表示され、パスコードの入力を求められます。

プライバシー保護の徹底

もしロック中に誰でも写真フォルダが見られてしまったら、プライバシーも何もありませんよね。

落としたスマホを誰かに拾われただけで、個人的な写真を全て見られてしまうことになります。

iPhoneは個人のプライバシー保護を製品の最重要テーマの一つとして掲げています。

そのため、写真アプリへのアクセス権限は、ロック解除と強く紐付けられているのです。

共有メニューからの侵入も不可

以前は、撮った写真をSNSなどで共有するメニューを表示させ、そこから強引に他のアプリへ移動するバグがあった時期もありました。

しかし、これも他の裏ワザと同様に、現在は完全に対策されています。

共有ボタンを押しても、ロック解除をしない限りはメニュー自体が開かないか、機能が制限された状態になります。

写真フォルダを経由してシステムに入り込むという方法は、今のiPhoneでは完全に閉ざされた道だと言えます。

データを初期化しないで中身を見ることは現実的に不可能

ここまで様々な裏ワザの可能性を検証してきましたが、結論として、パスコードがわからない状態でデータを保持したまま中身を見ることは、現実的に不可能です。

「何か隠しコマンドがあるはず」「裏ワザでなんとかなるはず」と期待したくなる気持ちは痛いほどわかります。

大切な写真やLINEの履歴が消えてしまうのは本当に辛いことですよね。

しかし、現在のiPhoneのセキュリティは世界最高レベルであり、バックドア(裏口)のようなものは基本的に存在しません。

なぜ裏ワザが存在しないのか

もし簡単にロックを解除できる裏ワザがあるとしたら、それは世界中のiPhoneユーザーにとって重大な脅威になります。

盗難されたiPhoneの情報が簡単に抜かれてしまったり、犯罪に使われたりするリスクがあるからです。

Appleはそうした事態を防ぐために、何年にもわたってセキュリティホールを一つずつ潰してきました。

その結果として、「パスコードを知らない限り、誰も中身には触れない」という鉄壁の状態が作られているのです。

FBIでさえ解除は困難

以前、アメリカのFBI(連邦捜査局)が犯罪捜査のためにiPhoneのロック解除をAppleに求めたものの、Appleがこれを拒否したというニュースが世界中で話題になりました。

国家機関であっても簡単には開けられないほど、iPhoneのガードは堅いのです。

私たち一般ユーザーがネットで検索して出てくるような方法で、その壁を突破できる可能性はゼロに等しいでしょう。

残された道は「初期化」のみ

パスコードを忘れてしまい、Touch IDやFace IDも使えない場合、残念ながらデバイスを「初期化(リセット)」するしか再び使う方法はありません。

初期化をすると、iPhoneの中に入っているデータは全て消去され、工場出荷状態に戻ります。

ただし、iCloudやパソコンにバックアップさえ取ってあれば、そこからデータを復元することは可能です。

この先のセクションでは、パソコンがない場合でもできる初期化の方法や、バックアップから復旧する手順について詳しく解説していきます。

裏ワザを探す旅はここで終わりにして、スマホを再び使えるようにするための具体的な作業に移っていきましょう。

パソコンなしで実践するiPhoneのロック解除の裏ワザと初期化の手順

パソコンなしの環境でロックアウト画面からリセットする方法

パソコンを持っていない方でも、手元のiPhoneだけでロックを解除し、初期化する方法があります。

これまではiPhoneのロックを強制解除するにはパソコンが必須とされてきました。

しかし、iOSの進化によって、iPhone単体でリセットできる機能が標準で備わっています。

この機能を使えば、専用の機材や難しいケーブル接続などは一切必要ありません。

この方法が使える条件

ただし、この便利な機能を使うためにはいくつかの条件をクリアしている必要があります。

まずは、自分のiPhoneがその条件に当てはまっているか確認してみましょう。

  • iOSのバージョン: iOS 15.2以降であること
  • ネットワーク接続: Wi-Fiまたはモバイル通信につながっていること
  • Apple ID: 設定しているApple IDとパスワードがわかること

特に重要なのが「ネットワーク接続」です。

ロック画面の状態でも、iPhoneがインターネットに繋がっていなければ、Appleのサーバーと通信できないためこの機能は使えません。

画面の表示を確認する

パスコードを何度か間違えると、画面が「セキュリティロックアウト」または「iPhoneを使用できません」という表示に切り替わります。

このとき、画面の右下に「iPhoneを消去」という文字が表示されていれば、パソコンなしでのリセットが可能です。

もしこのボタンが出ない場合は、残念ながらこの方法は使えません。

その場合は、後ほど紹介する他の手段を試す必要があります。

まずは慌てずに、画面の表示をよく見てみてくださいね。

iOS15.2以降に搭載された「iPhoneを消去」の便利な機能

では、実際に画面上の「iPhoneを消去」ボタンを使ってロックを解除する手順を見ていきましょう。

この機能はiOS15.2から追加された比較的新しいもので、ユーザー自身が簡単にトラブルを解決できるように設計されています。

操作はとてもシンプルで、画面の案内に従うだけで数分で完了します。

具体的な操作手順

手順を間違えないよう、落ち着いて進めてくださいね。

  1. パスコードを間違える: 「iPhoneを消去」が出るまで、わざとパスコードを間違えます。
  2. ボタンをタップ: 画面右下の「iPhoneを消去」をタップします。
  3. 再確認: もう一度確認画面が出るので、再度「iPhoneを消去」をタップします。
  4. パスワード入力: Apple IDのパスワードを入力して、サインアウトします。
  5. 消去開始: 最後にもう一度タップすると、初期化が始まります。

これだけで、iPhoneは工場出荷時の状態に戻り、ロックも解除されます。

注意すべきポイント

この操作を行うと、iPhoneの中にあるデータはすべて消えます。

写真も、連絡先も、アプリも全部なくなってしまいます。

「えっ、全部消えるの?」と驚かれるかもしれませんが、これはセキュリティ上仕方のないことです。

しかし、iCloudなどにバックアップさえあれば、初期化したあとにデータを元に戻せるので安心してください。

バックアップがない場合はデータは諦めることになりますが、スマホ自体はまた使えるようになります。

まずは「スマホを使える状態に戻すこと」を最優先に考えましょう。

家族や友人のスマホで「探す」アプリを借りて遠隔操作する手順

もし自分のiPhoneが操作を受け付けない、あるいは「iPhoneを消去」ボタンが出ない場合は、他の人のスマホを借りるという手があります。

家族や友人のiPhoneに入っている「探す」アプリを使えば、あなたのiPhoneを遠隔操作で初期化できるのです。

「人のスマホで自分の情報を入力して大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、ゲストとして一時的に利用する機能があるので安心してください。

「探す」アプリを借りる際の手順

お友達や家族に事情を話して、iPhoneを少しだけ貸してもらいましょう。

操作の流れは以下の通りです。

  1. アプリを開く: 貸してもらったiPhoneで「探す」アプリを起動します。
  2. 自分タブを選択: 画面下部のメニューから「自分」タブを選びます。
  3. 友達を助ける: 一番下にある「友達を助ける」という項目をタップします。
  4. サインイン: ブラウザが開くので、あなたのApple IDでサインインします。
  5. デバイス選択: あなたのiPhoneを選んで、「iPhoneを消去」を実行します。

自分のスマホが見つからない場合

もしサインインしても自分のiPhoneが表示されない場合は、設定で「探す」機能がオフになっていた可能性があります。

その場合は、残念ながらこの遠隔操作での初期化はできません。

また、2ファクタ認証を設定していて、確認コードがロックされたiPhoneに届いてしまうというトラブルも起きがちです。

その際は、SIMカードを別の電話機に差し替えてSMSを受け取るなどの工夫が必要になります。

ちょっと手間はかかりますが、パソコンがない状況では非常に有効な手段の一つです。

周りにiPhoneユーザーがいれば、ぜひ協力をお願いしてみてくださいね。

iCloudへブラウザからアクセスしてデータを消去する流れ

「周りにiPhoneを持っている人がいない」という場合でも、諦める必要はありません。

Androidのスマホや、タブレット、会社のパソコンなど、インターネットに繋がるブラウザさえあれば大丈夫です。

Appleが提供しているクラウドサービス「iCloud」のWebサイトにアクセスすることで、iPhoneを初期化できます。

この方法は、端末の種類を問わずに実践できるのが最大のメリットです。

ブラウザからの操作ステップ

手元にあるAndroidスマホやPCを使って、以下の手順で進めていきましょう。

  1. サイトへアクセス: ブラウザ(ChromeやSafariなど)で「iCloud.com/find」にアクセスします。
  2. サインイン: あなたのApple IDとパスワードを入力してログインします。
  3. デバイスを探す: ログインできたら「すべてのデバイス」からロック解除したいiPhoneを選びます。
  4. 消去を選択: 表示されたメニューの中から「iPhoneを消去」を選びます。
  5. 実行: 注意書きを確認して、消去を実行します。

実行後の変化

この操作を行うと、遠隔でiPhoneに初期化の命令が送られます。

iPhoneがネットに繋がっていれば、すぐに画面が暗くなり、リンゴマークが出て初期化が始まります。

もしiPhoneの電源が切れていたり、圏外だったりする場合は、次にネットに繋がった瞬間に初期化が実行されます。

「保留中」と表示されても焦らず、iPhoneの電源を入れて電波の届く場所に置いておきましょう。

この方法は、誰のスマホからでもできるので、緊急時には漫画喫茶のパソコンなどからも実行可能です。

ただし、公共のパソコンを使った場合は、最後に必ずログアウトすることを忘れないでくださいね。

iTunesと同期したことのあるPCでパスコードを再設定するやり方

ここからはパソコンをお持ちの方向けの手順になりますが、過去に同期したことがあるパソコンがあるなら、とてもラッキーです。

iTunes(またはMacのFinder)と一度でも同期して「信頼」したことのあるパソコンなら、スムーズにロック解除できる可能性が高いからです。

通常はロックがかかっているとパソコンに繋いでも反応しませんが、信頼済みのパソコンなら話は別です。

同期済みPCを使うメリット

最大のメリットは、運が良ければ直前のデータをバックアップできるかもしれない点です。

パスコード入力なしでバックアップが取れるケースは稀になりましたが、試してみる価値は十分にあります。

手順は以下のようになります。

  1. 接続する: iPhoneをいつものパソコンにケーブルで繋ぎます。
  2. ソフト起動: iTunes(MacならFinder)を開きます。
  3. 同期/バックアップ: 自動的に同期が始まればそのまま待ちます。手動で「今すぐバックアップ」を押してみましょう。
  4. iPhoneを復元: バックアップが取れたら(または取れなくても)、「iPhoneを復元」をクリックします。

注意点

「iPhoneを復元」を押すと、初期化が始まります。

その後、セットアップ画面で「iTunesバックアップから復元」を選べば、先ほど取ったバックアップデータを戻すことができます。

これなら、パスコードを忘れる直前の状態に戻せるので、データロスを最小限に抑えられますね。

ただし、久しぶりに繋いだ場合などは、パソコン側でも「パスコードを入力してください」と求められることがあります。

その場合は、残念ながらこの方法は使えません。

次に紹介する「リカバリーモード」での初期化に進む必要があります。

まずは一度、使い慣れたパソコンに繋いでみて、反応を見てみましょう。

リカバリーモードを活用して強制的に工場出荷状態に戻す手段

同期したことのあるパソコンがない、あるいはパソコンに繋いでもパスコードを求められてしまう。

そんな時に使う最終手段が「リカバリーモード」です。

これは、iPhoneを強制的にメンテナンス状態にして、外からシステムを書き換えてしまう方法です。

少し操作にコツがいりますが、手順通りにやれば誰でもできますので安心してください。

準備するもの

  • パソコン(WindowsでもMacでもOK)
  • 充電ケーブル(できれば純正のもの)
  • ロックされたiPhone

リカバリーモードへの入れ方

機種によってボタンを押す順番が違うので、自分のiPhoneに合わせて操作してください。

iPhone 8以降(SE第2/3世代含む):

  1. 音量を上げるボタンを押してすぐ放す
  2. 音量を下げるボタンを押してすぐ放す
  3. 電源ボタンを長押しし続ける
  4. パソコンのマークが出るまで押し続ける(リンゴが出ても離さない!)

iPhone 7 / 7 Plus:

  1. 音量を下げるボタンと電源ボタンを同時に長押し
  2. パソコンのマークが出るまで押し続ける

iPhone 6s以前 / SE(第1世代):

  1. ホームボタンと電源ボタンを同時に長押し
  2. パソコンのマークが出るまで押し続ける

初期化の手順

画面にパソコンとケーブルのイラスト(リカバリーモード)が表示されたら、パソコン側で操作します。

iTunes(またはFinder)に「アップデート」または「復元」というウィンドウが出ます。

ここで必ず**「復元」**を選んでください。

「アップデート」を選んでもパスコードは消えません。

「復元」をクリックすると、ソフトウェアのダウンロードが始まり、完了すると初期化が実行されます。

時間がかかることがありますが、ケーブルを抜かずにじっくり待ちましょう。

万が一に備えて確認しておきたいバックアップからの復元プロセス

無事にiPhoneの初期化ができたら、次はデータを元に戻す作業です。

工場出荷状態になったiPhoneは、「こんにちは」という画面から始まります。

新品を買った時と同じように初期設定を進めていきますが、途中で重要な分岐点があります。

それが「Appとデータ」という画面です。

復元の選択肢

この画面で、どの方法でデータを戻すかを選びます。

主な選択肢は以下の通りです。

  • iCloudバックアップから復元: 一番ポピュラーな方法です。Wi-Fi経由でデータを戻します。
  • MacまたはPCから復元: パソコンに保存したバックアップを使います。
  • Appとデータを転送しない: バックアップがない場合はこれを選び、真っさらな状態で使い始めます。

iCloud復元の手順

iCloudバックアップを選んだ場合は、Apple IDとパスワードを入力してサインインします。

すると、過去に保存されたバックアップの日付がリストで表示されます。

一番新しい日付のもの、あるいは戻したい時点のものを選びましょう。

あとはWi-Fiに繋いだまま待つだけです。

写真やアプリの量によっては数時間かかることもありますが、寝ている間にやっておくと良いでしょう。

バックアップがない場合

もしバックアップが一つもなかったとしても、諦めないでください。

iCloud写真や連絡先をオンにしていた場合、Apple IDでログインするだけで、写真や電話帳の一部は戻ってくることがあります。

LINEなども、アプリ内の引き継ぎ設定やトーク履歴のバックアップがあれば復旧可能です。

初期化は終わりではなく、新しいスタートです。

一つずつ設定を確認して、元の使いやすいiPhoneに戻していきましょう。

自力での対処が難しい場合に業者へ依頼する判断基準

ここまで紹介した方法をすべて試してもダメだった、あるいはパソコンもなくて自分ではどうしようもない。

そんな時は、プロの業者に頼るという選択肢もあります。

ただし、どこに頼むかによって結果や料金が大きく変わるため、慎重に選ぶ必要があります。

主に「Apple正規サービスプロバイダ」と「非正規の修理店」の2つがあります。

Apple正規店(Apple Storeなど)

一番確実なのは、Apple Storeや正規サービスプロバイダ(カメラのキタムラなど)に持ち込むことです。

ここでは確実に初期化を行ってくれます。

ただし、予約が必要なことが多く、混雑していると数日待たされることもあります。

また、本人確認書類や購入証明書が必要になる場合があるので、事前に電話で確認しておくと安心です。

費用は、システム復旧だけであれば数千円程度、あるいは保証期間内なら無料の場合もあります。

非正規の修理店(街のスマホ修理屋さん)

駅前などにある一般的な修理店でも、初期化代行を行っているところがあります。

メリットは、予約なしでも即日で対応してくれる店舗が多いことです。

「今すぐ直したい!」という急ぎの場合には便利ですね。

ただし、技術力はお店によってピンキリですし、料金もお店ごとに違います。

業者ができないこと

ここで一つ、非常に重要な注意点があります。

それは、**「どんな業者であってもアクティベーションロックは解除できない」**ということです。

初期化した後、持ち主のApple IDとパスワードを入れる画面(アクティベーションロック)が出ますが、これを突破することはプロでも不可能です。

もし「パスワードがわからなくても完全に解除します」と謳っている業者がいたら、それは詐欺の可能性が高いので注意してください。

業者ができるのはあくまで「端末の初期化」までです。

自分の状況と予算に合わせて、最適な依頼先を選んでくださいね。

iPhone ロック解除 裏ワザ まとめ

  • 電卓やSiri、緊急電話を使ったiPhoneロック解除裏ワザは現在使用できません。
  • セキュリティの仕様上、初期化しないでロックを解除する魔法のような方法は存在しません。
  • パソコンなしでも、iOS15.2以降なら画面上の操作だけでリセットが可能です。
  • 家族のスマホで探すアプリを使えば、遠隔操作でロックされた端末を消去できます。
  • iTunesと同期済みのPCがある場合は、バックアップを取りつつ復元できる可能性があります。
  • どの方法も使えない時は、リカバリーモードで強制的に工場出荷状態に戻しましょう。
  • バックアップさえあれば、初期化後もデータや写真を復元して元通りに使えます。
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